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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山もえ議員)

正規の国民健康保険証の発行と、保険税の引上げを誘導しないことについて

Q   秋山もえ   議員(共産党

厚生労働省調査では、2018年度の国民健康保険料、税の滞納世帯は全国約267万世帯です。この滞納世帯に占める保険証不交付世帯の割合は、全国平均34.7%ですが、ここ埼玉県は13.9%で、全国一少ないことは評価できます。
しかし、まだ不交付割合が40%を超える市もあります。全日本民医連の報告によれば、経済的事由による手遅れ死亡事例のうち、約半数が無保険、資格証明書、短期証の世帯です。正規の保険証の取り上げは、国民から医療を受ける権利を奪うものです。短期証や資格証明書の発行をやめ、正規の保険証が発行されるよう、県として更なるイニシアチブを発揮していただきたい。いかがでしょうか。
私の地元上尾市では、2019年度の国保税について年収400万円、4人世帯で35万600円となり、前年より7万300円も引上げとなりました。ほかにも引き上げとなった市町村があります。昨年の国保の都道府県化による一般会計繰入れ解消圧力の影響です。さらに、国・県は市町村に6カ年で決算上の赤字を削減、解消させる計画書を提出させ、繰入れをなくし、保険税を引き上げるよう圧力をかけています。しかし、一般会計繰入れの裁量は自治体にあり、独自繰入れで値上げを抑える自治体もあります。
伺います。県内自治体の赤字削減解消計画書の策定、提出の現状について、6カ年で赤字を解消できない市町村の数と、赤字解消しないとする市町村の考え方を尊重すること、市町村に赤字削減解消を口実に保険税の引上げを誘導しないこと、以上、保健医療部長、お答えください。

A   関本建二   保健医療部長

まず、正規の国民健康保険証の発行についてでございます。
国民健康保険法では、滞納期間が1年未満の世帯に対しては、有効期間が短い短期被保険者証を交付する制度がございます。
また、災害など特別な事情がなく1年以上滞納がある世帯には資格証明書を交付し、この場合、受診した際に一旦窓口で医療費の全額をお支払いいただくことになります。
これらの制度は、滞納者と納税相談を行う機会を設け、滞納解消を図ることを趣旨としております。
市町村が個々の被保険者の状況を把握した上で、きめ細かく対応することが重要であると考えております。
一方、災害その他特別な事情により保険税が納付できない場合や高校生世代以下の被保険者に対しては、資格証明書の交付は行わず、個々の状況に応じた対応がされております。
県といたしましては、短期被保険者証や資格証明書の制度が趣旨にのっとり適切に運用されるよう、市町村を指導してまいります。
次に、保険税の引上げを誘導しないことについてでございます。
国保財政の安定的な運営のためには、必要な支出を保険税や国庫支出金などで賄うことにより、国保特別会計の財政収支を均衡させることが重要です。
しかしながら、収支不足を補うことなどを目的に、これまで市町村では一般会計からの法定外の繰入れが行われてまいりました。
このため都道府県及び市町村が赤字削減・解消計画を策定し、財政収支の均衡に向けた取組を計画的に進めるよう、国から通知がなされました。
県では、平成30年度からの新制度移行に当たり、県と市町村が共同運営する際の指針となる「埼玉県国民健康保険運営方針」を市町村との丁寧な議論を経て策定しております。
この方針では、削減・解消すべき赤字のある市町村は、6年以内の赤字解消を原則とし、それが困難な場合には、市町村の実態を踏まえた目標を設定することとしております。
現在、34市町村が赤字削減・解消計画を策定しており、このうち9市町村が6年間では解消しない計画となっております。
これらの9市町村では、法定外繰入れを行ってきたこれまでの経緯を踏まえ、それぞれの実態に応じた計画を策定したもので、市町村の意思決定は尊重されるべきと考えております。
市町村は自ら策定した計画の目標達成に向け、保険税率の適正な設定のほか、医療費適正化や保険税収納率向上などの取組を進めております。
保険税率は、これまでどおり、地域の実情に応じて市町村が市町村の責任において決定するものと認識しております。
県といたしましては、各市町村の目標達成に向け、糖尿病性腎症重症化予防プログラムなどによる医療費適正化の取組や、収納率向上などの収入を増やす取組を支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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