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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(萩原一寿議員)

認知症対策について

Q   萩原一寿   議員(公明

急速な高齢化に伴い、認知症の高齢者は増加し、2025年には認知症の人が約700万人に達すると予測されています。年を重ねれば誰もが認知症になる可能性があり、誰もが介護をする側になる、極めて身近な問題です。
政府は今月18日、認知症施策の新しい大綱を決定しました。大綱は、認知症になっても安心して暮らせる共生の地域づくりを推進することが大切であり、予防に関する調査研究を加速化した上で、情報発信の重要性を訴えています。
認知症は、現在の医療では完治することは難しいとされていますが、早期に発見し、早期に受診していけば、その進度を遅らせることができます。私は、認知症をどうキャッチし、治療につなげるか、これが重要だと考えます。
認知症の早期発見の取組として、スクリーニング検査が有効です。これは、認知症の簡易な検査表を用いた専門医師などの問診による検診メニューです。市町村主体の事業になるので、特定健診やがん検診のメニューに入れるなど、幅広く受診できるよう県が後押しをすべきです。そして、早期受診につなげられるようにすべきと考えますが、上田知事の御所見を伺います。
2点目として、県では認知症の初期対応や専門医療について中心的な役割を担うため、認知症疾患医療センターを県内10カ所に整備しました。センターとして、早期受診に向けてこれまでの動きと今後どのように取り組んでいくのか、併せて上田知事に伺います。
3点目として、認知症当事者の家族が認知症に気づき、すぐに治療に向かうことができればいいのですが、家族が薄々認知症と分かっていても、そのための情報が不足しているため、適切な治療に向かえないことがあります。まず、認知症当事者や家族が早期の段階で情報をとるために、相談できる体制づくりが必要と考えます。
認知症の家族が、認知症疾患医療センターや地域包括支援センターをよく知らず、相談から治療まで進んでいない話を伺います。私は県民の側に立ち、認知症に関する電話相談の導入や認知症疾患医療センター、地域包括支援センターを有効活用するなど、治療や対応につなげるシステムをつくるべきと考えますが、御見解を伺います。

A   上田清司   知事

2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると推計されており、認知症は特別な病気ではないとされております。
県では市町村において、医師の面談によるスクリーニング検査、いわゆる「認知症検診」を実施していただくよう取り組んできました。
現在、県内で実施しているのは13市町にしか過ぎません。
認知症は早期に発見し治療や適切な支援を受けることができれば、進行を遅らせて、本人の生活の質の低下を防ぎ御家族の負担を軽減することにもつながります。
認知症の予防のためのスキームが確立されていないため、検診の必要性が浸透しない現状がございます。
検診の開始時期や頻度など有効な検診手法について、専門家や医療関係者などと今後しっかり協議を進めていきたいと思います。
当面は県としては市町村に対し国民健康保険交付金を使って、認知症検診を積極的に実施できるよう働き掛けをしてまいります。
 次に、認知症疾患医療センターの早期受診に向けたこれまでの動きと今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。
認知症疾患医療センターは認知症に対する相談や診断治療を行うほか、かかりつけ医や地域包括支援センターなどに専門的な助言を行うため、県が二次医療圏に1カ所指定した精神科医療機関でございます。
各センターで家族や医療関係者に対し、認知症の理解促進と早期受診の必要性について研修も行っております。
県が設置した九つのセンターでは平成30年度は研修会を154回開催し、4,753人の方に御参加をいただいております。
今後は各センター単位で早期発見につながった好事例を収集し、対応結果を共有することで各圏域における早期受診が進むように取り組んでまいります。
次に、治療や対応につなげるシステムをつくることについてでございます。
単身世帯や高齢夫婦のみの世帯などの増加により、認知症の病状に気付いても、相談窓口につながらない方もおられます。
そうした方々を早期に受診につなげるためには、周囲からのアプローチが何よりも重要です。
まず、県民の皆様に認知症への正しい理解を深めていただくため、認知症サポーター養成講座を実施し、平成30年度末まで46万人を超える方々が受講されております。
民生委員や自治会の皆さんにも数多く受講していただいております。
そのような方々が認知症の正しい知識を持つことで、地域の高齢者の変化に気付き、早期に相談窓口とつながることが期待できます。
また、かかりつけ医や薬剤師などの医療従事者に研修を受けていただき、認知症が疑われる方に受診を促進したり、地域包括支援センターへ情報を提供していただくことになります。
これまでに研修を受講した医療従事者が4,827人となっております。
薬局の薬剤師についても地域の高齢者と接する機会が多いことから、今年度からは研修の規模を拡大し、計画的に県内の全ての薬局に認知症の知識を持った薬剤師を配置できるように取り組んでまいります。
また、認知症の疑いがありながら受診を拒否される方に対しては、医師や看護師などで構成する認知症初期集中支援チームが全市町村に設置されており、個別に家庭を訪問し受診につなげてまいります。
平成29年度には77のチームが活動しており、延べ1,659回の訪問を行っているところです。
こうした認知症疾患医療センターや地域包括支援センター、地域の医療従事者などの関係機関が連携を強化することにより、早期発見につなげるシステムとして機能すると考えているところです。
今後も地域で温かく見守る目を増やし、関係機関との連携を更に深め、情報が隅々まで届くような取組を進め、認知症の方が早期に適切な医療や支援に結びつくように努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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