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掲載日:2025年3月25日
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留学先の学校では、「Harmony Day」というイベントを通して埼玉の魅力をアピールしました。このイベントは、参加希望者がいくつかのグループに分かれて、いろいろな国の料理を生徒や先生に販売するというものです。現地では材料を手に入れることが困難だったり、現地の人でも食べやすくてまだ食べたことのないような日本料理(郷土料理)を提供しようとしたり試行錯誤しました。その中で私たちのグループでは埼玉の郷土料理である「行田フライ」を提供しました。イベント当日には、行田フライについてのポップを用意し、法被を着て日本らしさを出し販売しました。韓国人の友達からは「チヂミに似ていておいしい」と言ってもらえたり、オーストラリアの友達からは「お好み焼きに似て食べやすい。埼玉県にもおいしいものがあるのは知らなかった。」と埼玉県を知ってもらえるきっかけになったりしました。
また、私は日本語のクラスをもっていたので、授業を通して埼玉県について伝えたり、友達が日本旅行にどこに行くといいか質問されたときは、川越や秩父などの埼玉県のスポットをお勧めしました。そして、現地の人に埼玉について教える際に、生まれ育った自分でも知らなかったような情報も知ることができ、伝えるだけでなく同時に学ぶ機会にもなりました。
私は、留学中、ホストファミリーの下でホームステイをしながら生活していました。英語があまり得意でないので初めは言っていることが分からなかったり、言いたいことがうまく伝えられなかったりとコミュニケーションに高い壁を感じました。また、意味が分からないときに何回も質問して相手の話を遮ることに勝手に遠慮してしまい、分かっているふりをしながら曖昧なリアクションや愛想笑いをしてしまっていました。そんな時、ホストマザーと会話をしている中で笑う場面でないところで愛想笑いしてしまい、そこでその反応は変だよと注意されたことがありました。そのことがあってから、私のやっていたことは遠慮ではなく相手に失礼な態度をとっていただけだと今更ながらその時に分かりました。そこからは、分からないことは分からないと伝え、翻訳機を使ったり、簡単な単語に言い換えてもらったりしてコミュニケーションをとっていました。
学校は現地の公立校に通っていました。私の通っていた学校は日本人留学生が私以外居らず、また、他国の留学生も少ない学校でした。そのため、現地の人がほとんどの学校生活でした。授業では、先生のアクセントの訛りに苦労しました。そして、アセスメントや授業を理解することが非常に困難でした。しかし、幸いにも日本語のクラスがあり、日本語対応できる先生や日本人の先生もいたので日本語の先生や現地の先生に放課後、英語の指導やアセスメントを手伝ってもらっていました。また、同じクラスで仲良くなった友達にも手伝ってもらいながらやっていました。
休日やホリデー期間は友達とシティまで遊びに行ったり、ホストファミリーと出かけたりしていました。
その中でも特に印象に残っていることは、現地の友達たちとそれぞれ母国の料理を作りあい、各国の共通点や相違点を話して遊びながら多様な文化や価値観にふれたことです。多文化社会のオーストラリアだからこその貴重な経験になりました。
この留学の機会を経て、国外の異文化を知るだけでなく、日本の外から客観的に日本を見ることで、留学前と比べて物事を見る視野や角度がより開け、より多様な価値観を得ることが出来たと感じます。また、家族や慣れ親しんだ土地から離れ生活したことで、己の人間としての未熟さを知り、たくさんの方にサポートしてもらいながら自分と向き合うことが出来ました。そして、奨学金を支援していただいたおかげでこのような貴重な機会を得ることができ、同時により充実した留学ライフを送ることが出来ました。この度は支援していただき誠にありがとうございました。改めて、重ねてお礼申し上げます。