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掲載日:2024年7月11日
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さあ、最後のステップ、「まとめた結果から読み取る」に入ろう。
問題は「次の読書週間の目標を立てるため、クラスの「ふつう」の読書量を知りたい」だったね。これまでに出てきた数字などから考えていこう。
クラスの「ふつう」の読書量はどのくらいと考えたらよいかな?
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500ページごとに区切った場合の最頻値750.5ページは、さすがにふつうとは言えないんじゃない?それより多い人が29人もいるもの。
ぼくもそう思う。ほかの数字はそんなに変じゃないのにね。500ページごとに区切ったのがいけなかったんじゃないの?
そうだね。「区切りかたをまちがえると、統計の読み取りもまちがえる」という話を少ししたけど、501ページから1000ページという区切りかたは、今回の場合は良くなかったみたいだね。それじゃあ、ほかのどの数字がふつうに近いと思うかな?
わたしは、最初、平均がふつうだと思っていたけど、平均値の1256ページより少ない人が21人もいるのよね。わたしも平均より少ないし。
だから、中央値の1138ページくらいをふつうと考えて、それよりちょっと多い1200ページを目標にしたらいいんじゃないかしら。
400ページごとに区切った場合なら、ぼくとあやのさんが同じグループに入るし、「801~1200ページ読んだ人」をふつうの人と考えたほうがよくない?最頻値が1000.5ページだから、1000ページを目標にすれば、読書量の少ない人も無理なく達成できるでしょ。
ちがう意見になったけど、二人ともデータをもとにきちんと考えられているね。
もし、クラスの目標を立てることになったら、今のように、それぞれ統計データと考えかたを説明して、どちらの考えがいいかクラスのみんなの意見を聞いて決めるといいだろうね。統計データを使えばクラスのみんなもきちんと考えることができるからね。
「アンケートをしたらこうなりました。」で終わらせずに、こんなふうに統計データから「読み取ったことをじっさいに生かす」ことが大事なんだ。
わたしは、自分はふつうよりちょっと多いほうだと何となく思っていたけど、統計を使って調べたら実はそうでもないことがわかって意外だったわ。次の読書週間はもう少しがんばろうかな。
コバトンの言うとおり、統計から読み取ったことをじっさいに生かすのはいいことだと思うよ。
でも、さっきは1000ページ目標なんて言ったけど、やっぱりなんかなっとくできないなあ。2000ページとか3000ページとか、ページ数が多すぎると思うんだよね。宿題とか習い事もあるんだし。
前も言ったけど、ぼくも熱心に読んだんだよ。文字ばかりでイラストの少ない、むずかしめの本だったけど、話がおもしろかったから最後まで読めたんだ…?そうだよ、イラストとかがあるんだから、ページ数からイラストの分を引かないとダメだったんじゃない?
たしかに、さし絵の多い本と、さし絵のない本のページ数をそのままくらべるのは問題だね。
そんなこと言ったら、字の大きい本と小さい本があるわよ。
そうだよ、1ページの文字数がちがうんだから、ページ数だけじゃくらべられないよ。読んだ本の文字数を調べなくちゃいけなかったんだ!
うん。読書量はページ数だけじゃ正確(せいかく)に計れないようだね。どうやら、「ふつうの読書量を計るためページ数を調べる」という最初の考えに問題があったみたいだね。それなら、はかるくんの言うように文字数を調べればいいのか、ほかの発想はないのか…。こんなふうに、もし問題がうまく解決(かいけつ)しなかった場合は、また最初のステップ1にもどってやり直すんだ。
ぼくが読んだ本は、登場人物が多かったり、なぞときがあったりして、とちゅうで何度も読み返したんだよね。文字数のほかに本のむずかしさも調べればいいと思うな。
たしかにそうだけど、文字数なんか数えたら大変よ。わたしはいやよ。それに、本のむずかしさなんてどうやって計るの?
あやのくんの言うとおり、読んだ本の文字数を数えるのはとても大変だから、協力してくれる人はいないだろうね。本のむずかしさも数字で表すのはむずかしそうだね。このように、正確(せいかく)な読み取りのために必要な統計データがいつも集められるとはかぎらないんだ。
そうかあ。いい考えだと思ったのになあ。じゃあ、どうすればいいんだろう?ほかにかんたんに調べられるものはないかなあ…。
むずかしい本を少し読んだ人と、やさしい本をたくさん読んだ人をどうやってくらべたらいいのかしらね。
二人ともこまっているね。一口に「本」というけど、本にはジャンルやむずかしさのちがういろいろな本があるよね。もし、みんなが同じ課題図書を読むのなら、本の数やページ数で読書量を正確(せいかく)にくらべることができる。でも、クラスの読書週間は好きな本を読んでいいことになっているわけだから、本の数やページ数では、かんたんにくらべることができない。
それは、もうわかっているよ。だからどうするか考えているんじゃない。
うーん。ファンタジーの400ページと伝記の300ページ、どうやってくらべたらいいのかしら…。全然思いつかないわ。
思いつかなくてもしかたないよ。ちがう本を正確(せいかく)にくらべることはできないからね。つまり、くらべられないものをくらべようとしているから無理があるんだ。そもそも「読書週間中のクラスのふつうの読書量」を統計で正確に知ろうと考えた所に無理があったんだね。
ちょっと、何それコバトン!「ふつうの読書量を知りたい」ってごういんにまとめたのはコバトンじゃない!
そうだよ、みんなにアンケートまでしたのに。今さら「そもそも無理があった」なんてひどいや。
いや、無理があったのは、「正確(せいかく)に」という所なんだ。統計を使って出てきた数字は、いつも「完全に正確」とはかぎらないんだよ。
今回のアンケートは、あやのくんのようにクラスの「だいたいのようす」を考えることには使えるけど、はかるくんのように「ふつうの読書量」を細かく正確に知ろうとするには無理があるということなんだ。
実は、今回の資料集めは先生にも協力していただいたんだけど、先生は「本の世界の楽しさを知るための読書週間だから、読んだ量は問題にしていません。」とおっしゃっていたんだ。そもそも「ふつう」の読書量を問題にする意味があまりなかったんだね。
「失敗して覚える」って言うよね?うまくいかないほうが、学ぶことが多いと考えて、わざとこのテーマにしたんだよ。だまっていてごめんね。
言われてみれば、読書は量をくらべるものではないわね。でも、せっかく調べたアンケートはどうするの?協力してくれた友達になんて言えばいいかしら。
「ふつうの読書量は、そもそも出す意味がなかったです。」なんて今さら言えないよね。
二人とも落ちこむことはないよ。「統計はものごとのようすを調べるための道具だ」ってことを思い出してごらん。クラスの読書のようすを知ることが大きな目的だとすれば、「ふつうの読書量」は読書のようすを考えるヒントの一つにすぎないんだ。ほかのヒントがないかもう少し考えてごらん。
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10冊の人が二人いるんだけど、ページ数がずいぶんちがうんだよね。10冊で2124ページの人は、うすい本ばかり読んだんじゃないかな。
2冊の人もすごい差があるわ。うすい本をたくさん読みたい人と、ぶあつい本をじっくり読みたい人がいるんじゃない?
そうだね、今回のアンケートから、たくさん読みたい人とじっくり読みたい人がどうなっているかまとめることができそうだね。あと、アンケートに名前を書いてもらっているから、男子と女子でちがいがあるかも調べられるよね。
こんなふうに、すでにある統計データを、ちがう見かたからまとめることもできるんだ。そこに新しい発見があるかもしれない。
なるほど、ぼくはじっくりタイプだね。タイプ別にまとめるとおもしろそうだね。
わたしは、女子と男子にちがいがあるか知りたいわ。
二人とも、今度はうまくいきそうだね。問題を「自分の読書スタイルを見つめ直すため、クラスの読書のようすをタイプ別、男女別にまとめる」のようにとらえれば、意味のある結果がきっと出るよ。
さて、統計の作りかた、使いかたの最後のステップをまとめておくよ。
まとめた数字から、ものごとのようすを読み取る。その数字が問題解決(かいけつ)につながるか考える。
読み取ったことを、じっさいの問題解決に生かす。
ここで、統計の作りかた、使いかたのここまでのステップをおさらいしよう。
もし、ステップ5までやってみて、うまくいかなかった場合は、最初のステップ1にもどってやり直すんだ。この1から5のステップをくり返すことで、問題の解決(かいけつ)に近付けていくんだよ。
まず題材を決める。次に問題をはっきりさせる。つまり「知りたい、知らせたい、何とかしたい」ことをはっきりさせる。
問題を解決するには何をどうやって調べたらよいか考え、計画を立てる。
すでにある統計を使う時は、どの統計データを調べたらよいか、計画を立てる
計画にそって、調査(ちょうさ)用紙を配ったり、直接聞いたりして統計データを集める。
すでにある統計を使う時は、図書館やインターネットなどで統計データを集める。
集めた統計データを整理する。
整理したデータを、目的に合わせてまとめる。問題解決の参考となる数字を計算する。
まとめた結果から、ものごとのようすを読み取る。その数字で問題が解決するか考える。
読み取ったことを、じっさいの問題解決に生かす。
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