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掲載日:2025年3月26日
Q 蒲生徳明 議員(公明)
我が国のコンテンツ産業の抱える問題は多岐に及びますが、今回はその一つ、映画、テレビ、ネットフリックス等の制作現場が抱える撮影許可が困難な問題について取り上げます。
新年早々嬉しいニュースがありました。真田広之さんの主演・プロデュースの「SHOGUN将軍」がアメリカのゴールデングローブ賞テレビドラマ部門で作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞の4冠に輝きました。
英語字幕があるとはいえ、セリフの多くは日本語そのままの時代劇が、海の向こうアメリカで高く評価されたということを私も大変誇らしく思う一人です。また、イギリス人航海士の視点による異文化理解というテーマ性にも深く感銘を受けました。
しかしながら、本当に小さなことですが、個人として一点だけ残念に思うことがあります。それはこの作品の撮影場所が日本でなく、カナダのバンクーバーだったという点です。
日本は世界一撮影ができない町と言われています。私は映画、テレビ、ネットフリックスなどの映画制作に関わる方々と長年交流していますが、彼らは許認可の手続がネックだと聞いています。
私の大好きな石原裕次郎さんや渡哲也さんが出演していた「西部警察」では、派手なカーチェイスや爆破シーンなどが定番でした。しかし、それは昔のことで、今は撮影の際、通路、公園、空港の施設管理者や警察や消防に許可手続が必要です。日本ではこの手続が大変だというのは、海外撮影スタッフの常識です。いや、あきれられています。
許認可は施設管理者がそれぞれ異なるだけでなく、行政窓口も国、都道府県、市町村とそれぞれ管理者によって相談先が異なり、撮影に当たっての制約も窓口によって微妙に異なります。また、行政窓口の課題に加え、ロケ地周辺にお住まいの方から照明や騒音に対する御意見、苦情への対応などスタッフは大変苦労しています。
もちろん本来できないはずの許認可を無理に出してくれというものでありません。私は、許認可を申請する撮影スタッフの気持ちも、許認可を出す行政側の責任感もよく理解できます。ただ撮影に当たってスタッフの皆様は、ここまで必要なのかと言いたくなるほどの努力と危険回避などの対応に力を尽くしています。
本県はフィルムコミッションに力を入れている市町村も多く見受けられます。また、インフラツーリズムの観点からも撮影対象となる地域は多くあると思います。制作会社が集中する東京都に近く、自然環境と都市環境を双方持つ埼玉県は、映画、ドラマ等の撮影現場としては最高の環境です。映画のロケ地として埼玉が多く採用されれば、県の知名度アップにも、ロケ地巡礼などの観光面でもメリットが大きく、地域おこしにもつながります。
そこで、ロケ現場で積極的な協力などについて、他都道府県の成功事例も参考に、まず本県が市町村に働き掛ける形で推進することはできないでしょうか。世界的なヒットとなった映画のエンドロールで、撮影協力として埼玉の地名を幾つかこの目で見られる日が来ることを、私は楽しみにしています。
知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
本県は都心からのアクセスが良く、印象的な景観や特色ある建造物も多いため、映画、テレビなどのロケが頻繁に実施されています。
令和5年度は673件のロケがあり、映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」やドラマ「下剋上球児」などが撮影をされました。
本県では県物産観光協会が「埼玉県ロケーションサービス」を運営しており、ロケ地を探す製作者からの依頼を受け、その意図に適した場所を紹介し各地域につないでおります。
ロケに当たって製作者と受入施設の仲介や、地元エキストラ募集などの支援を行うのがフィルムコミッションで、県内には市町村主体のものが26、観光協会主体のものが5、商工団体やNPOなどが主体のものが6団体あります。
県では、今年1月にこれらを対象とした研修会を開催し、ジャパン・フィルムコミッションの泉谷理事長から、他県の成功事例等について御講演をいただきました。
研修会では、フィルムコミッションが許認可を巡る製作側の問題意識を理解することが大切というお話もあり、県としても市町村の積極的参画を働き掛けてまいりました。
現在、国では、許認可手続等について整理した「ロケ撮影の円滑な実施のためのガイドライン」を改訂中であり、製作側がロケの実現可能性を見通せるよう、手続窓口の一覧やどのようにロケを実現させたかという具体的な事例などが新たに追加されると聞いております。今後、ガイドラインの内容、それに伴う国や他の都道府県、関係団体の動向などを市町村と共有し、フィルムコミッションが積極的にロケを誘致できるよう努めてまいります。
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