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掲載日:2025年3月26日
Q 蒲生徳明 議員(公明)
昨年の能登半島地震では、地中に埋設された光ケーブルなどの回線が地面の亀裂、陥没、土砂崩れで断線し、電線も断線するなど多くの基地局が機能を失い、救助や復旧作業に甚大な影響が出ました。通路の寸断や土砂崩れで孤立した集落では、通信が途絶えることでいつ食糧が届くのか、水道、電気、ガスなどの復旧はどうなるのかという生活上必要な情報が届かず、また、孤立集落の被災状況も不明となっていました。
各通信会社は様々な通信手段を試み、NTTドコモとKDDIは、1月6日、それぞれの基地局設備をNTTグループ会社の海底ケーブル敷設船に設置し、輪島市沖合に派遣、船上の基地局から沿岸部の町野町地区や大沢町地区に電波を届けました。
一方、空からアプローチしたのがソフトバンクです。無線中継装置を搭載したドローンで、輪島市門前町の一部エリアに電波を届けました。このドローンは地上の電力装置とケーブルでつなぎ、給電しながら4日以上も連続飛行ができました。
そして、今回の通信復旧に最も貢献したのがスターリンクです。スターリンクは、米国のスペースXが提供する通信衛星を用いたインターネットサービスです。このスターリンクを活用したのがKDDIで、同社は1月7日、スターリンクの専用アンテナ350台を無償提供し、役所、消防隊拠点、避難所などの各所に設置、日常的なデータ通信のほか、オンライン授業、オンライン診療などにも役立ちました。断線した光ケーブルの代わりの回線として自社利用したり、自衛隊、自治体、電力会社などに提供した分を合わせると約700台の活用です。
ソフトバンクも珠洲市役所、能登町役場、輪島市役所などに続けてスターリンクの機材を設置し、100台以上無償提供しています。
「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について」の報告書では、「発災当初、通信が途切れている間、通話やデータを送ることが困難で意思の疎通が制約されたが、衛星インターネットの活用により通信環境の改善が図られた」とあり、実施すべき取組として「衛星通信設備等の導入、活用及び速やかに使用できるよう平時から訓練等を検討すべき」としています。
能登半島とは地理的状況は異なりますが、大規模災害時には本県でも通信が途絶え、孤立集落が発生する可能性があると考えます。本県でも今後の大規模災害発生時での避難所等の通信確保のため、衛星インターネット機器等の新技術の導入が望まれます。また、継続的なインターネット環境の確保は、近年増加する外国人旅行者も含め、被災者自身が災害情報を集める上で有効であると考えます。
そこで、本県における通信確保の取組、技術の進展に応じたスターリンクなどの新しい通信サービス機器導入について、また、その機器の迅速な立ち上げと円滑な活用のための体制整備について、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
議員お話しのとおり、大規模災害時のインターネット環境の確保は、行政機関の情報収集・発信だけでなく、被災者自身が必要な情報を収集するためにも、極めて重要です。
県では、電気通信事業者と災害時における通信障害復旧に関する協定を締結し、地上系通信における、移動基地局の配備、電源の確保など通信障害が発生した場合の対応について、埼玉版FEMAでの図上訓練を行ってまいりました。
こうした中で、能登半島地震においては、衛星通信機器の活用が通信環境の改善に非常に効果的であったとの検証報告があり、令和7年度当初予算案において、地上系通信が途絶した場合の行政機関相互の情報共有や孤立集落の状況を把握する目的で、衛星通信機器の導入費用を計上いたしました。
衛星通信機器は、災害対策本部、支部等に配備するとともに、孤立が発生した場合には、防災ヘリなどで速やかに運搬し、通信の確保に努めます。
平時においても、災害時に迅速に衛星通信機器を活用できるよう、本部・支部職員、防災航空センター隊員を対象に訓練を実施するほか、市町村が開催する防災訓練に貸し出し、衛星通信機器の有効性を広く知っていただきたいと思います。
さらには、令和7年度の埼玉版FEMA図上訓練において、電気通信事業者など関係機関と共に能登半島地震を踏まえた通信途絶状況下の対応を想定し、配備された衛星通信機器の運用方法など通信障害復旧に対応する訓練を実施する予定であります。
災害時における通信環境確保は大変重要であり、電気通信事業者と密接な連携を図るとともに、今後も最新技術の活用について積極的に検討したいと思います。
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