埼玉県議会 県議会トップ画像

本会議及び予算特別委員会の生中継・録画中継をご覧になれます。

会議録の内容を、検索したい言葉や発言者などで検索できます。

ここから本文です。

ページ番号:266203

掲載日:2025年3月26日

令和7年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

認知症支援について

Q 蒲生徳明 議員(公明)

国内の認知症の高齢者数は65歳以上の人口がピークとなる2040年には約584万人に、また、軽度認知障害(MCI)高齢者数が612万人と見込まれ、誰もが認知症になり得る時代がもうそこまで来ています。
国では、認知症の人を単に支える対象ではなく、認知症の人を含めた国民一人一人が尊厳ある人として個性と能力を発揮しながら支え合う共生社会の実現を目指し、昨年1月に認知症基本法が施行され、同年12月には国の基本計画が閣議決定されました。この計画は今後の認知症施策を進める指針となり、各自治体には基本計画に基づいた認知症施策推進計画の策定が努力義務として求められています。本県はいち早く策定し、第9期埼玉県高齢者支援計画の中に位置付けられています。
今後、基本法や国の基本計画を踏まえ、本県の推進計画に沿ってどのように認知症施策を進めるのかについて3点伺います。
まず、国の基本計画では、共生社会の実現を目指し、新しい認知症観の普及を打ち出しています。たとえ認知症になっても、一人一人が個人としてできること、やりたいことを自分らしく行い、住み慣れた地域で仲間とつながりながら希望を持って暮らしていくという考え方です。今後の認知症施策の基本となるもので、認知症の自分ごと化のためにも、この考え方を広く普及啓発していく必要があると考えますが、知事の考えを伺います。
また、本計画には「施策を立案、実施、評価する上で、認知症の人と家族等の参画が重要だ」と明記されています。まずは、自治体の行政職員が地域の認知症カフェへ参加するなど、本人や家族らと交流し対話することで、認知症に関する知識や理解を深めることが必要と考えます。そこで、認知症本人や家族等の参画の推進について、県の取組を伺います。
次に、認知症の人が自分らしく暮らし続けるには、社会全体で認知症施策に取り組む必要があります。例えば、様々な業種や企業の協力を得ながら、認知症本人と若年性認知症の方への早期対応や就労活動への支援が求められます。例を挙げると大阪府枚方市では、市医師会と医療品メーカー、エーザイとの3者協定を結び、エーザイが開発したデジタルツールを活用して認知症の早期発見、早期支援体制を強化しています。このように多様な主体が連携、協働して認知症施策を推進することは重要だと思います。本県でも推進すべきだと思いますが、知事の所見を伺います。

A 大野元裕 知事

認知症は誰もがなり得るものであり、家族が認知症になることを含め、多くの人にとって身近なものとなっています。
本県では、令和6年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」などを踏まえ、令和6年3月に「埼玉県認知症施策推進計画」を策定し、認知症に関する施策を展開しているところです。
今回の国の基本計画では、議員からお話のあった「新しい認知症観」の普及が大きく掲げられており、私も共生社会を実現する上で非常に重要な柱の1つと考えます。
「新しい認知症観」を広めるには、多くの方に認知症の知識や認知症の方との関わり方を知っていただくことが必要です。
この考え方は、現在市町村や企業、病院など、様々な主体が実施している「認知症サポーター養成講座」の中に既に取り入れられており、これまでに県内で認知症サポーター養成講座を受けられた方は、約66万人に上ります。ちなみに私も、このオレンジバンドをいただきました。
今後とも市町村をはじめ、それぞれの実施主体と連携しながら、より多くの方に養成講座を受けていただくことで「新しい認知症観」の普及を図ってまいります。
また、現在、認知症の方を「埼玉県オレンジ大使」として5名任命し、自らの思いや経験を語ることで、認知症への理解を深める活動をしていただいています。
令和6年9月に行った任命式では、私から直接大使に任命書をお渡しし、協力をお願いしたところ、テレビやサポーター養成講座などで積極的に情報を発信していただいています。
大使のお話を聞いた方からは、「認知症になっても周りの理解により他の人と変わらずに生活をし、活躍している人がいると気付かされた」といった声を頂いています。
今後、オレンジ大使を更に増やしたいと思います。
次に、認知症の方と家族等の参画の推進であります。
まず、「自治体職員が認知症カフェへ参加するなど直接本人や家族等と交流し対話を進めることが重要」との御指摘をいただきました。
私自身、さいたま市内にある若年性認知症カフェに参加し、認知症になっても活躍し生き生きとしている方々にお会いして、前向きな姿勢に大変大きな感銘を受けました。
また、職員が人事異動で認知症の担当セクションに着任した場合、まずは認知症カフェに出向くこととしております。
その後もカフェに参加されている方々と接し、対話を重ねることにより信頼関係を構築し、生の声をお聴きし計画や事業の実施に反映させているところであり、国の計画では、こうした形が認知症の人などの参画の在り方の一つとされています。
認知症の方やその周りで支えている方々と引き続き対話を重ねながら、より強固な信頼関係の構築に努めてまいります。
さらに、認知症本人の参画を推進すべく、今後、本県の認知症施策を議論する「埼玉県認知症施策推進会議」の委員として認知症の方に就任いただくことも検討したいと思います。
次に、多様な主体が連携・協働して認知症施策を推進することについてであります。
県では、若年性認知症の方への理解が進むよう企業向け啓発セミナーを開催するとともに、認知症への適切な理解と対応に努める「埼玉県認知症サポート企業」に対して認知症カフェ会場の提供をお願いするなど、企業との連携を進めています。
また、令和7年度新たに、認知症関連サービスを提供する民間企業などが、市町村と連携して課題の解決に取り組む先進事例を共有する市町村向け研修会を予定しております。
さらに、市町村や民間企業などの担当者が直接やりとりするマッチングの場を設け、顔の見える関係を構築することで、多様な主体の連携による好事例を増やしていきたいと思います。
今後も、行政や認知症の方本人も含めた県民、民間企業などが連携し、それぞれの強みを生かしながら、認知症になっても希望をもって暮らしていける共生社会の実現を目指してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?