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掲載日:2024年5月17日
Q 橋詰昌児 議員(公明)
精神的苦痛から逃れようと、せき止め薬などを大量購入し、何十錠も一気に飲み込む、こうした市販薬や処方薬の過剰摂取であるオーバードーズが若者の間で急増しています。
オーバードーズで一時的な気分の高揚や鎮静作用を得る一方で、脳や臓器の障害、呼吸や心臓の停止などの重篤な健康被害を引き起こす可能性があります。風邪薬や解熱剤などの市販薬には、覚醒剤や麻薬などと同じような成分が僅かに含まれているため、過剰摂取すれば違法薬物と似た効用が得られます。
依存状態になって摂取量が増え続け、重い副作用で命を失った事例もあります。昨年12月に公表された消防庁と厚生労働省の調査によると、オーバードーズが原因と疑われる救急搬送が若者や女性を中心に増加していることが明らかになり、10代から30代の女性が全体の約半数を占め、特に20代が多い傾向にありました。
市販薬の乱用を防ぐため、厚生労働省は市販薬の中で乱用等のおそれのある医薬品に該当する成分を指定し、販売時には原則として1人1箱の制限や、高校生以下の子どもには名前、年齢確認などを求めています。ただし、せき止めの市販薬など盛んに乱用が報告されている市販薬でも、厚生労働省の規制対象外となっているものがあり、これに対して早期の規制が必要とする声が専門家から上がっています。同時に、多くの乱用者がネットを通じて市販薬を入手しており、この点についてもネット通販の規制を進める必要があると指摘をされております。
若者のオーバードーズには、社会的孤立や生きづらさが背景にあるため、オーバードーズを孤独・孤立の問題として位置付け、若者の居場所づくり等の施策を推進することが重要です。これらのことに県としてどのように対応されていくのか、県民生活部長の見解を伺います。
さらに、中学や高校の薬物乱用防止教育では、まだ市販薬の乱用が十分に取り扱われておらず、その危険性が伝わっていないと考えます。学校薬剤師と教諭が連携を取り、速やかに児童生徒への指導や保護者に対する啓発、当事者や親が相談できる窓口の設置に取り組むなど、学校現場での対応も急務となっています。どのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。
A 島田繁 県民生活部長
議員お話のとおり、若者の市販薬の過剰摂取は、社会的孤立や生きづらさなど、若者が抱える不安や悩みが背景にあると考えます。
自分を受け入れてくれる居場所があり、自分の考え方や生き方に共感や理解を得られることは、こうした不安や悩みの解消に繋がるものです。
そこで、来年度予算案におきまして、新たな若者の居場所として、若者が気軽に訪れて、交流し、相談できる仮称バーチャルユースセンターを開設し、試行的に運用を始める経費を盛り込んだところでございます。
バーチャルユースセンターは、バーチャル内での支援に留まらず、リアルの相談窓口と連携することで、バーチャル・リアルの両面から若者を支援していくことを目指すものです。
例えば、オーバードーズの問題を抱える若者については、医療的なアセスメントが必要であるため、保健所等の相談窓口につなぐことが想定されます。
さらに、居場所のスタッフが本人に接する中で、オーバードーズの原因となっている悩みを顕在化し、専門機関と連携することで、根本的な困難の解決につなげていきます。
今後本格稼働を目指すバーチャルユースセンターなどの取組を通じ、庁内関係部局や関係機関と連携し、若者の孤独・孤立の解消に努めてまいります。
A 日吉亨 教育長
昨今、児童生徒の間でも市販薬の過剰摂取の事案が生じており、県では、新たな課題と捉え、児童生徒に対する指導や保護者への啓発、相談対応に取り組んでいくことが重要と認識しております。
そこで、令和6年度当初に予定している養護教諭研修会等において、学校薬剤師の指導を受けて、市販薬の過剰摂取に関する内容を取り上げ、児童生徒に対する指導や保護者への啓発を行うよう働き掛けてまいります。
また、相談については、まずは、担任や養護教諭が窓口となりますが、状況によっては、学校医や学校薬剤師、スクールカウンセラー、地域の保健関係機関などと連携して対応することも可能です。
さらに、県が実施している電話教育相談やSNS教育相談においても、市販薬の過剰摂取に関する相談に応じております。
今後、学校内の組織的な相談体制の確立や、学校内外の相談窓口の周知について、県立学校長に指示するとともに、市町村の担当者会議などで働き掛けてまいります。
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