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掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(深谷顕史議員)

新型コロナウイルス感染症対策について - トレーナー派遣等事業について -

Q   深谷顕史 議員(公明)

日本感染症学会によると、埼玉県内の感染症専門医認定者数は、本年6月7日現在62名で、96の新型コロナ患者受入医療機関のうち、感染症専門医が在籍するのは約2割です。長期戦も見据えた人材の確保が急がれる中、文科省が感染症医療を教育できる医学部の体制を整備する方針を決めたほか、本県においても、第7次地域保健医療計画に感染症専門人材の育成を盛り込む方針と伺っています。
病床確保の過程においては、感染症に対応できる医師、看護師の不足が顕在化しました。また、病院内部の構造的な問題から適切なゾーニングが行えず、新型コロナ患者の受入れが難しい状況が多かったと思われます。
5月7日、県は、医療機関への更なる病床確保のお願いに伴う支援策として、新型コロナウイルス感染症患者の受入れに当たり、感染者の診療や感染防御対策などの課題を抱える病院に対し、感染対策に精通した医師、看護師の派遣等を無償で行うトレーナー派遣等事業を始めました。本事業については、埼玉医科大学総合医療センターの岡秀昭教授から御提案をいただき、私から要望もしておりましたので、完全な形ではないものの、まずは事業を開始してくださったことに感謝を申し上げます。
本事業で派遣の対象となるのは、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れていない医療機関や中等症患者は受け入れているものの重症患者の受入実績のない医療機関、県がトレーナーによる派遣等の実施が必要と認める医療機関であり、診療やゾーニング等の感染防御対策に関する技術的支援や助言が受けられます。トレーナー派遣等事業を活用することで医療機関の役割分担が進み、軽症から重症まで多くの患者を受け入れてきた医療機関の負担軽減につながるものと考えます。また、中等症から重症まで診療できる医療機関が増えることは、医療のひっ迫を抑えるために極めて重要であります。さらに、将来新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同じ分類へ移行していくことを想定すれば、感染症に対応できる医療機関を増やしていくことは非常に重要な取組になります。
そこで、以下2点、知事にお伺いいたします。
1点目に、これまでトレーナーの派遣が何件実施され、実際に病床確保につながったのかなど、本事業の効果についてどう捉えているのか、御所見をお伺いいたします。
2点目に、トレーナーはコロナ患者を積極的に受け入れている医療機関の医師、看護師であり、感染拡大の状況によっては、派遣されることの負担が大きくなる懸念があります。また、派遣を受ける医療機関にとって、ゾーニング等の助言は実践的でも、その場にコロナ患者がいるわけではありません。より実践的な研修を行うのであれば、派遣のみにとどまらず、例えば感染症専門医養成モデル医療機関を指定し、他の医療機関から医師、看護師を短期間受け入れて研修を行うなど、事業の拡充を検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

これまでトレーナーの派遣が何件実施され、実際に病床確保につながったのかなど、本事業の効果についてどう捉えているのかについてでございます。
事業を始めた5月からこれまでに、5病院にトレーナーである医師や感染管理認定看護師を派遣し、研修を行った結果、新たに中等症及び軽症病床を14床確保いたしました。
今後、トレーナーの派遣を予定しているものが2病院、調整中が3病院となっております。
事業を活用された病院からは、「不安に思っていたことに対して、その場でアドバイスをもらえ、対策の参考になった」などの声が寄せられており、一定の成果を挙げているものと考えています。
次に、他の医療機関から医師・看護師を短期間受け入れて研修を行うなど、事業の拡充を検討すべきではないかについてでございます。
御指摘のトレーナーの負担については、地域を区分するなどし、一部のトレーナーに派遣が偏らないよう運用しているところです。御提案のありました受入れ研修は、コロナ患者の受入れに長けたスタッフの対応を目の当たりにしながら、実践的な研修ができるという点で有意義なものと考えます。
一方で、派遣する側の医療機関にとっては、研修の間、スタッフのやりくりが必要となり、負担も考えられるところであります。
今後、双方の御意見を伺いながら、具体的な仕組みの構築について検討させていただきたいと思います。

再Q   深谷顕史 議員(公明)

トレーナー派遣等事業についての2点目につきまして、知事に再質問させていただきます。
このトレーナーのいる医療機関へ今派遣をしておりますけれども、短期間の受入れをするということについて検討はするという御答弁でございましたが、いま一歩、消極的な御答弁であったというふうに思います。
繰り返しますけれども、このトレーナーになっていただいている感染症専門医、また認定看護師さんというのは、コロナ患者を積極的に受け入れていただいている医療機関の医師、看護師さんであるというふうに思います。
今後、第5波への懸念がある中で、派遣されることそのこと自体の負担が大きくなるということが懸念としてあると思います。最悪は、教えに行っている場合ではないということもあろうかと思います。そうしたことで、ゾーニングは派遣をして研修することは有効だと思いますが、そこに患者さん自体はいらっしゃいませんので、やはり受け入れていただいている医療機関に希望する方に来ていただいて研修を行うという形をつくるべきだというふうに私は申し上げさせていただいているところでございます。
今後の病床確保の医療機関の役割分担という面におきましても、このトレーナー制度というのは、本県の医療提供体制の強化という面につきましても大変に大きな力になっていくというふうに思っておりますので、受け入れることも可能でございますし、今の派遣するということも可能であるという、そうした事業に是非していただきたいと思いますので、もう一度、知事の答弁をお願いいたします。

再A 大野元裕 知事

ご指摘のとおり、感染症に対応できる医療機関を増やしていくことは重要なことであります。
本事業は陽性患者の受入れ病床を増やすことを目的に、即効性を優先し、現場への浸透が早い派遣型で事業を組み立てました。
他方、受入れ研修は、実際のコロナ患者への対応を実践的に学ぶ研修とする必要があることから、受講側、指導側双方の意見を伺い、実効的に実施できるような体制につき、しっかりと検討してまいります。

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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