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掲載日:2023年12月18日
Q 梅澤佳一 議員(自民)
私は、久喜市栗橋に住んでいますが、昨年10月の台風第19号では利根川が氾濫する危険があると市から避難勧告が夜中の2時に発令され、地域住民は多くの方が小学校や中学校に避難されましたが、満員で入れず、車で待機されている方たちも多く、大変恐ろしい経験をいたしました。
利根川流域と渡良瀬川流域から水が交わる大利根栗橋地区ではカスリーン台風を越える流量となり、水位も最高の9.6メートルまで達し、カスリーン台風の9.2メートルを越えていました。試験湛水が終わり完成した八ッ場ダムをはじめとするダム群の貯水効果、また、渡良瀬遊水池の1.6億立方メートルの貯水効果もあり、利根川本川では難を免れましたが、渡良瀬川流域では栃木市や佐野市で大きな浸水被害が発生いたしました。
さて、台風第19号では先に荒川が危ないとの情報もありました。荒川水系では三峰で597ミリ、横瀬で539ミリ、都幾川で605ミリの降雨量が各観測所で観測され、越辺川、都幾川での堤防決壊や越水による被害が発生、入間川流域では床上浸水592戸、床下浸水286戸に及ぶ深刻な被害状況でした。
我が自民党県議団も知事とともに現地調査に入り、地域の被害状況を把握するとともに、一日も早い復興のために県や国に対し働き掛けてまいりました。また、本年9月定例会では、利根川水系及び荒川水系における大規模水害対策の推進を求める意見書を提出したところであります。
荒川下流域での洪水被害防止に貢献した荒川第1調節池では、過去最高の3,500万立方メートルを貯留しました。治水対策として第2、第3の調節池の計画があるとも聞いていますが、渡良瀬遊水池に比べると貯水量が心配です。
源流のほうでは、山の貯水効果を高めるための間伐や山の整備が必要であると聞いています。秩父では四か所あるダムの一つである浦山ダムでは、昨年の東日本台風等で流入した土砂が49万2,000立方メートルで、20年分に相当すると水資源機構から聞いており、今年4月以降も土砂の流入が続いているそうです。
私が県議になって間もなく滝沢ダムが完成し、視察も何度か行かせていただきました。その後、県道の一部で雨による土砂崩れなどもあり心配でしたが、その後は大きな災害もなく、源流での治水効果を発揮しているものと思います。しかし、今回の雨量は600ミリを超えるような雨量となり、今後が心配です。このため、上流に新たなダムを建設するなど荒川水系全体の治水安全度を高めることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
また、中流域では市街地を流れる支川の治水対策が早急に求められています。国、県、関係市町により入間川流域緊急治水対策プロジェクトが早急に立ち上げられ、堤防の復旧に努力されていますことは感謝申し上げます。しかし、今後、各市町村での取組には財政支援が必要であり、多くの課題が山積しています。
もちろん今すぐに解決するものでもなく時間はかかるものと思いますが、県としてどう取り組んでいくのか、橋本副知事の御所見を伺います。
A 橋本雅道 副知事
「新たなダム建設など荒川水系全体で治水安全度を高めることについて」でございます。
荒川水系においては、中下流部に人口・資産が特に集積していることから、水系一貫で上下流バランスを考慮しながら、国と県とで河川整備を進めております。
ダムは、上流部で洪水を貯留し、中下流部の洪水をコントロールする治水機能だけでなく、水量の豊富な時に水を貯め、水不足の時に補給する利水機能を有しておるなど、治水・利水の両面から有効な河川整備の一手法であります。
荒川水系に関する現行の河川整備計画で計画されておりますダムは全て完成しており、現在は、秩父地方にあります4つのダムなど、各ダムの管理者が堆積土砂の浚渫を効率的に実施するなど、洪水調節に必要な容量の維持を図っているところでございます。
また、本年5月に締結いたしました「治水協定」に基づき、豪雨が予想される場合には、関係する利水者の協力を得て事前放流を実施し、ダムの容量を最大限確保することとしております。
これらをはじめとする様々な対策を通じて、荒川水系全体の治水安全度を高める取り組みを引き続き実施してまいります。
次に、「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」に、県としてどう取り組んでいくのかについてでございます。
本年1月に国、関係市町とともにとりまとめました「入間川流域緊急治水対策プロジェクト」では、堤防整備等を実施することとしており、現在、国では遊水地整備のための調査を進めているところです。
県においても、国管理河川への合流点付近における治水計画を、国と調整しながら鋭意検討しているところでございます。
関係市町においては、洪水ハザードマップの改定や避難場所となる高台整備などを進めることとしており、水害リスク情報図の提供や財政支援制度の紹介など、国とともに市町を引き続き支援してまいります。
荒川の流域には県の人口の約6割が住んでおり、気候変動に伴う豪雨の激甚化・頻発化の進行が危惧される中、荒川水系の治水対策は、県民の安全・安心を確保する上で極めて重要であると認識しております。
今後とも、国や流域市町村と連携し、堤防や遊水地等の整備を進めるとともに、流域全体のあらゆる関係者が協働して水害を軽減させる「流域治水」の取り組みを進めてまいります。
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