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掲載日:2023年3月13日
Q 小島信昭 議員(自民)
中国武漢市に端を発し、海外にも急速に感染が広がっている新型コロナウイルスによる肺炎が、国際的に大きな問題となっております。
コロナウイルスで人に感染するものは6種類あり、このうち4種類は感染しても普段は風邪と診断され、残り2種類は重症の肺炎を引き起こすとして問題となったSARSとMERSで、今回のウイルスは、これに続く新型コロナウイルスとなります。感染源、感染経路、感染力、毒性、ウイルスの特徴など、まだまだ解明されていないことばかりです。潜伏期での感染に加え、感染しても症状が見られない無症状病原体保有者の存在や、症状だけでは風邪やインフルエンザと見分けがつかない状況が、急速な感染拡大に少なからず影響し、まるで見えない敵と戦っているようにも思います。
1月31日にWHOが、国際的に懸念される公衆衛生上の危機事態に該当すると発表しました。我が国においては、2月1日に新型コロナウイルス感染症を指定感染症とする政令が施行され、更に国内各地で感染が相次いでいることを受け、2月16日に開かれた政府の感染症対策専門家会議の初会合で、国内発生の早期段階とされました。翌17日には相談、受診の目安が示され、相談受診の前に心がけてほしいこととして、発熱などの風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み、外出を控えることなどが呼び掛けられております。
さらに、24日には、政府の専門家会議は、これから1週間から2週間が急速な拡大に進むか収束できるか瀬戸際になるとの見解を示しました。封じ込めの兆しも見えず、多くの方が不安を募らせているようですが、WHOによると、感染者の8割は軽症で済んでいるとのことであります。うわさや報道に惑わされず、正確な知識をもって体調管理などをする、正しく恐れていただく必要があります。それゆえに、正確な情報を積極的に発信することが大切です。
今回の新型コロナウイルスが問題となる前、医療関係者の方と感染症について意見交換をしました。その際、医療関係者の方は、オリンピック・パラリンピック開催時には、様々な国から訪日客が更なる増加が見込まれ、感染症発生リスクが増加することが懸念される。とりわけ、侵襲性髄膜炎菌感染症を心配されていらっしゃいました。
この感染症は、発生頻度は低いですが、発症すれば致死率が高く、飛沫感染で集団生活での濃厚接触はハイリスクとなります。国内での報告は年間20から40例と少ないのですが、2015年には山口県で開催された世界スカウトジャンボリーで、2017年には神奈川県内の全寮制の学校で集団発生しています。侵襲性髄膜炎菌感染症をラグビーワールドカップ日本大会観戦のために来日していたオーストラリア在住の50代男性が日本国内で発症、男性は治療を受け、回復後に帰宅しており、幸いにも感染は広がらずに済みました。
症例が少ないものや風邪との判断が難しいものなど、医師が患者を診察しても病名が分からない間に感染が拡大するケースが危惧されます。東京2020オリンピック・パラリンピックも近づいてきました。県として、感染症対策にどのように取り組むつもりなのか、知事にお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
新型コロナウイルス感染症については、先週2月21日に、県内においてはじめてのヒト-ヒト感染が疑われる事案が確認されました。
感染の拡大が懸念されるところでありますが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、感染拡大防止に全力で取り組んでまいります。
御質問の東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けた感染症対策につきましては、本県での競技開催が決まって以来、対策や体制の強化に努めてきたところでございます。
本県では、6市4会場でオリンピック4競技、パラリンピック1競技が開催され、事前トレーニングキャンプも現時点で15か国、19市町での受入れが決まっております。
また、ホストタウンは13カ国、18市町が登録されており、オリンピック・パラリンピックの開催にあたっては、多くの国から外国人の方が県内に訪れることが予想されています。
このため、新型コロナウイルス感染症のほかにも、普段我が国ではあまり発生していない感染症が持ち込まれる可能性もあります。
そこで、県内で事前トレーニングやホストタウン登録をしている国を対象として感染症発生状況を分析する「リスク評価」を実施しています。
その結果を国別、感染症別に分類し注意すべき情報として、県内医療機関などに提供し、注意喚起を行っております。
このリスク評価においても、お話の「侵襲性髄膜炎菌感染症」を注意すべき感染症としてマークしており、麻しんや風しんと併せて予防接種を推奨するチラシなどを市町村等に配布し、注意喚起をしているところでございます。
感染症対策では、重大な感染症の発生をいかに早く探知するか、原因を見落とさずに解明できるか、いかに迅速に対策を講じることができるかを感染拡大防止の観点から大変重要と考えております。
大会期間中、常時行っている感染症発生動向調査に加え、薬局の調剤情報や県の救急の搬送情報を活用した「強化サーベイランス」を実施し、重大感染症の早期探知体制を強化することとしております。
また、検査において見落としを防ぐため、全ての遺伝子情報を解析できる次世代シーケンサーを平成30年度に衛生研究所に導入をいたしました。
さらに、診療において感染症の見落としが生じないよう、地域の医師を対象とした研修なども引き続き実施してまいります。
大会開催に向けこれらの対策を着実に進めてまいります。
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