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掲載日:2023年3月13日
Q 小島信昭 議員(自民)
30年ほど続いた平成が幕を閉じ、令和という新しい時代が幕を開けました。改元は世を一新すると言われています。本格的に進展する少子高齢化、人口減少や技術革新による第4次産業革命など、社会構造が大きく変化する時代の潮流をしっかり捉え、新時代を牽引する覚悟を新たにしております。
自由民主党議員団を代表いたしまして、新しい時代にふさわしい埼玉の未来を見据え、希望に満ちた活力ある新しい埼玉県を築いていく、そんな気概を持って質問をさせていただきます。
令和幕開け直前に、新一万円札の顔となることが決まった渋沢栄一翁が残した言葉に「夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし。ゆえに、幸福を求むる者は夢なかるべからず」とあります。これは、県政運営にも大いに通じるものがあると思います。ぜひ大野知事には、埼玉県が世界に誇る偉人、日本の近代経済の父の言葉をしっかりと受け止め、渋沢翁の精神を引き継いでいただきたいと切に願うものであります。
知事は、昨年の夏の知事選では、政策で選ぶなら大野元裕と政策通をアピールし、「日本一暮らしやすい埼玉を実現する政策集2019」として、12分野に関して128の政策を県民の皆様に明らかにし、約束をされました。そして、知事就任後の9月に庁内で議論し、取組の方向性を取りまとめ、11月に示された工程表は、取組の方向性を踏まえ、施策の進め方を県民の皆様に分かりやすく示したものであり、実施する内容は更に検討と位置付けられました。
例えば、あと数マイルプロジェクトは、令和2年度中に新たな検討を本格化し、今後4年間で道筋をつけるものとされ、主に公共交通の利便性向上策の検討などに取り組み、令和2年度に有識者会議を設置し、課題の整理や方向性を検討するとされています。
しかし、これには埼玉高速鉄道線など4路線の方向性、スケジュール感、実現可能性が全く示されていません。そもそも国の交通政策審議会の答申に示されているものと、そうでないものなど状況に大きな違いがあり、ただ有識者に丸投げでは、政策通を売りにした候補者の公約とは思えず、大野知事に期待して投票された方の中には、単なるアイデアだったのかと落胆された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
公約策定の段階では、実現可能性を検討しなかったということなんでしょうか。知事は議会での就任挨拶で、即戦力、突破力を存分に発揮し、困難な課題にも果敢にチャレンジしていくと発言されました。即戦力、突破力を発揮されるのであれば、スピード感、実行力が問われるはずですが、最終的な実現時期の明示がなく、道筋をつけると言われてもビジョンを共有できません。
冒頭で御紹介した渋沢翁の言葉にあったように、県民の幸せに向け、計画は大切です。県民が公約の進み具合を理解できるようなスケジュールや数値目標などを早期に示すべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
また、12月定例会において我が会派の中屋敷慎一議員の、知事公約と今後の施策展開についての質問に対し、知事は中長期のビジョン実現までには困難や紆余曲折もあろうかと思い、したがって、時には柔軟な対応も求められるかと思いますと答弁されています。今更、公約を実現できるものとそうでないものに分けるという意味なのでしょうか、その真意を知事にお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
公約のスケジュールや数値目標などを示すことについてでございます。
私は、知事就任以前に埼玉県を外から見たとき、このような施策があれば埼玉県はもっと良くなるのではないかと考えたものを公約として掲げました。
例えば、交通の利便性が高いことが本県の大きな長所となっています。
私は、「夢なき者は理想なし」の言葉どおり「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現という夢と理想を掲げ、本県の経済的発展の観点から、交通の利便性を更に向上させる施策を掲げました。
工程表では、県の事業として着手し、実施していくスケジュールをお示ししています。
今後は、県民の皆様により分かりやすく、事業の進捗状況について、一定期間ごとにお示ししたいと考えております。
一方、私の公約に掲げた項目は、本県が更に良くなるために必要な施策をお示ししたものですが、県全体の施策を網羅しているわけではありません。
したがって、本県の発展のためには、公約の項目を総合的かつ体系的に県の施策の中に位置付け、全体として整合性を持って取組を進めていくことが必要です。
そこで、今後5か年計画や分野別計画の検討を進める中で数値目標も具体化し、その目標に対する進捗を県民の皆様にお示ししていくべきと考えております。
その検討を進めるときには、県議会の皆様とも十分な議論を行い、進めてまいりたいと考えております。
次に、「時には柔軟な対応も求められる」との答弁の真意についてでございます。
公約に掲げた各項目は、本県の発展に必要であると考えており、これらの実現に向けて取組を進めるという点において揺らぐことはありません。
ただし、実現に向けてどのような手法が取り得るのかを専門家や県議会の皆様などの御意見を踏まえ、状況に応じて柔軟性を持って選択していかなければならないと考えております。
議員お話しの「あと数マイルプロジェクト」は、こうした視点から、公共交通網及び道路網の更なる利便性の向上という最終的な目標は変更せず、費用対効果や技術的見地などから最適な手法を選択してまいります。
本県は人口減少や少子高齢化など、大きな時代の変化に直面しています。
こうした中でも先を見据え、目指すべきゴールとしてのビジョンはしっかりとぶれずに掲げつつも、中長期的であるが故にそこに至る手法には柔軟さも求められると考えており、これが「柔軟な対応」の真意でございます。
その上で、着実に「日本一暮らしやすい埼玉県」を実現してまいります。
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