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掲載日:2019年10月17日
Q 安藤友貴議員(公明)
少子化対策の一環として、子供が欲しくてもなかなか恵まれない方に対する不妊治療費の助成制度があります。本県では男性、女性を問わず不妊治療費を県が補助するなど力を入れております。私はこの問題に一貫して取り組んでいますが、引き続き更なる取組を期待しております。
そんな折、もう一つの少子化対策として、「不妊予防教育を行うことが重要である」と埼玉県助産師会の方から提案をいただきました。不妊予防教育とは聞き慣れない言葉ですが、不妊になる原因を早くから認識し、そうならないように予防するための教育です。不妊予防教育について、本県では、既に「願うときに『こうのとり』は来ますか?」という冊子を作り、普及啓発に取り組んでおります。
この冊子では、男性、女性ともに加齢が妊娠に与える影響についてや、子供を欲しいカップルが気を付けるべきことなど詳細に分かりやすく説明がされております。県から委託を受けて埼玉県助産師会では、この冊子を用いて不妊予防教育の出前講座を行っているそうです。平成27年度の講座実績は、中学校、大学、企業などの合計6か所、参加人数は合計で472人とのこと。講座を受講された方のアンケートでは、「妊娠はいつでもできるだろうという考えがありました。妊娠適齢期があることを知り、とても勉強になった」、また、「もうすぐ卒業で結婚のことも考えていきたいので勉強になった。人生設計をしっかり考えていきたい」などの声がありました。
このように不妊に対して正しい知識を持つことは、不妊治療に至る前にとり得る少子化対策として大変有効であると考えます。今後も広く啓発していくことが大切ではないでしょうか。出前講座で年間6か所というレベルではなく、広く県内の中高生や大学生に不妊予防教育を行っていくべきと考えます。
事業化を含め、不妊予防教育をどう進めていくのか、保健医療部長の見解をお聞きいたします。
A 三田一夫 保健医療部長
不妊の原因の約半分は男性側にもあります。
また、不妊治療の妊娠率は年齢とともに下がるため、早期に治療を始めることが効果的です。
そこで、県では、不妊に関する正しい知識をわかりやすくまとめた冊子「願うときに『こうのとり』は来ますか?」を作成しました。
主な配布先としては、婚姻届を受理する時と成人式の時に渡してもらうように、全市町村に配布しているほか、県内ドラッグストア518店舗でも配布しています。
また、議員御指摘のとおり、中高生や大学生は、ライフプランについて考える大切な時期であるため、妊娠・出産の仕組みや不妊について知っておく必要があると考えます。
そこで、昨年度から中学校・高等学校・大学に、妊娠・出産・不妊に関する出前講座の開催を呼びかけております。
中学校・高等学校に対しては、出前講座の他、思春期保健セミナーを活用して、性や命の教育に関する講座も開催しておりますが、昨年度は中学校3校、高等学校2校と少ない状況でした。
現行の学習指導要領に不妊の内容はありませんが、教育局では高等学校の授業研究会において、性感染症に関連付けながら、どのような指導を行ったらよいかを研究していただいております。
さらに大学生に対しては、昨年度、全大学に出前講座の開催を呼びかけましたが、開催依頼のあった大学が4校と少ない状況でした。
現場の先生からは、カリキュラムが決まっていて時間が作れないとの声もいただいています。
しかし、講座に参加した学生からは、議員お話のとおり、ライフプランの重要性について気づいたなど、前向きな感想をいただいております。
出前講座は、参加者の理解度に応じて話を進めることができる上、その場で助産師などが質問に答えて、疑問を解消するなどのメリットがありますので、引き続き出前講座の充実に努めてまいります。
一方、インターネット世代である現代の中高生や大学生に対しては、ブログや動画配信などネットによる情報提供が効果的です。
本年5月に、歌手のダイアモンドユカイさんを「県こうのとり大使」に任命し、ご自身のブログや出演テレビ番組など様々な機会を通じて、不妊治療の情報を発信していただいています。
ネットニュースでは、ユカイさんの男性不妊治療体験を知った方々から、たくさんの賛同「いいね」をいただいております。
また、昨年度、他の事業ではありましたが、動画を作成しPRしたところ、若者に好評であったため、そのような形での若者向けの広報も工夫してまいります。
若い世代が、正しい知識を持った上でそれぞれのライフプランを考えることができるよう、今後、様々な方法を工夫して、不妊予防教育が広がるよう推進してまいります。
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