インタビュー・コラム
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掲載日:2024年12月26日
株式会社埼玉りそな銀行
プロフィール
本店を埼玉県さいたま市浦和区に置く、りそなホールディングス傘下銀行のひとつ。埼玉県においては、預金ならびに貸出金ともにトップシェアを誇る。
- 人財サービス部ダイバーシティ推進グループ/グループリーダー
大原健二(おおはら けんじ)さん - 人財サービス部ダイバーシティ推進グループ/担当マネージャー
橋田千恵(はしだ ちえ)さん
ホームページ:https://www.saitamaresona.co.jp
男女問わず経験が積める環境
埼玉りそな銀行では、入社後、性別に関係なく各支店に配属され、営業課や渉外課・融資課などで経験を積み、その後いろいろな部署で業務を行っています。
最近は女性の活躍の場も広がっており、営業課での窓口業務や個人のお客さまの資産相談だけではなく、法人のお客さまへの融資やソリューション提供を担当するケースも出てきています。以前は、女性が法人のお客さまを担当することはほとんどありませんでしたが、この5、6年間で活躍するケースが増えてきました。以前は男性の担当者を希望されるお客さまもいらっしゃいましたが、最近は「やるべき業務をやってくれれば男性でも女性でも問題ない。」と言っていただけるお客さまが増えております。また近年は、支店長・副支店長などのポジションや、本部の部署で活躍する女性も徐々に増えています。
独自のセミナーで手厚いサポートを
埼玉りそな銀行では、仕事と家庭・育児の両立支援として『復職支援プログラム』を設けています。育児休業前・中・後それぞれのタイミングで「パパ・ママ入門セミナー」「復職支援セミナー」を開催し、仕事と家庭・育児の両立に対する不安払拭を図っています。
「パパ・ママ入門セミナー」では、制度や給付金などの説明に加え、育児経験のある先輩社員の事例紹介もしています。
「復職支援セミナー」では、育児休業途中で復帰を控えた社員に対して、その間に業務で変わったところを説明するとともに、先輩社員の話を聞いて復職後の具体的イメージをもってもらうようにしています。
当社では、ほとんどの女性社員が育児休業後に職場復帰をしています。
会社としては、タイミングに合わせてのフォローを大事にしています。対象者のステージに合わせて、さまざまな制度を準備しています。
企業内保育園の設置
2010年4月に、本社敷地内の研修センターに企業内保育園「りそなキッズパーク浦和」を併設しました。従業員が利用することができ、早期の職場復帰に役立ててもらっています。
継続して働ける環境をきちんと整えてきた
制度を活用しながら働き続けてもらえるように努力した結果、この10年で、結婚を機に会社を退職する社員はほとんどいなくなりました。
また、女性でもキャリアを身に付けて、家庭との両立ができる環境で仕事を継続してやっていきたいというニーズが増えています。女性が働きやすい環境を整えたことは、時代に合った対応でもあると思っています。
積極的な女性登用をするようになった
女性の職場進出に関しては、抵抗のある世代の方々も少なからずいらっしゃいましたが、最近ではその抵抗も少なくなってきたと思います。
過去に業績が悪くなった「りそなショック」と言われる時期がありました。その際に東日本旅客鉄道(JR東日本)副社長を務めた故・細谷英二氏が会長に就任し、女性の積極的な登用を推進することになりました。
それまでも女性の登用は行なっていたのですが、そこからドラスティックな改革が始まったのです。このことが一つの原動力になり「女性がもっと働きやすい環境を作ろう」という動きが起こり、大きな転機になりました。そうした結果、マネージャーへの積極的な登用も進むようになりました。
時短で働ける「スマート社員制度」
社内には、仕事と家庭・育児との両立に関して、基本的な制度が整っています。子供が3歳になるまで使える時短制度に加え、『スマート社員』という制度で、子供のいる社員をサポートできるようにしています。一般社員と比べて、「勤務時間」を限定できる制度で、スマート社員に職種転換することで、子供が小学校3年生を修了するまで勤務時間短縮が利用できます。その後は通常の社員としての勤務に復帰することもできます。
会社の仕事を理解し、対応できる従業員は「財産」です。ですから私たちは「人財」という言葉を使っています。最近の銀行の業務は、より専門化してきました。1人の従業員を採用し、業務がこなせるまでに育てることは大変な労力とコストがかかります。そのようなことを考えても、従業員が長く働き続けられるような環境を整備することで、会社も従業員もwin-winの関係になれると信じています。
女性にもどんどん幹部を目指してほしい
埼玉りそな銀行では、あらゆる分野において、性別・年齢・職種などにかかわらず、実力本位で社員が活躍できるように努力をしています。その成果が認められ、「女性が輝く先進企業表彰2018」において、内閣総理大臣表彰も受賞させていただきました。
支店長クラスには少しずつ女性も増えてきましたが、それでも支店長、副支店長クラスの女性割合は、まだ10%を少し超えるぐらいです。そのため、難しい課題はありますが、10年後には20%を超えることを目標に掲げています。
マネージャーに関しては、50%超が女性となっており、かなり活躍が進んできているように思います。
今後は、これまで女性社員の少なかったセクションでも活躍してもらえるよう、引き続き、計画的に仕事と家庭・育児の両立支援に取り組んでいきたいと思います。