インタビュー・コラム

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掲載日:2024年12月26日

森野 綾(もりの あや)さん

キャリアアップしたいFile9_森野綾さん

プロフィール

1997年に愛和病院に入職。産婦人科のほか皮膚科の勤務を経験する。
仕事、育児の傍ら、日本看護協会の認定看護管理者教育課程(※)をセカンドレベルまで修了し、現在は看護部長として100名近い助産師や看護師の統括をしている。
事務方など他部署との調整にも尽力し、皆から頼られる存在となっている。
川越市在住、二児の母、45歳。

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理想としての看護師という仕事

私は幼い頃から、看護師をしていた母の背中を見ており、自立した女性に対する憧れがありました。そして自立した女性になるにはどうしたらよいかと考えた時に、看護師という仕事が理想として思い浮かび、将来は看護師になろうと決めました。

看護師として愛和病院に勤務してからしばらくして、前看護部長に管理者に興味がないかと声を掛けていただきました。自分には全く向いていないと思っていたのですが、管理の勉強が面白かったのと、職場をより良く変えていくためには、管理者の立場にならなければならないと思い、管理職を目指すことに決めました。

現在は看護部長として、助産師・看護師含めておよそ100名(助産師40名、看護師・准看護師60名ほど)を統括しています。

この仕事をして良かったと感じるのは、患者さまのケアに携われ、患者さまから感謝された時です。例えば、ずっと前に来院された方が、HPに写っていた私の姿を見て会いに来てくださったこともあります。そういった出来事は看護師として働く上で、すごくやりがいに繋がっています。

現在は看護部長という立場上、患者さまと直接接する機会は少ないですが、管理職として時に厳しく接することがあっても、自分についてきてくれる部下の存在も仕事にやりがいを与えてくれています。

大事にしているのはスタッフとのコミュニケーション

立場上スタッフが私に対して遠慮がちになってしまうことも多いので、ふだんからスタッフとなるべくコミュニケーションを取るようにしています。日々職場を周り、スタッフの顔を見て、声を掛けるようにしたり、看護部の責任者会議で各部署の情報共有をしたり、チャットを使ったりしてこまめに情報共有をしています。タイムリーに対応しなければいけない場合もあるので、そういう時には業務外でも情報共有することもあります。

様々な部門や立場の人がいるので問題が生じることもあります。でも、1人の患者さまに対して皆でサポートしていく中で、どちらが偉いなどはない、みんなで連携を取っていこうと信念を曲げずに伝え続けてきた結果が、今のスタッフの協調性に繋がっているのかなと思います。

女性が多い職場ですから、年齢を重ねる上で起こる急な休みや早退などの問題はあります。それについては、若い世代の人たちも後々そういう時期が来ることだから、みんなでサポートしていこうと伝えています。ただ、デリケートな問題もあるので、そこは様々な事情を抱えているスタッフのことも考えながら、伝えるよう気を付けています。

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周りの支えがあってこその自分

私はどちらかというと仕事人間なので、仕事を家庭に持ち込まないようにすることで、母として、看護師として、メリハリを持つことを意識するようにしています。あとは頑張り過ぎないように、時には周りに甘えるようにしています。

基本的に家事育児は夫婦で分担しながらやっていますが、夫も子ども達の送迎や料理などに積極的に協力してくれますし、時には母も子ども達の面倒をみてくれるので、そういった家族のサポートにすごく助けられています。

職場には3歳まで預けられる院内保育施設があるので、育休明けにすぐ復帰出来ましたし、子どもが近くにいる安心感もありました。また、子どもが病気の時でも病児・病後児保育施設が近くにあるので、とても助かりました。

今の職場は自分にとって体の一部みたいな感じです。若い頃から愛和病院に育ててもらって、自分らしくいられる場所であり、職場の人たちは家族のような存在とも言えるかもしれません。

私はすごく人に恵まれていると感じていて、振り返ってみると一人じゃ何もできないと思います。周りの人がいて、いろんなスペシャリストがいて、支えられているというのをすごく感じます。日々感謝ですね。

誇れる職場づくりのために目指すこと

今後の目標は、認定看護管理者のサードレベルを取得することです。

講義や研修、試験などに数か月掛かるので大変ではありますが、挑戦していきたいです。

職場のことでいえば、働き甲斐のある職場を作っていきたいと考えています。

当院に勤めていることが自分の誇りだと思ってもらえるような、ロイヤリティをもって働ける職場にしていきたい、というのが目標です。

当院には、長く勤めてくれるスタッフのキャリアアップのために、看護助手が准看護師の学校に進学するための推薦制度と、看護師が助産師学校への進学を目指すための応援制度の、2つの独自の制度があり、スタッフにはその利用を推奨しています。

医療の現場ですから、一人の患者さまの人生が大きく変わってしまうこともある場所だということは何度も目の当たりにしてきました。中でも、産婦人科という場所はその人だけではなく、その周りにいる人達にもすごく影響があって、医療の怖さというのを感じています。今は安心安全な医療が当たり前の時代になっているからこそ、その基盤を揺るぎないものにするために、スタッフにしっかりとしたスキルを持たせて、教育していくことが大事だと考えています。

キャリアアップを目指す女性へのメッセージ

人生の中でターニングポイントは人それぞれあって、女性であれば育児や家庭を理由に悩むこともあると思います。それでもその時にしか巡ってこないチャンスもあります。そのチャンスを掴めるか掴めないかで人生を左右する場合もあります。だからこそ、自分が興味を持ってやりたいと思っているのであれば、迷わず進んでほしいです。

その選択の結果は後にならないと分からないことですが、自分が振り返った時に後悔しないような選択をしてほしいと思います。

                       ソロ

 

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