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掲載日:2023年8月22日
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収用裁決申請等の手引き・第1編第2章 裁決申請に当たっての留意事項
裁決申請書を作成するに際して留意すべき主な点についての説明です
この章は、起業者が裁決申請書などの書類の作成に入る前に留意しなければならない主な点を整理したものです。
1 土地収用法の原則
土地収用法に基づく事業認定の告示があった日から、裁決申請は1年以内、明渡裁決申立ては4年以内にすることになっています。ただし、裁決申請について手続の保留がされている場合には、手続開始の告示をした日から1年以内となっています。
1年以内に裁決申請の手続をしない場合には、事業認定の効力がなくなります。裁決申請をしていても4年以内に明渡裁決申立てをしなければ同様に事業認定の効力がなくなり、また既にされた裁決手続開始の決定及び権利取得裁決も取り消されたものとみなされます。
なお、手続の保留とは、起業者が起業地の全部又は一部について、事業認定後の申請と同時に、申立てによって収用又は使用の手続を保留することです。
この手続の保留がされた場合、裁決の申請をしようとするときには事業認定の告示があった日から3年以内に手続開始の申立てをすることとされています。(法第29条、第34条、第39条)
2 都市計画法の特例
都市計画事業については土地収用法による事業認定は行われず、都市計画事業の認可又は承認の告示が事業認定の告示とみなされます。
また、1で述べた事業認定の失効の規定は適用されず、告示された事業施行期間内であれば事業認定が効力を失うべき理由に該当す理由があるときは、その理由が生じたときに事業認定の告示があったものとみなされます。このことにより、裁決申請等の期間が1年ごとに更新されるのと同じことになり、その時点で価格固定等の関連規定が適用されることになります。(都市計画法第70条・第71条)
期間の計算は民法によります。期間の末日が、日曜日、土曜日、国民の祝日及び12月29日から31日まで並びに1月2日及び3日の休日に当たるときは、その翌日が満了の日(休日が連続する場合は最後の休日の翌日が満了の日となる。)となります。
したがって、多年にわたる都市計画事業の期間の計算には注意する必要があります。
なお、都市計画決定を受けたときが相当前の事業である場合には、土曜日については昭和64年1月1日から毎月第2土曜日・第4土曜日が、平成4年5月1日からは毎土曜日が休日として扱われていることに十分注意して計算をしてください。
(法第135条。なお、具体的な計算方法については、資料2-1(ワード:26KB)も参考にしてください)
起業者は、事業認定の告示があったときは、直ちに、土地所有者及び関係人が受けることができる補償、裁決申請の請求に関する事項、補償金の支払請求に関する事項、明渡裁決の申立てに関する事項等について、土地所有者及び関係人に次のような方法で知らせなければならないとされています。(法第28条の2)
起業者は、事業認定の告示があった後は、土地調書及び物件調書の作成のため、その土地又はその土地にある工作物に立ち入って、これを測量し、又はその土地及びその土地若しくは工作物にある物件を調査することができます。この場合、立ち入ろうとする日の3日前までにその日時及び場所をその土地又は工作物の占有者に通知しなければなりません。(法第35条)
起業者は、事業認定の告示があった後、土地調書及び物件調書を作成し、これに署名押印(記名押印でないことに注意)しなければなりません。
また、この場合に起業者は、土地所有者及び関係人を立ち会わせた上、土地調書及び物件調書に署名押印(記名押印でないことに注意)させなければなりません。(法第36条)
1 手数料
(1)手数料が必要となる起業者
「国又は都道府県」とみなされる起業者を除き、裁決申請をしようとする者は、県に手数料を納める必要があります。
※令和5年9月1日現在、土地収用法第125条第1項ただし書準用について国の行政機関又は埼玉県とみなされるもの
1 国の行政機関とみなされる主なもの
2 埼玉県とみなされる主なもの
(注)かつて国の行政機関とみなされていたもののうち以下のものは、民営化等を契機にみなし規定がなくなっています。
(2)手数料の額
収用又は使用の裁決申請の場合の手数料の金額は、損失補償の見積額によってスライドします。令和5年9月1日現在、その金額は、56,400円から750,000円までです。
この「損失補償の見積額」とは、土地に対する補償だけでなく物件の移転料や営業補償の額を含めた額となりますので、ご注意ください。
手数料の具体的な額につきましては以下の一覧表のとおりですが、高額になることもあるため、申請する前に収用委員会事務局にご確認ください。手数料の納付方法につきましても併せて収用委員会事務局にご確認ください。
収用又は使用の裁決申請の手数料については次の一覧表を参照してください。
1 土地収用法第39条第1項の規定に基づく収用又は使用の裁決申請手数料(PDF:95KB)
土地収用法第94条に基づく損失補償裁決申請や土地区画整理法第73条に基づく損失補償裁決申請については次の一覧表を参照してください。
2 土地収用法第94条第2項又はその他の法律の規定に基づく損失補償等の裁決申請手数料(PDF:113KB)
2 費用
(1)鑑定人等の旅費及び手当の負担
起業者は、審理手続の中で委員会が命じる鑑定人の鑑定や参考人の審問(法第65条第1項)などが行われる場合、申請手数料とは別に、鑑定人及び参考人の旅費、手当などを負担しなければなりません。(法第126条)
なお、旅費及び手当の額は、「県の機関の請求によって出頭した者に対する費用弁償等の支給に関する条例」で定められています。
(2)手続費、義務履行費の負担
起業者、所有者及び関係人が、土地収用法又は土地収用法に基づく命令に規定する手続に参加し、この法律に基づいた様々な行為をする場合の費用や各自の義務を履行するために要する費用は、それぞれの者が負担しなければなりません。(法第127条)
例えば、審理に出席するための交通費、休業した場合の収入減などの負担です。
(3)市町村長が代行した場合の費用
明渡裁決の後、土地収用法第102条の2第1項各号に掲げるときであり、土地若しくは物件を引渡し、又は物件を移転すべき者(以下、「義務者」と略記)がこれらの明渡しをできない場合には、市町村長が、起業者の請求により、代行することとなります。(法第102条の2第1項)
この場合、当該市町村長は、代行した場合の費用を義務者から徴収することができます。
また、市町村長は、代行に要した費用に充てるため、義務者が起業者から受けるべき明渡裁決に係る補償金を義務者に代わり受けることができます。(法第128条第1項、同条第2項)
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