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掲載日:2023年7月31日
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収用裁決申請等の手引き・第1編第6章 自主的な紛争解決手続
土地収用法に基づく「あっせん」、「仲裁」など、自主的な解決のための手続の概略についての説明です
土地収用法では、収用委員会の準司法的な手続としての裁決手続ばかりでなく、紛争の事前予防の観点や裁決手続の内外での当事者の方々による自主的な解決を進める制度を用意しています。
以下では、それらの「あっせん」、「仲裁」、「協議の確認」、「和解」について説明します。
事業認定の告示前における自主的な紛争処理手続です。都道府県知事が主宰するものですが、
以下において、概略を説明します。
1 申請
法第3条各号に掲げる事業(例えば、道路法による道路、河川法が適用され、又は準用される河川等)の用に供するために、事業者が土地等を取得することについて、関係当事者間の合意が成立しなかったときは、関係当事者の双方又は一方は、当該土地等が所在する都道府県の知事(収用委員会に対してでは、ありません)に対し、この解決をあっせん委員のあっせんに付することを書面で申請することができます。
ただし、当該土地等について事業の認定の告示があった後は、申請することができません。
都道府県知事は、この申請があった場合には、当該紛争があっせんを行なうのに適しないと認められるときを除き、あっせん委員のあっせんに付することになります。(法第15条の2)
2 あっせん委員
あっせん委員は5人で、事件ごとに、収用委員会がその委員の中から推薦する者1人及び学識経験を有する者で収用委員会が推薦する者を、都道府県知事が任命します。(法第15条の3)
3 あっせんの打切
あっせん委員は、あっせん中の紛争に係る土地等について、事業の認定の告示があった場合には、当該あっせんを打切ります。(法第15条の4)
4 あっせんの費用
あっせんの申請には、手数料がかかります。具体的な額については、あっせんの内容によって異なりますので、本県の土地収用法の施行に係る事務を所掌する知事部局の課(平成21年度においては用地課)に照会してください。
法第3条各号に掲げる事業に係る用地買収に関して、事業を行おうとする者(施行者)と土地所有者等とが協議(交渉)をしたが、対償に係る事項についてのみ協議が成立しない場合、関係当事者全てが合意の上、連名で仲裁委員の仲裁を申請し、仲裁委員の判断に従うことで、当該紛争を解決を図ろうとする手続です。対償に係る内容だけが争いとなって合意が成立しない場合であり、かつ、仲裁委員が示した解決のための判断を受け入れることについて、当事者全てが合意している場合にのみ活用できる制度です。
1 仲裁の申請
法第3条各号に掲げる事業(例えば、道路法による道路、河川法が適用され、若しくは準用される河川等に係る事業)の用に供するために事業者が土地等を取得することについて関係当事者間の合意が成立しないときであり、かつ、争点が対償に係る事項のみである場合に
限り、関係当事者の双方の合意の上、当該土地等が所在する都道府県の知事に対し、この紛争の解決を仲裁委員の仲裁に付することを書面で申請することができます。
ただし、当該土地等について事業の認定の告示があった後は、申請することができないものとされています。
都道府県知事は、収用委員会に対して仲裁委員の推薦を依頼し、収用委員会から推薦のあった収用委員会の委員を仲裁委員として任命するものとされています。(法第15条の8)
2 仲裁委員
仲裁委員は3人で、事件ごとに、収用委員会がその委員の中から推薦する者3人を都道府県知事が任命します。(法第15条の8)
3 仲裁申請後の制限
仲裁申請がされた後、仲裁判断がなされるまでの間、起業者又は土地所有者等は、収用裁決申請や収用裁決申請の請求をできないこととされています。(法第15条の7第3項)
4 仲裁手続に係る費用等
仲裁手続を申請する場合、仲裁申請に係る手数料やその他仲裁に係る費用を法令(条例を含む)の定めるところにより、起業者又は関係当事者が負担しなければなりません。
具体的な額については、仲裁の内容によって異なりますので、土地収用法の施行に係る事務を所掌する知事部局の課(平成21年度においては用地課)に照会してください。
事業の認定の告示があった日以後、収用又は使用の裁決の申請前に限り、起業地について、起業者と土地所有者及び関係人の全員との間に、権利を取得し、又は消滅させるための協議が成立したときは、起業者は、当該土地所有者及び関係人の同意を得て、収用委員会に協議の確認を申請することができます。(法第116条)
1 協議の確認の申請
収用委員会は、協議の確認の申請に係る内容が法令の規定に違反せず、法第118条第4項の規定による異議の申出がなく、又は異議の申出があっても、この申出が法第118条第4項の規定に違反し、若しくは理由のないことが明らかであり、その協議の内容が法第7章の規定に適合するときは、協議の確認をすることとなっています。(法第118条)
2 確認の効果
協議の確認があったときは、権利取得裁決と明渡裁決があったものとみなされます。
この場合は、起業者、土地所有者及び関係人は、協議の成立及び内容を争うことはできません。(法第121条)
1 和解の勧告
収用委員会は、審理の途中で、いつでも、起業者、土地所有者及び関係人に和解を勧めることができます。(法第50条第1項)
2 和解調書作成の申請
起業者、土地所有者及び関係人との間に、法第48条第1項各号又は法第49条第1項各号に掲げるすべての事項に関して和解がととのい、和解の内容が法第7章の規定に適合するときは、収用委員会は起業者等の申請により和解調書を作成することができます。(法第50条第2項)
3 和解の効果
和解調書が作成されたときは、権利取得裁決又は明渡裁決があったものとみなされます。
そして、起業者、土地所有者及び関係人は、和解の成立及び内容を争うことができません。
(法第50条第5項)
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