令和6年6月定例会 「文教委員長報告」

委員長　阿左美　健司

文教委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案2件であります。
審査に当たり、まず、第79号議案の審査を行いました。
以下、この議案に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、「過去に本県でこの公務災害補償を受けた適用事例はどのくらいあるのか。また、改正される補償基礎額は、他県と比較してどうなのか」との質疑に対し、「県立学校については、昭和32年の本条例制定以降、適用事例はない。また、補償基礎額の算出は、国家公務員の医療職俸給表を基準にしており、国や、政令準拠方式で条例等を制定している他の44道府県と同額になっている」との答弁がありました。
以上のような審査結果を踏まえ、本委員会に付託されました第79号議案について、採決いたしましたところ、総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、継続審査となっている第52号議案について審査を行いました。
その中で、「地域と連携・協働した教育の推進について、部活動において、今まで学校が担っていたことにより担保されていた活動環境の水準は、地域クラブ活動へ移行した後もしっかりと担保されるべきである。ついては、子供たちが将来にわたって多様な活動ができる環境に地域差が生じないように、教育委員会としてもしっかりと対応していく必要があると考えるがいかがか。また、学校が部活動を運営することで指導レベルもある程度一定に保たれており、地域クラブ活動に移行した際も、それが担保されるべきことから、地域クラブ活動の担い手でもある指導者においても質と量の確保は重要であると考えるがいかがか」との質疑に対し、「各市町村における地域クラブ活動について、子供たちが将来にわたって多様な活動ができる環境に、地域差が生じないことは重要であると考えている。今後とも、市町村や競技団体等との連携を密にして課題を共有していくとともに、現在実施している、地域クラブ活動に係る実証事業の事例等を、市町村に情報提供し、取組をしっかりと支援していきたい。また、地域クラブ活動の指導者は、単なる技術指導にとどまらず、子供の心身の成長に資することができる人材の確保が重要であると認識している。県では引き続き、退職教員を登録する人材バンクの活用などを通じ、市町村における地域クラブ活動の指導者確保についてしっかりと支援していく」との答弁がありました。
また、「競技スポーツの推進について、パラスポーツとデフスポーツは別大会で開催されており、聴覚障害者はパラリンピックをはじめとするパラスポーツ大会には出場できないなど、パラスポーツとデフスポーツは別物である。パラスポーツと切り分けてデフスポーツを推進していく必要性について、どのように考えているのか」との質疑に対し、「5か年計画の中ではデフスポーツを含めてパラスポーツを位置付けており、現行ではこの5か年計画に沿って、パラスポーツに含むものとして施策に取り組んでいる。デフスポーツに着目させるという視点での考え方については、今後、庁内で相談していきたい」との答弁がありました。
質疑ののち、白土委員ほか4名から、第52号議案に対する修正の動議が提出されました。
その内容は、魅力ある県立高校づくりの推進、地域と連携・協働した教育の推進及び競技スポーツの推進について、計画の各施策の部分に記述を追加するものであります。詳細については、お手元の修正案により御確認願います。
提案理由については、「魅力ある県立高校づくりの推進、地域と連携・協働した教育の推進及び競技スポーツの推進は本県の教育行政における重要な課題であり、県民に誤解を与えない、より良い計画として県の姿勢を示すため」との説明がありました。
その後、討論に入りましたところ、第52号議案に対する修正案について反対の立場から、「本計画案のビジョンや方向性などについては、原案で良いと考える」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、まず、第52号議案に対する修正案については、多数をもって可決し、続いて、修正可決した部分を除く第52号議案については、総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、当面する行政課題として、「指定管理者に係る令和5年度事業報告書及び令和6年度事業計画書について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えて、本委員会の報告を終わります。

 

• 注意：氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。