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掲載日:2024年7月5日

令和6年6月定例会 「福祉保健医療委員長報告」

委員長 逢澤 圭一郎

福祉保健医療委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案1件及び請願1件であります。
以下、これらの議案等に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、第78号議案について、「国の省令の公布が令和6年3月29日のため、条例の施行日までに3か月以上が経過することとなるが、影響はないのか」との質疑に対し、「本改正は、国の所管変更に伴う試験名称の変更であり、県民に直接影響を与えるものではない。なお、解釈により、施行日までの間について読替えができることを確認している」との答弁がありました。
以上の審査経過を踏まえ、本議案について採決いたしましたところ、総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、請願について申し上げます。
議請第2号につきましては、不採択とすべきとの立場から、「県議会では、国民が良質かつ安全な介護サービスを受ける体制を維持・発展させていくために、介護人材の確保と定着に不可欠な処遇改善に取り組んでおり、国に継続して処遇改善や支援を求めている。介護職員の処遇における地域偏在の解消は、一義的に、国において図られるべき問題であり、国へ働き掛けていくことが重要と考える。国による地域偏在の解消が図られるまでの間においては、県における臨時的措置も必要と認識している。そのため、令和6年度予算特別委員会において『介護士等の人材流出と人材不足を補うために早急に県単独で、更なる処遇改善を講じること』という附帯決議を付しており、現在、県の対応を注視しているところであるため」との意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「本年4月の介護報酬改定で、処遇改善が盛り込まれたが、取得条件があり、全事業者が対象ではない。さらに、他職種との賃金格差は大きく、人手不足は深刻である。処遇改善は、国において措置が行われるべきではあるが、まずは、今の介護サービス水準を維持し向上させるために、独自の処遇改善を実施していくことが求められており、賛同するものである」との意見が出され、採決いたしましたところ、賛成少数をもって不採択とすべきものと決した次第であります。
次に、所管事務の調査として、「株式会社恵が運営する障害者グループホームの連座制適用への対応について」、「秩父地域の輪番体制の維持について」及び「医師確保のための奨学金制度について」質問が行われました。
その中で、「県内の施設における食材料費の過大徴収等をどのように把握したのか。定例の監査では確認できなかったのか。また、不正請求についてはどのように対応を図っているのか」との質問に対し、「昨年11月、他県の施設における報道を受けて、県内の同社の施設に対し特別調査を実施した。食材料費の状況と、職員の配置状況について、重点的に調査したところ、食材料費の過大徴収及び、職員の配置不足に伴う障害福祉サービス報酬額の請求誤りが確認された。定期の運営指導では、食材料費の徴収額が適切かどうかまでは確認を行っていなかった。また、過大徴収への対応については、今回の事案を受け、昨年10月に、国から食材料費の残額が生じた場合には、利用者に返還するよう事業者に周知徹底するよう事務連絡があり、県では、食材料費の過大徴収分の返還を指導した。また、障害福祉サービス報酬額への対応については、過誤調整を行うよう指導をしている。現在はその手続が進められており、定期的に状況報告を求めている」との答弁がありました。
また、「今後、同様の事件が起きないようどのように取り組んでいくのか」との質問に対し、「新規申請、更新申請の審査や、日頃からの指導を充実させていく。また、外部の目の届かない閉鎖的な環境で事業が運営されていることが課題の一つであるため、来年度から義務化される、利用者、家族、専門家などで構成される地域連携推進協議会の開催等の取組と合わせ、適切な運営が図られるよう指導していく」との答弁がありました。
次に、「輪番体制維持が困難な理由が、医師確保であるならば、具体的にどのように対応するのか。また、平時から危機感を持ち、一部の医療機関に過度な負担を掛けるのではなく、あらゆるチャンネルを検討すべきと考えるが、いかがか」との質問に対し、「まずは、秩父病院の来年度に向けた体制を注視していく。また、第二次救急医療体制は、本来市町村が整備するものだが、今後の救急輪番体制に関して、地元市町村としっかりと意見交換をしていく。その上で、現在医師を派遣いただいている埼玉医大グループに支援の継続をお願いすることなどを考えているが、一医療機関に負担を強いるということのないよう、様々な手法を検討し可能性を探っていく」との答弁がありました。
次に、「奨学金の返済免除対象となる医療機関に民間病院も含めるなど戦略的な外科医の育成に努めるべきと考えるがいかがか」との質問に対し、「現在の産科、小児科、救命救急センターの特定診療科等の充足状況や、県の奨学金貸与者のうち専門医自体がまだ少ない状況であることから、今後、外科を専攻する医師が出てくるのかといった状況も踏まえて、引き続き、対象については検討していく」との答弁がありました。
なお、当面する行政課題として、福祉部及び保健医療部から、それぞれ、「指定管理者に係る令和5年度事業報告書及び令和6年度事業計画書について」、福祉部から「令和6年度における指定管理者の選定について」、保健医療部から「順天堂大学附属病院等整備の進捗状況について」の報告があり種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。

 

  • 注意:氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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