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掲載日:2024年7月12日
Q 萩原一寿 議員(公明)
脊髄損傷とは、交通事故や転倒などを原因として脊髄が損傷を受け、運動や感覚機能などに障害が生じる状態を指します。脊髄は数多くの神経が集まっている組織であり、背骨に沿う形で存在しています。ここに損傷が生じると手足のまひなどの後遺症が残ることもあり、日常生活に大きな支障を来す可能性があります。国内で脊髄損傷を患っている方は10万人以上いると言われ、年間で新たに約6,000人、重症の方は約3,000人発症すると言われています。
脊髄損傷の患者が劇的に回復を遂げることができる治療法が再生医療です。具体的には、受傷後31日以内を目安に患者から骨髄液を採取して、その中に含まれる肝細胞を1万倍に培養、再び点滴で投与するものです。
5月に公明党議員団で、この先進医療に取り組む札幌医科大学を視察してまいりました。札幌医科大学では、プールに飛び込んだ際に頸椎を負傷した患者の臨床例を動画で紹介されました。手足がほぼ動かない状態から日を追って腕が回り、立ち上がり、歩けるようになるという、正に目を見張る回復ぶりです。外科的な手術は要らず、投与した培養液の成分が患者自身に由来するため、拒絶反応もありません。札幌医科大学が取り組むこの先端医療は、一度傷ついた脳や神経の細胞は再生しないというそれまでの定説を覆すものです。
2018年、ステラミック注と言われるこの培養液が厚生労働省より、世界初の脊髄損傷の治療薬として条件及び期限付で薬事承認となりました。それ以降、5年間で約150人が保険診療による治療を受けています。大変に有効な治療法です。
そこで、知事に伺います。
前述した大変すばらしい脊髄損傷患者への再生医療の必要性と有効性についてどのように考えておられるのか、御見解を伺います。
あわせて、県は民間病院とも連携をとりながら県民の命を救えるよう、この再生医療を行う環境を整えるべきと考えますが、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
脊髄損傷は運動や感覚機能、自律神経系のダメージをもたらし、医学が目覚ましく進歩を遂げている今日においても、有効な治療方法は確立していないと言われておりますが、様々な再生医療の登場により治療の効果が期待をされております。
議員から御紹介いただきました、脊髄損傷の治療薬「ステミラック注」による治療では、脊髄損傷による寝たきりや手足がまひした患者が、手足が動くようになり、日常生活を取り戻したという結果が出たと伺っており、脊髄損傷に苦しむ患者にとって必要とされる治療であろうと考えております。
他方、この治療薬は、2018年に厚生労働省が条件付きで承認したものとなっており、有効性や安全性を確認する製造販売後調査を7年間行うこととなっており、かつ、期限内に再度承認申請し、承認を受けることになっています。
そのため、再生医療への期待は大きいものの、有効性については、現在、確認の途上にあるものと認識をしております。
次に、民間病院とも連携を図りながら、再生医療を行う環境を整えることについてでございます。
先に御答弁申し上げましたとおり、脊髄損傷の治療薬「ステミラック注」につきましては、製造販売後調査において、その有効性や安全性を継続的に確認をしている段階であります。他方、「ステラミック注」は、すでに保険適用及び高額医療費制度の対象となっております。 県といたしましては、この条件及び期限付き承認制度下にある脊髄損傷の治療薬「ステミラック注」の情報収集をするなど今後の動向を注視した上で、県内の医療関係者と意見交換をしてまいります。
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