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掲載日:2024年7月12日

令和6年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(萩原一寿議員)

若者の働き方と雇用環境の改善について

Q 萩原一寿 議員(公明)

初めに、若者の働き方と雇用環境の改善についてお聞きします。
今年4月、民間の有識者らでつくる人口戦略会議は、全国の市区町村の4割超に当たる744自治体が人口減少によって行政運営が維持できなくなり、将来的に消滅する可能性があるとの報告書を発表しました。本県の人口は2020年に734万5,000人を記録して以降、2023年には733万1,000人と僅かな減少傾向にあります。令和2年の国勢調査に基づく埼玉県の将来人口の推計によれば、2030年には約718万人となり、2040年には約685万人と700万人を割るまで減少する見通しです。
本年2月定例会代表質問で、公明党蒲生団長が人口減少・超少子高齢社会の到来に対する取組について取り上げ、大野知事は「増加する高齢者を支えつつ、子育て施策を充実させるには、人口減少下でも経済成長が必要であります。そのため、DXを更に推進し、社会全体の生産性を向上させ、新たな価値やサービスを創出してまいります」と答弁されました。
知事が繰り返し述べられているその必要性については十分に理解した上で、私は急激な人口減少に歯止めをかけ、少子化の流れを反転させるには、若い世代が将来に希望を持てる環境づくりこそ急務と考えます。
今年4月公明党は、2040年の少子高齢化、人口減少への自治体アンケート調査を発表しました。実に自治体の32.5パーセントが存続が危ういと答えており、子育て・教育、少子化対策で優先的に取り組む課題に「若者の働き方や雇用環境の改善」を挙げた自治体が最も多かったのです。
それでは、若者の働き方や雇用環境の改善に向けて何が必要なのでしょうか。
1つは、これまで多くの議論が交わされてきた非正規雇用の方への待遇改善だと思います。非正規雇用の方への賃上げや正社員化を進める企業に対し、県が一定の支援を進めるべきではないでしょうか。
そこで、大野知事に質問します。
人口減少の超少子高齢社会における若者の働き方や雇用環境の改善についてどのように認識されているのか、御所見を伺います。また、非正規雇用の方への賃上げや正社員化についてのお考えを伺います。あわせて、埼玉県公労使会議でこの件についてどのような議論がなされてきたのか、知事にお伺いいたします。
次に、個々のスキルをアップさせ、待遇改善につながるリスキリングに対する支援を強化すべきです。
県は、高等技術専門校などで在職者を対象に短期のスキルアップ講習を実施しています。東京都では、都内の中小企業等が従業員に対してDXに関する研修を教育機関に委託して実施した場合、又はeラーニングにより実施した場合の助成制度を行っています。
そこで、産業労働部長に質問です。
若い方へのリスキリングに対する支援について御見解を伺います。あわせて、本県でも更なるスキルアップのためリスキリングを行う企業に対し、東京都のような助成制度を行うべきと考えますが、御見解を伺います。

A 大野元裕 知事

まず、「若者の働き方と雇用環境の改善について」のお尋ねのうち、人口減少の超少子高齢社会における若者の働き方や雇用環境の改善についての認識についてでございます。
少子化の背景には、様々な要因が複雑に絡み合っていることから、何らかの手を一つ打てば、全て解決する、言わば、魔法のつえのような施策は残念ながらないと考えております。
他方で、議員御指摘のとおり、急激な人口減少に歯止めをかけ、少子化の流れを反転させるためには、若年世代が将来に希望を持てる環境づくりが急務であると思います。
雇用の面から、まずは、長時間労働の是正やテレワークの普及、男性育休取得促進などにより、仕事と子育ての両立など、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方ができる職場環境づくりを推進してまいります。
また、職住近接で生活にゆとりが生まれる地元企業への就職促進や待遇改善につながるリスキリング支援などにより、若者が意欲や希望に応じて能力を発揮できる雇用環境の整備に努めています。
県は、こうした取組を通じ、若者がこどもを持つことをためらうハードルを下げ、明るい未来を描ける社会の実現を目指してまいります。
次に、非正規雇用の方への賃上げや正社員化についての考え及び埼玉県公労使会議での議論についてでございます。
物価上昇が続く中、正規・非正規を問わず賃上げが進むことは持続的な経済成長を支える上で不可欠であります。
今年2月及び4月に開催した「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」では、経済の好循環を実現し、持続的な賃上げにつなげられるよう、価格転嫁の取組を引き続き実施すべきとの御意見を頂きました。
これを受け、県内中小企業の価格交渉力を更に高めるため、価格交渉支援ツール等の機能充実や専門家による伴走型支援の拡充などを通じて、正規・非正規にかかわらず、賃上げにつなげていけるよう産・官・金・労が一体となって、全力で取り組んでまいります。
また、不本意ながら非正規で働いている若者が正社員として就職できるよう支援することが重要であると考えます。
埼玉しごとセンターにおいては、若者専用の窓口でキャリアカウンセリングを行うとともに、国と連携した就職セミナーの開催や職業紹介まで、きめ細かな伴走型の支援を行っております。
また、高等技術専門校などでの職業訓練により、しっかりとした知識・技能を習得していただき、正社員としての就職につながるよう支援をしております。
これらの論点は、今年2月の埼玉県公労使会議においても、宮崎政久厚生労働副大臣臨席の下、議論され、正規、非正規にかかわらず、賃上げの機運醸成に取り組んでいることを確認したところであります。引き続き、非正規労働者の待遇改善については、埼玉県公労使会議において、国と連携をして取り組んでまいりたいと思います。

A 目良聡 産業労働部長

企業における従業員のリスキリングは、個々の能力を高めて業務の幅を広げることなどにより、生産性向上に高い効果があると考えております。
いくつになってもリスキリングは必要ですが、特に知識や技術の吸収が早い若い方のリスキリングは効果的であり、個人にとりましても職場での評価を高めたり、希望する業務に挑戦できるなどの利点があると思います。
そこで県では、今年度新たに、各高等技術専門校にポータルサイトを設置しまして、企業や個人からのリスキリングに関する相談対応を始めてまいります。
また、在職者向けリスキリング支援としまして、「働く人のためのDX推進講座」を無料で実施するほか、全207講座のスキルアップ講習を実施するとともに、企業の求めに応じたオーダーメイド型の出前講座も実施しており、令和5年度には約1万人の方に受講いただいております。
本県では、助成制度という形式ではないものの、1講習当たり2,000円からと、民間に比べて極めて安価で、豊富なメニューの講座を提供していると考えております。
今後も、様々なニーズに対応できるように、随時内容の見直しを図ってまいりますが、一方で民間でないとできない研修や実施時期、場所の関係などもあるかと思いますので、新たにリスキリング相談を行う中で企業のニーズを確認して助成制度についても研究してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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