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掲載日:2023年10月20日
Q 金子裕太 議員(自民)
平成24年に児童福祉法等の改定により教育と福祉の連携の一層の推進が掲げられ、児童福祉法第4条第2項に規定する障がい児の定義規定が見直されました。これにより、発達障がい児についても障がい児支援の対象として児童福祉法に位置付けられました。
近年では、いわゆる「気になる子」と言われるグレーゾーンの子供たちも増えてきていると言われており、保育の現場ではそういった子供たちもしっかりと目の届く環境づくりの構築に励まれており、御苦労されているというお話を聞いてきました。また、障がいを抱える保護者の皆さんからは、育児をする上での保育先や医療費で大変困っているというお話を伺ってまいりました。
少子化が進む中で、保育現場と保護者の声を県政に反映いたしたく、以下質問をいたします。
保育施設における障がい児受入支援について。
先日、県内私立幼稚園を視察させていただき、保育現場の実情について意見交換をさせていただきました。その中で、冒頭申し上げた「気になる子」や知的障がいを抱えるお子さんの受入体制について大変苦慮されているというお話がありました。
実際に文部科学省データによると、特別支援教育を受ける児童生徒数は、平成21年から令和元年の10年間で児童生徒数が約100万人減る一方で、約2倍の29.7万人激増しています。そんな状況下で、保育現場の皆さんは子供たちに充実した保育を提供するため、国配置基準以上に保育士を加配することで対応されております。
給食の時間を現場で見させていただく中で、加配した職員はほとんど「気になる子」につきっきりで対応する状況で、しっかり子供たちに目の届く環境をつくるため、苦しい経営下でも人を雇ってやっていくしかないんだというお話がありました。また、障がい児をお持ちの保護者の方からも、預け先を探すのも、受け入れてくれる施設があるのかどうかや体制にとても不安があり、どちらかがキャリアを諦める必要があるというお考えを頂きました。
そこで、2点質問いたします。
1点目として、現状の保育現場における加配の体制状況は県として十分であると考えているのか。また、負荷を減らすために取り組むべきことがどのようなものがあるのか。幼稚園については総務部長、保育園については福祉部長に伺います。
2点目として、私立幼稚園等に給付されている私立幼稚園等特別支援教育費補助金支給額についてです。
現在、障がい児が2人以上在園で78万4,000円が支給され、人件費や設備投資などに充てることができる補助金で、国が2分の1、県が2分の1となっています。埼玉県では、国の支給がない1人受入れでも半額の39万2,000円を県独自に支給しているということは評価できますが、人件費や物価が高騰する中で、この金額ではなかなか人を雇うことが難しいという声を私は伺いました。
ニーズに合った金額設定になっているのか、現場からはどのような声が上がっているのか、総務部長にお聞きいたします。
A 三須康男 総務部長
県では、人件費や設備改修などに活用できる特別支援教育費補助金によって、私立幼稚園における障害のある子供の受け入れ促進を図っております。
また、障害の有無にかかわらず、教員を手厚く配置している幼稚園に対して運営費補助金の加算を行っているほか、園の業務を効率化して保育の質を高めるためのICT化への補助なども行っています。
障害のある子供を受け入れる幼稚園の体制につきましては、障害の程度や教員のスキルなど、個別の状況によって異なってまいりますので、一概に評価することは難しい面がございますが、こうした多面的な支援によって、受け入れがさらに進むよう、努めてまいります。
次に、「保育現場の負荷を減らすための取組」についてでございます。
ただいま申し上げましたような財源的な支援はもちろんですが、現場で大変ご苦労、また、工夫されているノウハウの共有化が重要と考えます。
現在、幼稚園から個別の相談があった場合には、参考となる事例をその都度ご紹介しておりますけれども、今後、各園の特色ある取組について研修会の場などで共有してまいります。
2点目の「ニーズにあった金額設定になっているのか、現場からはどのような声が上がっているのか」についてでございます。
子供の受入人数によっては、特別支援教育費補助金だけでは新たに常勤教員を雇用することが難しいケースも確かにございます。
一方で、この補助金は委託料や設備改修など様々な用途に幅広く活用できること、受け入れる子供の状況によって必要な費用が変わってくること、などから金額設定については様々な考え方があるものと認識しています。
また、幼稚園の現場からは、補助単価増額のほかにもご相談をいただいております。
例えば、補助金申請書類の正式な診断書が取得しづらいのでそれに代わるものを認めてほしい、あるいは年度途中入園の子供も補助対象としてほしい、といったような声などがございます。
県としてもできる限りの対応をさせていただいているところであります。
今後とも幼稚園の現場の声に丁寧に耳を傾けてまいります。
A 金子直史 福祉部長
まず、保育現場における加配の体制状況についてでございます。
本県では、保育所等において1歳児や障害児を担当する保育士を加配する場合には、県の独自事業として補助を行っています。
具体的には、1歳児については、国の配置基準6対1を4対1にした場合への補助や障害児を受け入れた場合には、障害児3人につき月額12万円の助成を行っており、これは他県と比較しても充実していると考えております。
一方で、保育士の配置基準の見直しについては、国に対して要望しているところであり、そういった意味では十分とは言えないと考えています。
次に、保育現場の負荷を減らすための取組についてでございます。
保育現場の負荷を減らすためには、保護者との連絡や園児の登降園管理などにICTを活用することが大変有効であるため、ICT導入のための補助制度の積極的な活用を働きかけております。
また、保育士がその専門業務に注力できるよう、保育補助者の配置費用の助成も行っております。
さらに、配慮が必要な子供を円滑に受け入れるために障害特性の理解と対策、食物アレルギーへの対応といった知識や技術を習得し、保育士の専門性を高める研修も実施しております。
保育現場での職員の負荷を減らすことは、誰もが安心して質の高い保育が受けられることにつながりますので、積極的に取り組んでまいります。
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