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掲載日:2024年10月17日
Q 高木功介 議員(自民)
私は、以前より教育におけるオンライン交流や動画配信の可能性について、県議会においても主張してまいりました。教育長をはじめ執行部におかれては、私が提案したように外国の教育機関とのオンライン海外交流を現在9校で実施し、そのほかにも実施を計画している学校が多数あると聞いております。
また、令和2年12月定例会で動画を県立学校の生徒に多く提供すべきとの提案に対し、著作権に抵触しないように十分配慮した上で多くの高校生が活用できる動画を収集し、配信するとの教育長答弁がありました。実際、動画配信は増えており、埼玉県総合教育センターが作成した約320本の動画に加え、約70本、学校から収集した動画が配信されていると承知しています。
確かにコロナ禍で動画やオンライン化が一気に進み、更にGIGAスクール構想なども始まったばかりで、小学校から大学まで手探りの状態です。しかし、このことは本県が動画やオンライン化の先進県になるチャンスであると言えます。
ただ、現在本県が配信している動画を見ると、まだ課題が多くあります。動画配信をするに当たり重要なポイントは、科目ごとに動画作成のコンセプトを定めておくことです。動画を活用した教育者で有名な葉一氏は、1人で動画を作成しているため統一感があります。しかし、多くの教員が経験や個性を生かして作成した動画は、単に一か所に集める手法だと個々の教員の配属校の事情や経験により統一感がなくなり、実用に耐えられない可能性が出てきております。
そこで、動画作成がうまい教員を発掘するための動画作成コンテストの開催や、配信されている動画の評価が高かった教員に動画作成をしてもらい、動画作成の指導者になってもらうことが動画配信発展の大きな力になると考えます。こうした分かりやすい動画は、児童生徒のみならず他の教員の指導への参考になるものであり、正に一石二鳥だと思いますが、動画作成のうまい教員を動画作成の指導者にすることについて、教育長の答弁を求めます。
また、動画配信がなかなか進まないのは、教科書の著作権があるためと承知しています。我々は、これまで教科書ありきの学習をしてきていました。しかし、そもそも動画やオンライン教育に教科書は必要でしょうか。私は、実際にオンラインや動画の講義を日々受けていますが、教員が作成した補助プリントを単元ごとにPDFファイルで配布すれば、必ずしも必要でないと感じています。
また、プリントも使用せず、教員が自作の手持ち資料を画面上で共有したり、板書を中心に授業を進めたりしても、生徒が必要に応じてプリントスクリーン機能を用いて撮影すれば、時間短縮となるばかりか授業の内容も十分に復習できます。さらに、動画は対面の授業ではなかなか提示できない画像なども共有できることから、大変優れた点があります。
動画配信やオンラインの可能性は無限大です。教え方がうまい教員の動画を埼玉県どころか世界に発信することで、我が国で大きな課題になっている教員の残業時間削減及び教員の負担軽減につながると考えております。加えて、時間に余裕ができ、教員のサポートやケアが必要な生徒に更に寄り添った教育ができると考えます。こうした新時代に即した教育を本県が行い全国に指導することは、優れた教育機関と優れた教員がたくさん在籍している本県ならできることであると信じております。
こうした点を踏まえて、新時代に即した動画オンラインを活用した教育を提案したいと考えますが、県でオンライン学習コンテンツを作成し共有することについて、教育長の答弁を求めます。
A 高田直芳 教育長
「動画作成の上手い教員に動画を作成してもらい指導者とすることについて」でございます。
今回のコロナ禍のように、児童生徒が家庭での学習を余儀なくされる場合において、学びを保障するために、動画によるオンライン学習を行うことは、大変効果的な取組であると認識しております。
そのため県では、各県立高校で作成した多くの学習動画のうち、他校においても共通して活用できると思われる77本の動画の他、県立総合教育センターが作成した動画を含め、現在センターのウェブサイトには高校向けに合わせて399本、小中学校向けに332本、合計731本の動画を公開しております。
公開した動画の中には、児童生徒が学びやすいよう、教え方や教材の提示方法などで工夫がなされている動画も一定程度あるものの、作成のコンセプトや統一感などで課題があるものもございます。
議員御提案のとおり、優れた学習動画を作成できる教員を指導者として活用することは、児童生徒や教員にとってまさに一石二鳥の取組であると考えます。
そこで今後、こうした教員を動画作成の研修会の講師として活用するなど、教員の動画作成スキルがより一層向上するよう取り組んでまいります。
次に、「県でオンライン学習コンテンツを作成し共有することについて」でございます。
議員御提案のオンライン学習コンテンツを県で作成し、共有していくことは、学習の質の向上につながるとともに、教員の負担軽減にもつながる取組であると考えます。
引き続き県や学校が作成する学習コンテンツの内容の充実を図るとともに、学校の授業や家庭学習においてそれらを共有するなど、時代に即したオンラインを活用した教育の充実に積極的に努めてまいります。
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