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掲載日:2023年12月18日
Q 村岡正嗣 議員(共産党)
文化・芸術分野は、コロナ危機で大きな打撃を受けました。イベントは再開されましたが、第3波といえる感染拡大で今後の活動が懸念されます。文化芸術基本法は、文化芸術を創造し、享受し、文化的な環境の中に生きる喜びを見出すことは、人々の変わらない願いであるとうたっています。
私は先日、埼玉県が11月から来年3月まで、さいたまアート・フェスタを実施していると知り、埼玉会館で開催された「Hello!オーケストラファミリーコンサート」に行ってきました。消毒、検温、時間差退場などコロナ対策がとられていました。夕方5時からのコンサートに思いのほか小さいお子さんが多いのに驚きました。開演前のざわつきも演奏が始まった途端に静まり返り、楽器紹介のときには身を乗り出して、目を輝かせて聞いてきました。アンコールでは会場が一体となって手拍子に包まれました。「楽しかったね」「来て良かったね」、母子の会話が聞こえました。大人も子供も演奏家も、こういう機会を待っていたのです。会場全体に喜びがあふれていて、私は胸が熱くなりました。コロナ禍であっても文化・芸術が必要とされていることを目の当たりにしました。
そこで伺います。
文化・芸術の灯を消してはならないという知事の決意をお示しください。また、超党派の国会議員による文化芸術振興議員連盟などが国へ要望している文化芸術復興基金の創設を本県からも強く求めていただきたい。答弁を求めます。
ある劇団では、18年続けてきた平和をテーマにした朗読劇を今年は断念しようとしたが、やってほしいという強い要望に応え、1日だけの2公演を実施したそうです。入場者は2回合わせて50人、3密対策のために観客に対してフェイスシールドを準備し、出演者にはPCR検査を自費で行ったそうです。学校公演を手掛けている別の劇団では、遠くの学校から是非来てほしいの要請に悩んだ挙げ句、上演を決めました。本来なら、全校生徒で観てもらう劇を学年ごと3回に分けて上演したため、財政負担は大きかったそうです。しかし、生の舞台に触れた子供たちから、まだまだ観ていたいなと、芸術観賞会が終わっても思っていましたなどのたくさんの感想文が送られてきて、それに励まされ、次の舞台の準備に入ったそうです。
そこで、県として是非実施していただきたいのは、フリーランスの芸術家や劇団、オーケストラなどにとっての練習や打合せのための会場の使用料負担への支援です。文化・芸術活動の支援策として、県有の施設も使用料を減免していただきたい。また、コロナ禍でオンラインによる舞台鑑賞等が行われていますが、県としてもこうしたオンラインによるイベントを企画して文化・芸術団体を支援していただきたい。県民生活部長より御答弁ください。
A 大野元裕 知事
文化芸術の灯を消してはならないという決意についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の影響で、県内のホールでは予定されていた公演の中止や延期、入場制限が行われるなど、文化芸術分野は停滞を余儀なくされています。
一方、本年7月に県が県民を対象に実施した調査によれば、約8割の方が「コロナ禍でも文化芸術が必要だ」と回答をされておられます。
私は、先行き不透明なコロナ禍の今だからこそ、人々に感動や安らぎを与え、心を支える文化芸術の役割は極めて重要であり、人々の期待も一層強まっていると確信をいたしました。
新型コロナウイルスに関する知見が集積されつつある現在、感染症対策を徹底することで、文化芸術鑑賞など人々の心の火を灯
し続けることは可能です。議員お話しのファミリーコンサートも、入場時の体温チェック、手指
の消毒、マスクの着用、十分な換気などの感染対策を徹底的に行い、結果として多くの皆様に御満足をいただけました。また、これまで大宮公園で開催していた和文化の総合イベント「埼玉WABI SABI大祭典」も、今年は11月22日に、スタジオからの中継と動画を組み合わせてオンラインで発信し、約1万5,000回もの視聴をいただいたところです。
引き続き、コロナ禍にあっても、徹底した感染防止対策を図りながら、オンライン等
の手段も活用して、しっかりと文化芸術の発信を続けてまいります。次に、国に対して「文化芸術復興基金」を創設するよう強く求めることについてでございます。
本年5月、国会の超党派の文化芸術振興議員連盟は、新型コロナウイルス感染拡大により苦境に陥っている文化芸術関係者を支援するため、政府に対し要望を行いました。
内容は、総額500億円規模の緊急支援策の実施と、文化芸術を復興するための基金の創設の2本柱であります。
このうち緊急支援策について、政府は本年6月の第2次補正予算で総額560億円の支援策を創設し、申請者が利用しやすいように制度の改善を図りながら、現在、第4次の募集を進めています。
また、基金の創設につきましても、本年5月、「文化芸術復興創造基金」を創設し、現在民間からの寄附を募っているところと伺っております。
今後、政府はこの基金を活用しながら文化芸術活動を支援していくとの方針を示しておりますので、県としてはその動向をしっかりと注視してまいります。
A 山野均 県民生活部長
県有施設の使用料を減免して文化芸術活動を支援することについてです。
新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、文化芸術団体の皆様には感染症対策を徹底し、出演者と観客双方の安全を確保しながら活動していただいております。
このような継続的な活動は、本県の文化芸術の灯をともし続ける大きな力となっております。
そこで、県では文化振興基金を活用してこれらを支援しているところです。
今年度はコロナ禍の状況を踏まえ、これまで2回であった募集期間を3回に増やすとともに、会場使用料にも活用できる助成金を70団体に交付決定いたしました。
また、国においても本年6月に様々な文化芸術団体やフリーランスの芸術家なども活用できる総額560億円の支援策を創設し、現在も申請を受け付けているところです。
議員からは「県有施設の使用料を減免すべき」との御提案をいただきましたが、県としては、まずはこの支援制度を積極的に活用していただくとともに、関係者の御相談にもきめ細かく対応して、文化芸術活動を支援してまいります。
次に、オンラインによるイベントを企画して文化芸術団体を支援することについてです。
県ではコロナ禍においてインターネットで配信するオンライン開催を、新たな文化芸術の発信方法と位置付けて取り組んでおります。
そのモデル的な取り組みとして、本年11月22日、和文化の総合イベント「埼玉WABI SABI大祭典」をオンラインで開催いたしました。
特設ウェブサイトでは、獅子舞や歌舞伎、書道、生け花、和楽器演奏など17のパフォーマンスを、生ライブと事前収録を織り交ぜて配信し、現在もアーカイブで視聴することができます。
これまでのアクセス回数は5万8,000回、動画の再生回数は1万5,000回と高い関心をいただいております。
オンライン開催は、出演者の方には広く発表できる機会を確保することができ、観客の皆さんには安全にいつでもどこでも何度でも鑑賞できる、自由度の高い安全な情報発信方法です。
今後とも、オンラインならではの強みを生かす発表機会を拡大、拡充して、文化芸術活動をしっかりと支援してまいります。
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