トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年9月定例会 一般質問 > 令和2年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(金野桃子議員)
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掲載日:2024年10月8日
Q 金野桃子 議員(県民)
7月に、私たち無所属県民会議は、県立高校で教育相談をされている先生から、コロナ禍における学校の現状と就職についてお話を伺う機会がありました。先生によれば、母子家庭で母親と暮らすある男子生徒は、コロナにより母親が解雇されたため、学校を辞めてアルバイトに専念せざるを得ないと悩んでいるそうです。涙ながらに話す先生の姿に、私は胸の締め付けられる思いがしました。
東京新聞によれば、埼玉県高校教育指導課の担当者は、本格的な就職活動までは期間があるとし、進路面で影響はないと見解を示しました。また、新型コロナウイルス感染症対策特別委員会の説明資料によれば、高校中退について記載がありませんでした。県教育委員会の調査によると、県立高校における昨年度1年間の中退者は1,284人でした。7月末時点の中退者数と比較すると、昨年度は179人であったのに対し、今年度は82人、その内訳としては進路変更が54人から32人へ、学校生活・学業不適応が99人から25人へ、その他転居等が26人から25人へと、それぞれ減少しているとのことでした。
確かに県教育委員会としても種々取組をされていらっしゃると思いますし、実数自体は減っています。しかし、実数が減ったのは、これまで最も人数の多かった学校生活・学業不適応、つまり学校に合わなかったことを理由とする退学が、今年はコロナの影響でそもそも登校できていないために減ったと推測できます。誰も取り残さないためにも、本人の意に反する中退はゼロを目指し、実数には表れていない中退に追い込まれている声なき声に寄り添うべきと考えます。
そこで、以下四点を教育長にお伺いします。
一点目、コロナの影響により中退に追い込まれている生徒がいないか、実態把握をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
二点目、就職をサポートする職員やスクールソーシャルワーカーの加配ができないでしょうか。
三点目、山形県や佐賀県などではWEB合同企業紹介会、オンライン就職活動支援、就職支援担当教員及び連携コーディネーターの確保等を行っているとのことですが、埼玉県でも同様の取り組みを行うことはできないでしょうか。
四点目、就職支援についてです。国は、家庭と教育と福祉の一層の連携等の推進が必要であり、社会参加に至るまで切れ目ない支援が受けられる支援体制の整備を求めています。就職先が決まったら終わりではなく、ハローワークと連携するなど、卒業後の定着支援もしっかりと行う必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
以上四点、教育長にお伺いします。
A 高田直芳 教育長
まず、コロナの影響により、中退に追い込まれている生徒がいないか、実態把握をするべきについてでございます。
議員御指摘のとおり、中途退学者の実態の把握は重要であることから、県立高校について調査を行ったところ、7月末までの中途退学者は82人であり、昨年度と比較し減少しております。
その内、新型コロナウイルス感染症の影響により中途退学に至った事例がないか、各学校に対し、聞き取りを行いました。
その結果、7月末時点では、コロナウイルスの影響により、中途退学に至ったと認められるケースは確認されませんでしたが、今後も、生徒に寄り添った適切な支援となるよう、実態の把握に努めてまいります。
次に、就職をサポートする職員やスクールソーシャルワーカーの加配についてでございます。
就職支援が必要な県立高校には、生徒のキャリアカウンセリングや面接指導を行うため、民間企業の経験者や社会福祉士などの資格を持つ就職支援アドバイザーを配置しております。
また、家庭環境などに課題を抱える生徒が多い学校には、生徒や保護者を福祉や医療の支援に結びつけることや、学校と関係機関の円滑な連携を支援するため、スクールソーシャルワーカーを配置しております。
就職支援アドバイザーやスクールソーシャルワーカーの役割は、学校全体で行うべき支援を専門的な立場からサポートするものであり、その役割は現状の配置により、効果的に活用できているものと考えております。
今後も、支援の充実が図れるよう、適切な活用や配置の工夫に努めてまいります。
次に、山形県や佐賀県などと同様の取組を行うことはできないかについてでございます。
今年度は新たな取組として、求人がない企業等に教育局の担当者が直接、雇用確保を要請し、求人を増やしていただいた企業もございます。
また、埼玉労働局と連携し、県内企業の採用情報に関するガイドブックを全ての県立高校に配布すると共に、生徒が企業の人事担当者から直接、会社の説明を受ける機会も複数回設けるなどの取組も行っております。
今後も、他県の事例などを参考にしながら、積極的な就職支援に取り組んでまいります。
次に、家庭と教育と福祉の一層の連携を進めると共に、卒業後の定着支援をしっかりと行う必要があると考えるがいかがかについてでございます。
県では、内定者フォローアップ講習会の中で、卒業後に、仕事における様々な悩みを相談できるヤングキャリアセンターなどを紹介し、職場定着の支援をしております。
また、学校の進路担当者が、就職未内定者や早期に離職した卒業生の情報を、ハローワークの就職支援担当者と共有する等の連携を図り、個別支援に努めております。
さらに、教育と福祉の連携を一層進めるため、今年度からは、学校の進路担当者を対象に、福祉の知見を有した外部人材を講師とした研修会を、新たに実施することといたしました。
今後とも、職場定着までの切れ目ない支援ができるよう、ハローワークを含めた外部機関と積極的に連携してまいります。
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