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掲載日:2023年5月8日
Q 内沼博史 議員(自民)
本県の下水道は、県が複数の市町の公共下水道とつないで下水をまとめて処理する流域下水道、流域下水道につながる流域関連公共下水道、下水の処理まで市・町・組合が一貫して行う単独公共下水道の3つに分類されます。これらの下水道は、目に見えにくい存在ですが、県民生活にとっては欠かすことのできない重要なライフラインです。
一方で、今後人口減少や節水機器の普及、節水意識の向上により、収入の源となる処理水量が減少していくなど、厳しい財政状況の下でも施設の老朽化対策や地球温暖化対策、経営の健全化など、様々な課題に取り組んでいかなければなりません。
平成28年12月議会において、私は、単独公共下水道の下水汚泥の共同処理化の進捗状況と、市町村への技術提供などの更なる支援について質問をしました。下水道事業管理者からは、単独公共下水道の下水汚泥の共同処理化や、市・町の公共下水道に老朽化した農業集落排水を取り込む広域化などを積極的に支援していくとの答弁をいただきました。さらには、埼玉県市町村、公益財団法人埼玉県下水道公社による下水道事業推進協議会が核となり、市町村支援に積極的に取り組んでいく旨の答弁もいただきました。
さきにも述べました流域下水道は下水道局が、公共下水道は都市整備部が所管していますが、私の地元飯能市などのような流域に接続していない市の単独公共下水道地域については、処理場の整備に対する交付金の国費率が低く、広域的なスケールメリットも望めないため、一層の支援が必要です。そのためには、下水道の現場を担う下水道局には、所管を超えて市町村支援に力を入れていただきたいと考えます。
前回の質問から2年弱が経過しており、具体的な成果が出始めているものもあると思います。また、西日本豪雨や北海道胆振東部地震など、頻発する災害への対応や、職員の不足に悩む市町村への支援なども新たに求められるのではないでしょうか。
そこで、現在までの県の支援の取組の状況や今後の展開について、下水道事業管理者にお伺いします。
A 粟生田邦夫 下水道事業管理者
まず、「現在までの取り組みの状況」についてです。
下水道局では、公共下水道事業に共通する課題や広域的に対応すべき課題などで、流域下水道事業の課題と相互に通じるものを中心に積極的に支援を進めています。
例えば、単独公共下水道の汚泥の共同処理化については、東松山市、羽生市、坂戸、鶴ヶ島下水道組合の汚泥を流域下水道の焼却炉の運転余力を活用して処理する取組みを今年度から開始しました。
また、農業集落排水施設を公共下水道へ接続する広域化については、久喜市、深谷市が平成32年度、美里町が34年度の実施に向けて準備を進め、下水道局では管渠の延長や法令上の手続きの支援等を進めています。
災害対策については、下水道局が中心となって関係団体と「下水道管路施設の復旧支援協力に関する協定」を締結するとともに、市街地での溢水を想定した実動訓練や、ロールプレイング方式の図上訓練を実施しています。
このほか、県下水道公社でも現在までに培った様々な経験やノウハウを活かし、積極的に市町村支援に取り組んでいます。
例えば災害対策では、昨年度は羽生市と松伏町で処理場における初動対応訓練や緊急点検訓練などの支援を実施しました。
また、技術支援では、3年で故障した設備の修繕見積りが高額であるとの相談を受けた際に、原因が構造上の欠陥にあることを現場で確認し、無償で修繕された例もあります。
さらに、3月には定款を改正し、市町村支援に取り組む姿勢を明確にしました。
次に、「今後の展開」については、下水汚泥の共同処理化について、飯能市を始め希望がある他の9団体と調整を進めるほか、流域下水道及び公共下水道を通じて、災害対応能力を強化してまいります。
また、市町村が抱える様々なニーズに即したオーダーメイド型の新たな支援の取組についても、下水道局が事務局を担う下水道事業推進協議会を核として、下水道公社や関係部局と一体となって推進してまいります。
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