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掲載日:2024年10月8日
Q 内沼博史 議員(自民)
今年の夏は全国的に異常な猛暑が続き、東日本の平均気温は統計開始以来最も高く、西日本においても2番目の猛暑となりました。埼玉県においても熊谷市で観測史上最高の41.1度を記録するなど、県内各地で40度近くを観測しました。それに伴い、全国で7月に熱中症により救急搬送された人は5万4,220人に上り、教育現場においても熱中症で倒れた児童生徒もいたと聞いています。
そこで、埼玉県の小中学校、高校において、児童生徒や教職員の熱中症の状況と対策について教育長にお伺いします。
今年の6月議会において、我が党の齊藤邦明議員の一般質問で指摘を受け、県は今議会の補正予算で、普通教室にエアコン未設置の県立高校に7校にエアコン設置の予算を計上していただきました。また、政府は来年夏までに全ての公立小中学校にエアコンを設置するため、予算措置を図る方針を固めたとの新聞報道もありました。全国の理科室などの特別教室を含む教室のエアコン設置率は、平成29年4月時点で41.7%で、最高は香川県の92.3%、埼玉県は58.9%ということです。この政府の方針を踏まえ、県内公立小中学校のエアコン設置について、来年度に向けてどのようにお考えか、教育長にお伺いします。
教室におけるエアコン設置については、高校、小中学校ともに設置の方向性が見えてきましたが、体育館についてはいかがでしょうか。県立高校、公立小中学校においては、ほとんどの学校で設置されていないと聞いております。
体育館の夏場の暑さは尋常ではありません。しかしながら、部活動や体育の授業、室内での集団活動など夏場でも体育館は使用され、地域のスポーツイベントなどでも使用されています。また、災害時の避難場所として、体育館が指定されている自治体も多くあります。今年の災害においても、その暑さ対策で悩まされた自治体もありました。体育館にエアコンが設置できれば一番良いのですが、それには多くの予算も時間もかかることが予想されます。しかし、このままというわけにはいきません。県内公立学校では、独自に体育館の暑さ対策を行っているところもあると思いますが、県において主体性を持った取組が必要なのではないでしょうか。
そこで提案ですが、体育館の屋根に遮熱塗装を施し、室内温度を下げる工夫をしてはいかがでしょう。
私は先日、同僚の杉島県議と県内の物流、運輸関係の会社にお伺いし、省エネや職場環境への取組を視察させていただきました。その一つとして、会社の倉庫の屋根に自動車メーカーのベンチャー企業が開発した遮熱効果の高い塗料を塗装し、その温度抑制効果を図る取組を伺いました。その効果検証において、施工前と施工後で屋根裏温度が15度低下し、室内温度は7度低下しました。施工前は室内温度が外気温よりも高かったが、施工後は外気温よりも低い温度になったということで、職場環境の大幅な改善が図られたと同時に、省エネにもつながったということでした。私も当日、屋根に上り、当日は30度を超えており、塗装を施していない屋根には触ることができませんでした。塗装を施した屋根には触ることができました。
このような遮熱性の高い塗料を施工することにより、体育館の省エネ効果も伴う暑さ対策が図れるのではないかと考えます。この遮熱塗装による体育館の暑さ対策を含め、県立高校の暑さ対策について、教育長の御所見をお伺いします。
A 小松弥生 教育長
まず、児童生徒や教職員の熱中症の状況についてでございます。
7月から9月までの県教育局に報告のあった児童生徒の熱中症や熱中症の疑いによる救急搬送は23件で31人です。
救急搬送の多くが部活動や体育の授業など運動中によるもので、21件27人でした。その他、終業式や下校中の救急搬送が2件4人でした。
なお、教職員につきましては、報告を受けておりません。
熱中症対策につきましては、5月から8月にかけて合計10回にわたり熱中症事故の防止についての通知を県立学校や市町村教育委員会に発出し、繰り返し注意喚起を行いました。
また、熱中症が予想される日には保健医療部が「熱中症注意喚起メール」を発信しますので、メールを県立学校に転送する形で熱中症による健康被害の発生防止を図りました。
さらには、今年の夏は猛暑が続いたため、8月2日に気温が35度以上になった際は勇気をもって部活動を中止することなどを盛り込んだ「熱中症に関する緊急メッセージ」を発信したところでございます。
次に、「政府の方針を踏まえ県内公立小中学校におけるエアコン設置について、来年度に向けてどのように考えているか」についてでございます。
国では、エアコン設置を含む施設整備費として、来年度概算要求に今年度予算の約3.6倍となる2,432億円を計上しております。
県といたしましては、国において、必要な財源がきちんと確保されるよう、引き続き、強く要望するとともに、市町村に対し、国の補助制度について情報提供し、エアコン設置が円滑に行われるよう支援してまいります。
最後に、「遮熱塗装による体育館の暑さ対策を含めた、県立高校の暑さ対策」についてでございます。
現在、県立高校の体育館にエアコンはございませんが、139校のうち133校では、大型扇風機や、水が蒸発する際に気化熱を奪う性質を利用した「冷風扇」を設置するなどの暑さ対策を講じているところでございます。
お話のありました遮熱効果の高い塗装については、暑さ対策の一つの方法となりうるのではないかと存じます。
来年度実施する体育館の大規模改修工事の中で試験的に実施し、費用対効果を確認してまいります。
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