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掲載日:2024年10月8日
Q 内沼博史 議員(自民)
我が国において認知症高齢者は500万人いると言われ、今後更に増加することが見込まれ、2025年には700万人前後になり、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。このようなことから、国では、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)において、認知症の人が住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けるために、7つの柱に沿って施策を総合的に推進していくこととしています。
認知症への理解を深める普及や啓発、医療・介護の提供や、認知症介護者への支援等は、重要な施策だと思います。そこで、県は認知症対策に現在どのように対応し、今後どのように取り組んでいくのか、福祉部長にお伺いします。
また、認知症の方や介護者への支援と併せて、認知症になる人を少しでも少なくすることも今後ますます重要になってくるのではないかと考えます。認知機能低下の予防には、有酸素運動と認知課題を同時に行うデュアルタスク運動が効果的と言われており、数あるスポーツの中でもゴルフは正にその要素が組み込まれたスポーツということで、国立長寿医療研究センター、東京大学、杏林大学、ウィズ・エイジングゴルフ協議会が一つになり、ゴルフによる認知機能低下の予防効果の検証を行いました。
日高市にある日高カントリークラブにおいて、習慣的に運動していない高齢者を対象に、ゴルフを実施するグループと実施しないグループに分け、平成28年10月から6か月間にわたり、ゴルフを実施するグループは週1回のゴルフ練習、実施をしないグループは90分間の健康講座を2回行い、実施前後の認知機能検査等の検査を行った結果、ゴルフを実施しないグループにおいては変化が見られませんでしたが、ゴルフを実施したグループにおいては、単語記憶能力が6.8%、物語を覚える論理的記憶能力が11.2%向上した結果が得られたということです。
このように、ゴルフを行うことにより、身体面では自然の中を歩くことでバランスや体力などの向上による健康増進、認知領域においては、スコアを数えたりコース戦略を考えたりすることによる記憶力の向上、他のプレイヤーとの交流によるコミュニケーション能力の向上など、様々な効果が期待できるのではないかと考えます。また、もっと身近なスポーツでは、最近多くの高齢者の方がプレーしているグラウンドゴルフにおいても、同じような効果が得られるのではないかと思います。
埼玉県にはゴルフ場も多く、2020年の東京オリンピックでは、霞ヶ関カンツリー倶楽部でゴルフ競技も開催されます。また、グラウンドゴルフ愛好者も各地に多くおられます。このような環境の埼玉県において、ゴルフやグラウンドゴルフを通じて高齢者の認知症予防や健康づくりを推進してはいかがかと考えますが、福祉部長の御所見をお伺いします。
A 知久清志 福祉部長
まず、認知症対策についてでございます。
県では、認知症について正しく理解し、認知症高齢者やその家族を地域で支える応援者となる認知症サポーターの養成に力を入れております。
平成29年度末までに40万人を養成する目標を達成しました。
今後、平成32年度末までに56万人の養成を目指して取り組んでまいります。
また、認知症の方や御家族、地域の方など誰でも気軽に参加し、悩みを相談できる「オレンジカフェ」の取組を進めてまいります。
平成29年度末で、61市町村365会場で運営されていますが、全市町村での開催に向け働き掛けるとともに、内容の充実が図られるよう好事例の発信など情報提供に努めてまいります。
さらに今年度から、家族負担の軽減や虐待防止を図るため、家族の方から認知症介護の方法などについて相談を受ける窓口の設置を進めています。
今後も、認知症高齢者にやさしい地域づくりを推進するため、認知症への理解促進や家族介護者への支援などに市町村と共に積極的に取り組んでまいります。
次に、ゴルフやグラウンド・ゴルフを通じて高齢者の認知症予防や健康づくりを推進することについてでございます。
認知症については、残念ながら未だその病態解明は不十分であり、根本的治療薬や予防法は確立されていません。
しかし、議員お話のゴルフやグラウンド・ゴルフのように、適度な運動と頭を使う活動を併せて行うことは、認知症予防や健康づくりに効果があるといわれています。
ゴルフやグラウンド・ゴルフ、ウォーキング、ラジオ体操など自分の体力に合わせて仲間と交流しながら楽しく体を動かすことが、健康の維持、認知症予防を含む介護予防には大切です。
県といたしましては、認知機能低下の予防につながる可能性が高いと言われる適度な運動、頭を使う活動、人との交流の大切さを啓発し、高齢者の認知症予防や健康づくりにしっかり取り組んでまいります。
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