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掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(鈴木正人議員)

民泊に関する問題点について

Q 鈴木正人議員(県民

民泊とは、読んで字のごとく民家に泊まることであります。最近増えているのはホテルや旅館のような宿泊の対価を支払って泊まる民泊であります。増加の背景には、代表的な民泊仲介サイト「Airbnb」などインターネットの仲介サービスの存在が影響していると言われております。「Airbnb」は現在190カ国以上で150万を超える部屋が登録されており、最近日本でも利用者が増えているとのことであります。同社自体は宿泊施設を持っておらず、あいた部屋、使っていない別荘などをマッチングさせ、部屋を提供するホストからは宿泊料の3パーセント、ゲストからは6パーセントないし12パーセントの手数料を取り、それが同社の収入になるという仕組みであります。
上田知事も自らのブログの中でこのような民泊ビジネスについて、空いている部屋や容量、時間を生かしたビジネスを総称してアイドルエコノミーと言って紹介し、「これまでの業界の常識を打ち破る発想に驚かされる、すごい」と評価をされております。
急激に増える外国人観光客への対応や、2020年のオリンピック開催による懸念されている宿泊先不足の解消を期待する一方で、この民泊ビジネスは世界中の不特定多数が利用できる状況下ですので、全てが宿泊目的の観光客なのか分からず、犯罪行為が行われる可能性も否定できません。顔の見えないインターネットだけの利用だけに誰が使うのかも、何が起こるのかも、予想の範囲内におさまらないのが民泊ビジネスであります。
現在の民泊のように宿泊場所を提供するだけの無制限の営業を許すと、国外から持ち込まれた感染症の媒介、犯罪行為の温床などにつながるとも言われております。また、民泊ビジネスは旅館業界にとっても大きな痛手となると言われ、もともとコストが旅館業と民泊では桁違いであり、防災、衛生、安全面で一定条件をクリアしないと許可を受けられない旅館業が民泊に不満を持つのは、当然のことと言えると思っております。
旅館業の意識があって行われる民泊も、知らないで行われる民泊も法律上の刑罰は同じで、6か月以下の懲役刑又は3万円以下の罰金刑となります。法的には限りなく黒に近いグレーな存在が多いにもかかわらず摘発されないのは、違法性が高いが完全な違法だと判断できるレベルまで有償の民泊が常時行われている事実の把握と、所有者を特定するには相当な時間がかかることや、民泊によって受けている経済効果が摘発で失われる影響を考慮している点もあるからだと考えられております。
今現在は個人のお小遣い稼ぎ、脱法的荒稼ぎが民泊のメインであることは否めません。大家に無断でマンションの一室を使い、ごみや騒音などの問題がモラルの欠けた状態で頻発し、死亡事故も起こって、役所や管理会社などへの苦情も増えてきている事実があると伺っております。
しかし、インターネットを利用した新たな民泊ビシネスは旅館業法の想定外でしたが、新たな消費を生み出す可能性がある点や宿泊施設不足が外国人旅行者の増加にブレーキをかける点を考慮し、単に違法とするわけにもいかなくなったので、規制緩和の方向で政府も動いており、一定の規則を認めていくという形で我が国としてのルールを作っていくのだと考えております。また、世界では都市ごとにルールを作っており、都市によっては年間の貸し出し日数の制限や無届けの貸出し禁止、1か月未満の短期貸出し禁止などという場所もあります。
いずれにいたしましても、今の法的に限りなくグレーのまま放置するのではなく、国や自治体は民泊ビジネスに対して一定のルールづくりをすることで、周辺住民への安心安全の確保や衛生面の問題を一定程度クリアし、旅館業法を遵守している既存の旅館業との共存も図っていくことが必要だと考えますが、上田知事の御所見と今後の県の対応についてお伺いいたします。 

A 上田清司 知事

訪日外国人の増加に伴い、東京や大阪を中心に宿泊需要が急増しており、宿泊施設が不足する状況が見受けられます。
こうした中で、インターネットの仲介サービスを利用し、個人が自宅の一室やマンションの空き部屋などに他人を宿泊させる、いわゆる民泊ビジネスが広がりを見せております。
我が国では個人が自宅などに宿泊させる場合でも、反復継続して有償で部屋を提供する場合には、原則として旅館業法に基づく許可が必要になっております。
なお、宿泊情報のみを提供する仲介サイトについては、旅館業法は適用されていません。
観光立国を目指して東京オリンピック・パラリンピックを4年後に控える我が国にとっても、我が埼玉県にとっても、増大する宿泊需要に対し、民泊活用の議論は避けて通れないと思っています。
一方、御指摘のありましたように、民泊の活用にあっては、経済効果の観点から緩和すべきものと、安全確保や感染予防の観点から規制すべきもの、双方のバランスを取りながら、ルールづくりが必要だと思っております。
国家戦略特区制度を活用して、民泊活用の拡大を目指す大田区の取組についても、現時点での申請は2件にとどまっているという現況は正にそのことを物語っているわけであります。
こうした中、国では厚生労働省や国土交通省が中心となり有識者会議を設置し、民泊に関する検討が始まっており、年内を目途に方針が示される予定です。
有識者会議では、ネット仲介サービスについても検討課題としており、今後は旅館業法を見直し、民泊に関する新たな制度を創設することも検討されると伺っております。
こうした状況を踏まえ、県では、今後予定される旅館業法の改正と整合を図りながら、関連する条例等を改正する方向で検討しなければならないと思っております。
民泊の在り方については、私は慌てることなく、国の方針が示された際に、迅速かつ的確に対応すればいい、このように考えております。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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