トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年2月定例会 > 平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (山川百合子議員)
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掲載日:2023年5月16日
Q 山川百合子議員(民主・無所属)
提案されている予算案では、不妊治療費助成事業の拡充として約15億2,000万円が計上され、そのうち、ほぼ99パーセントは特定不妊治療に係る助成費です。厚生労働省は、先月成立した平成27年度補正予算で、男性の不妊治療に対して15万円を上限に助成を始めました。埼玉県では既に1年遡り、平成26年度の補正予算において男性不妊治療費の助成制度をスタートしており、私たちの会派からの提案を知事が真摯に受け止め、政策的な必要性を認識し、スピード感を持って対応していただいたことに心から感謝をしております。そして、埼玉県の取組が国を動かした実例として誇らしく思っています。
さて、この男性不妊についてですが、WHOによれば不妊原因の約半数が男性にあるのですが、この男性不妊について、日本ではまだまだ認識されていません。加えて、男性不妊を扱う医療機関が極めて少ないという問題もあります。県の男性不妊の助成制度を利用した方は、埼玉県全体で23人に限られています。国に先んじてこの課題に注目し、先進的に取組を始めた埼玉県です。是非、新年度は男性の気づき、認識を広めること、検査、治療への心理的、物理的障壁を取り除くこと、そして助成制度が十分利用されるよう、国に先駆けて取り組んでいただきたいと思います。知事の御決意を伺います。
インターネットの情報検索サイトに、「埼玉県 不妊」とキーワードを入れますと、トップページにヒットするのは、県の特定不妊治療助成制度のサイトです。これは東京、神奈川、千葉ほか、多くの県について同様です。しかし、埼玉の場合は、助成制度と並んで、県が熱意を傾注して作成し配布している「願うときに『こうのとり』は来ますか?」の冊子がヒットします。他県については、このようなことはありません。埼玉県の熱心な取組が、こういうところにも象徴的に表れているのだと大変うれしく感じています。
そこで、更に新年度においては、不妊という切り口にとどまらず、不妊を認識していない若いカップルをはじめ、県民全体についても、不妊は30代後半以降の女性だけの問題ではなくて、男性も、また若い人たちも、現代を生きる多くの人々の複合的な課題なのだという正しい知識を更に啓蒙、啓発していく必要があります。不妊は認識力の問題だとも言えるでしょう。今後、更なる取組が必要です。冊子の活用はもとより、より波及的な取組に向けた知事の御決意をお伺いをいたします。
A 上田清司 知事
まず、男性の認識を広め治療への心理的障害などを取り除き、男性不妊の助成制度の利用を拡大することについてでございます。
県では国に先駆けて、平成27年度から男性不妊治療費への助成を開始いたしました。
しかし、制度の利用者が想定よりもかなり少なかったことも事実であります。
不妊の原因の半分が男性側にあるという事実が、まだあまり知られてないことなどが影響しておりますし、男性不妊治療費の助成について、関東知事会を始め、あらゆる機会を捉えて国に要望してきたところでもございます。
その結果、平成27年度の補正予算で国が助成を始めました。
国が、やはり男性不妊治療費の助成を始めることそのものは多くのメディアで取り上げられてきましたので、認識が一変する可能性はあるのかなというふうに期待しているところでございます。
ただ、まだまだ男性側に不妊についての当事者意識が薄い面が見られるというのはアンケートなどで明らかになっています。
また、羞恥心などから検査に対する抵抗感を持つ方もおられるようです。
こうした男性の意識を変えていくことも重要だと思います。
県のホームページやパンフレット、ポスターなど様々な媒体の広報を通じて、男性不妊の知識の普及を図って、より適切な不妊治療に結び付けていきたいと考えます。
次に、若い世代をはじめ県民全体に対しての妊娠の正しい知識の普及についてでございます。
年齢が高くなるほど流産や子供の染色体異常などのリスクが高まることなどを、若い時期から知っておくことが重要でございます。
そこで、県では若い世代に親しみやすいマンガ形式の冊子を8万4,000部作成し、この冊子を県内の中学校、高校に配布し、保健教育の場で活用していただいております。
また、冊子の配布方法についても、全ての市町村の御協力をいただき、婚姻届を提出する方が市民課などの窓口で受け取れるようにしております。
今年は、市町村の成人式で冊子の配布を呼び掛けたところ、25の市町の成人式で配布していただくことができました。
今後は、結婚後より早く不妊の可能性について学ぶことが可能になるような仕組みなどについて検討してみたいと思います。
例えば、結婚後に婚姻届を出すときに、検診の勧めなどが市町村で行われるなど、そうしたことができないかなどを考えているところでございます。
子供を持ちたいと思っている人が希望をかなえられる社会にするため、不妊の問題をしっかりと取り組んでまいります。
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