ページ番号:255655

掲載日:2024年12月11日

ここから本文です。

屋外に置いていたサンダルが縮んだ

相談内容

サンダルを3日間ベランダで放置していたら縮んで履けなくなってしまった。縮んでしまった原因の調査をしてほしい。

テスト結果

(1)外観観察

テスト品は黒色で弾力性のある樹脂製のサンダルでした。ソール(靴底の部分)や甲の部分含め組立、接着及び縫合部分はなく、製品全体が樹脂を一体成形した造りになっていました。
相談者から提供されたテスト品と当センターで購入した同型品の比較を行いました。テスト品は全体的に縮んでいることが確認でき、特に甲の部分の縮み及びソールの反りが顕著でした。
販売時に付いている製品ラベルには素材がEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)である旨及びその裏面には「直射日光下、高温多湿の場所に放置しない」旨の注意書きが記載されていました。

横から見たサンダルの形状比較(左:同型品、中央:テスト品、右:重ね合わせた図)
※変形状態が分かりやすいよう異なる色のシルエットで比較していますが、実際はいずれも黒色のサンダルです。

(2)再現テスト

同型品を用いて試験機器により再現した高温環境及び屋外環境による再現試験を行いました。
高温環境による再現試験は温度と湿度をコントロールし、任意の環境を再現する恒温恒湿室を用いて行いました。同型品を60℃及び70℃の環境に1時間置き、それぞれの形状等の変化を検証しました。
試験の結果、60℃及び70℃いずれの環境でも製品の縮みが生じました。縮みの程度は60℃の環境では僅かでしたが、70℃の環境ではテスト品と同程度の縮みが認められました。

屋外環境による試験は同型品を周辺に日光を遮るものがない屋外に置き、形状等の変化を検証しました。なお、試験は令和6年6月の晴天日である3日間を選び、いずれも朝から夕方まで実施しました。
この結果、屋外環境においても僅かな縮みが認められました。
なお、試験時の気温が27℃程度であっても、風が弱ければ製品の表面温度は60℃に達することが分かりました。このように、気温がさほど高くない状況でも、日照、風速などの条件が整えば製品の表面が高温となり、縮みが生じることが分かりました。
また、表面温度は気温、日光の照度及び風速との相関が認められました。特に気温、日光の照度が高くても比較的強い風が吹いていると表面温度はさほど上がらないことが分かりました。

再現試験結果
  高温環境による試験(60℃) 高温環境による試験(70℃) 屋外環境による試験
試験結果 僅かな縮みが再現 テスト品と同程度の縮みが再現 僅かな縮みが再現

(3)結論

テスト品が縮んだ原因は表面温度が60℃を超える高温環境にあったためと考えられました。
また、サンダルの保管場所の周囲に風を遮る物がある等、通気が悪い場合、気温が27度程度であっても製品温度が60℃を超えることがわかりました。

 消費者へのアドバイス

購入前に取扱い上の注意などの製品説明をよく読み、使用にあたっては注意書きを守りましょう。
特にEVA素材のサンダルは他の類似の素材と比べて耐熱性が低いため、今回のテスト品に限らず、縮む可能性があります。直射日光があたらない通気のよい場所で保管し、真夏の車内など、高温になりやすい場所には保管しないようにしましょう。

お問い合わせ

県民生活部 消費生活支援センター  

郵便番号333-0844 埼玉県川口市上青木三丁目12番18号 SKIPシティA1街区2階

ファックス:048-261-0962

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?