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掲載日:2024年12月11日
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オークションサイトで海外ブランドのカシミヤジャケットを購入したが、安物のようで、化学繊維ではないかと思う。ジャケットの素材が何か確認してほしい。
(1)走査電子顕微鏡による拡大観察
走査電子顕微鏡を用いてテスト品、羊毛(参考)、アクリル(参考)の拡大観察を行なった結果、テスト品にはスケール(うろこ状の表皮)が確認されました。また、羊毛と比べ、全体的に細い、スケールの間隔が広い、一片のスケールが比較的大きいといったカシミヤの特徴が見られました。(表1)(写真1、2、3)
繊維 | 特徴 |
---|---|
羊毛 | 繊維表面にスケールが見られる |
カシミヤ | 羊毛に比べ繊維が細い、スケールの間隔が広く、一片のスケールが比較的大きい |
アクリル | 種類が多く一様ではない、表面が滑らかなものやあれたものがある、断面は円形が多い |
写真1 テスト品(500倍) |
写真2 羊毛(参考)(500倍) |
写真3 アクリル(参考)(500倍) |
(2)フーリエ変換赤外分光光度計による定性分析
フーリエ変換赤外分光光度計を用いてテスト品の赤外吸収スペクトル測定を行いました。赤外吸収スペクトルを測定することで、物質の構造を推定することができます。
測定の結果、テスト品の素材は毛であると推測されました。なお、毛はいずれも同様の赤外吸収スペクトルを示すため、化学繊維との区別はできますが、毛の種類の判別はできません。
以上の結果より、テスト品の素材はカシミヤであると推測されました。
繊維の鑑別はJIS L 1030-1に基づいて行われます。非破壊で行うことができる試験もありますので、繊維の素材についてお困りの際は、管轄の消費者センターへご相談ください。
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