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掲載日:2024年12月11日
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屋外キャンプ中にキャンプ用ガスカートリッジとバーナーを組み合わせて使用し、点火できるか確認をした。点火の確認が問題なく終わり、ガスカートリッジからバーナーを取り外していたところ、何かが弾けた感覚がして、ガスカートリッジからガスが噴出した。近くで使用していた別のガスコンロに引火し、ブルーシートとティッシュボックスが焦げた。大きな事故に発展した可能性もあるので、原因究明できないか。
写真1 外観状況
(1)外観確認
全体的に目視で細かい傷、塗装の剥がれや錆状態の進行が認められ、軽度の劣化状態と見受けられました。バーナーとの接続部のネジについては、傷やネジ山の潰れ等はなく、無理な締め付けや誤接続はなかったと考えられました。また、カートリッジの製造年月日を表す容器底面の刻印はテスト品では薄れており、辛うじて2004年製造と読み取ることができました。製造から19年以上は経過していることとなり、メーカーが推奨している「製造から7年以内を目安に使い切る」から大きく経過していました。
(2)内部確認
切断用の工具を用い、ガスカートリッジ容器の切断を実施したところ、内部には金属製のバネ、樹脂製のバネ固定具の破片、樹脂製のバルブが脱落していました。(写真2、3)
以上より、図1のとおりバーナー着脱の際にバネ固定具が破損し、バルブが落下しガスが噴出したと考えられます。
図1 ガス噴出時のガスカートリッジの断面の状態
(3)分析機器による画像診断(デジタルマイクロスコープ)
樹脂製のバネ固定具の破損原因の調査のために、デジタルマイクロスコープを用い破損断面の拡大観察を行いました。拡大観察より、段階的に破損が進行したことが分かりました。(写真6、表1)
写真6 バネ固定具破断面拡大(30倍)
記号 | 模様 | 特徴 |
---|---|---|
A | 鏡面のような平らな模様 | 亀裂の起点であり、時間をかけて進行した痕の特徴と類似。 |
B | 貝殻のような波型の模様 | 2~3度力が加わったことにより亀裂が進行したと考えられる。 |
C | 「ハ」の字が連続する白い模様 | 白い毛羽立ちがあり、一気に亀裂が進行したと推測できる。 |
D | 黒みがかり特徴のない模様 | 起点の反対側にある最終破断部。亀裂進行の歪みにより割れが発生した可能性がある。 |
(4)まとめ
使用期限を大きく経過していることによる部品の劣化と、バーナーの着脱操作による負荷が重なりバネ固定具が破損し、バルブが外れたことによるガスの噴出だと考えられます。
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