トップページ > しごと・産業 > 産業 > 商業・サービス産業 > スポーツビジネスネットワーク埼玉 > 【スポBiz埼玉】現場突撃レポート > 第5号「スポーツビジネスで広げる子どもの居場所」
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掲載日:2024年5月21日
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みなさんこんにちは。スポーツビジネスネットワーク埼玉事務局です。
子どもの頃から運動に親しむ習慣を身につけると、運動能力の向上だけでなく、生涯における健康な身体づくりにも影響を与えると言われています。
スポーツ庁が実施した「令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によると、平成11年度から30年度まで少し回復・維持する動きを見せていた子ども(6~19歳)の体力・運動能力が、再び低下する傾向が見られているそうです。
スポーツ庁「令和4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果」(別ウィンドウで開きます)
また、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 こども版」では、1日60分を目安に身体を動かすことを推奨しています。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(別ウィンドウで開きます)
とはいえ、多くの保護者の方は平日お勤めをされているため、子どもだけで運動するというのは安全性や防犯の観点から難しいと感じる方も多いと思います。
今回は、「子どもがスポーツに親しめる場所づくり」の現場に突撃してきました。
令和6年3月20日(水曜日)、春分の日に、伊勢丹浦和店の屋上で伊勢丹浦和店・デパそらURAWAの協力の下「スポーツ学童Loop」の体験会イベントが開催されました。
時間を区切って指導者の入れ替えがありますが、体操教室やアスレチック、ダブルダッチなど、様々なスポーツがその場で体験できる企画です。
2本のロープを使用して行う縄跳びの競技「ダブルダッチ」の体験コーナーです。2本のロープの真ん中に入り、動きに合わせてジャンプします。
指導者の先生の指示でストレッチ。この後、地面に手をついて両足を上げる運動や、側転の指導がありました。
この日は「体験会」ということで一日限りのイベントでしたが、令和6年4月1日のグランドオープンに向けて体験された家族連れの皆さんに、どのようなサービスなのか、どうやって申し込むのか、料金体系はどうなっているのかなどを説明している様子も見られました。
このイベントを主催したスポBiz会員、株式会社SALの代表取締役 清水郁也(しみず ふみや)さんは、3年ほど前のある日ご自身が県内で経営しているスポーツジムのお客様から「平日に子どもが運動できる場所がない」というお話を聞いて、何かできることはないだろうかと考えました。事業の拠点としているさいたま市はお子さんがいる世帯が多く、一定規模のニーズがあるという確信もありました。
そして、「子どもを預けられる場所」かつ「子どもが運動できる場所」として「スポーツ学童」のような事業を行ってはどうか」と思いついたそうです。
株式会社SAL 代表取締役 清水郁也さん
しかし、子どもが運動に親しむ環境を整えるためには、「安心して体を動かせる場所」「安全に配慮しながら体の動かし方を教えられる指導者」が必要となります。
清水さん自身は元々スポーツジムを経営し、自身も指導者として顧客に指導を行っていたため、「指導者」になることはできるかもしれません。しかし、大人を相手に一対一で指導するのと、複数の子どもを一度に指導するのとではやはり気を付ける部分が異なります。
また、体を動かせる場所についても課題がありました。運動することが目的で運営している施設は通常の利用客ですぐ予約が埋まってしまい、利用したいときに使わせてもらえないことも想定されます。
どうしたら必要な場所や指導者を、十分な状態で準備できるだろうかと考えているときに、私たち「スポBiz埼玉」のことを知ったそうです。
清水さんは、スポBiz埼玉を通じて大学やスポーツチーム、会員企業の方々と交流を持ちながら、ご自身の新事業の構想や課題について意見交換を積極的に行いました。すると、交流先の方も「実は季節や曜日で予約が少ないときもあって、稼働率をもう少し上げたいと考えているよ」とか「月一回程度の体験教室なら指導者派遣の相談に乗れるよ」といった反応を返してくださったとのこと。
また、スポBizが実施した「プロスポーツチームとの連携プログラム」にも参加され、株式会社西武ライオンズにこのスポーツ学童に指導者派遣などの協力が得られないかとメリットなどを踏まえて提案をしたそうです。