インタビュー・コラム
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掲載日:2024年12月26日
櫻田 亜弓(さくらだ あゆみ)さん
プロフィール
AGS株式会社公共事業本部勤務。
仕事と家庭の両立を図る、30代。保育園に通う2児の母。
2011年入社。公共事業本部公共営業部に配属となり、現在も同部署に所属。2016年度と2018年度にそれぞれ約1年半の育児休業取得経験あり。育児休業復帰後は時短勤務で働き、現在はフルタイムで働く。
AGS株式会社:https://www.ags.co.jp/
ITスキルなしでの入社
私の仕事は、主に地方公共団体や金融機関をお客様にしている提案営業です。既存のお客様に対しての情報提供や既存契約プラスアルファでお客様の課題解決につなげていく営業が中心です。当社は、情報処理サービスやソフトウェア開発を行うIT企業ですが、私自身は文系学部出身でデジタル技術やシステムに関する知識やスキルはまったくありませんでした。営業をやりたいというこだわりを持ち入社しましたが、入社すればなんとかなるだろうとの甘い見通しで入社してしまったので、最初は苦労しました。
同期には理系出身の専門知識を持った人もいますので、当初の研修ではかなりの差があったと思います。研修についていくのは大変でしたが、当社の研修内容やバックアップ体制は充実しており、素人の私でも基礎知識はしっかり身に付けることができました。また研修はシステムの勉強ばかりではないので、1~2年後には皆と同じレベルまで到達できました。
前年度の採用まではSE職(システムエンジニア)採用のみで営業職採用はありませんでした。上司からは、良くも悪くも初代営業職として注目されていた中で、よく頑張ったとお褒めの言葉をいただいたこともありました。ちょっとだけ嬉しかったです(笑)。
家庭と仕事の両立は想像以上に大変
2回の育児休業取得の経験がありますが、初めて家庭と仕事の両立に向き合った時は想像以上に大変でした。毎日時間との戦いです。小さい頃は病気になることも多く、子育ては自分の計画通りに進まないことがたくさんありました。仕事で疲れて、ちょっとだけ休みたいと思っても、保育園の迎えのあとにすぐに家事・育児が続きます。それらが終わった後にやっと自分の時間となるのですが、疲れて何もできずにすぐ寝てしまう。始めの頃はこのような繰り返しの日々でしたので、生活に慣れるために時間管理(時間の工面)をどうすればいいのか、常に考えて時短家電の活用や家事の工夫を始めました。なるべく周囲の人に迷惑をかけずに、かつ、自分が苦しくならないようなやり方を見つけるまでは大変でした。
子育て当初は、育児へのこだわりも多く、考えるレベルも高かったので夫と喧嘩することもありました。その後、バランスを取りながら折り合いをつけることができるようになるまで、少し時間が必要でした。2人目の育児が始まってから自分の考えも落ち着くようになり、今になってようやく仕事も家庭も安定していると感じられるようになりました。
夫婦の役割分担についてはあまり決め事を作らないようにしています。細かく役割を決めてしまうと義務になってしまい、お互いとげとげしくなってしまうので、家事は私がメインで、休日の遊びは夫がメインに、それぞれ得意なことをやるようにしています。
「家庭がうまく回らないと仕事もうまく回らない」と私は思っています。
時短家電が鍵!
時短家電にはちょっとしたこだわりがあります。日々の子育ては時間との戦いだと感じることが多いので、頼れるなら家電にも頼りたいとの思いから家電を選んでいます。ドラム式洗濯機にはずいぶん助けられています。家電選びは重要です(笑)。
家電の他、効率よくごはんができるように料理の段取りを考えています。食材の冷凍の仕方や解凍時に早く柔らかくなり、すぐに料理できるようにいろいろな道具を使って工夫しています。
職場のコミュニケーション、上司との関わり方で意識していること
職場の先輩ママさんには、良く相談に乗っていただきアドバイスをもらっています。
「子供がごはんを食べてくれないんだけど、どうやったら食べるようになるか」「オススメのおもちゃ」など、本当に小さなことですが、参考になる話を聞かせていただいています。ネットでも情報は取得できるのですが、生の声を聞くととても安心できるので、いろいろな人の話を聞くようにしています。地元の小学校や中学校の情報がとても助かります。
今の上司とは入社した時からの上司部下の関係で、尊敬できる部分をたくさん持ち合わせている方です。この上司から多くのことを学び、自分も成長したいと思っていましたので、自然とお姉さんのように親しくさせていただいています。
仕事で困っていることや分からないことを聞くことは、上司部下の関係では当たり前のことですが、仕事以外でも学びたいことがあれば、積極的にアドバイスをもらいながら自分も成長できたらいいなと考えています。
私自身はあまり意識していませんでしたが、上司からは「あなたは自分を開くから、周りの人も同じように自分を開いてくれるので、うまくコミュニケーションを取れているように見える」と言っていただいたことがあります。
自分で簡単に限度を決めない
仕事で一番の目標にし、努力していることは「自分で簡単に限度を決めないこと」です。その1つが「フルタイム勤務」です。
勤務時間に対する考え方や家庭環境は人それぞれですが、なんとなく世の中には「お母さんは時短勤務をしないと働けない」といったイメージがあるように思います。
子供が小さくてもフルタイム勤務を実現したかったので、上司に相談して、柔軟な働き方ができる会社の制度を利用して、育休復帰半年後に時短勤務からフルタイム勤務に変更しました。
現在、フルタイム勤務が可能となっている一番大きい要因はフレックスタイムだと思います。在宅勤務との組み合わせで、朝早くから始業できて必要であれば中抜けができるなどフルタイム勤務ができる会社の制度に感謝しています。
当社の営業職は在宅勤務が利用しやすくなっています。以前は、営業職は外出先から一度会社に戻ることが多かったのですが、今は、各自にVDIセキュリティを搭載した持ち出し可能なパソコンが貸与され、営業職はどこでも仕事ができる環境になっています。
私の場合、子供の送り迎えの時間を考慮して、こちらからお客様へ打合せの時間を提案することで、スケジュール調整がとてもスムーズになりました。
在宅勤務やフレックスタイムの利用には一定の社内ルールがありますが、本人の希望通りに利用しやすくなっています。厳しい面もありますが営業職は成果が数字で出るので、上司や他の担当者にとっても在宅勤務・フレックスタイムへの理解がしやすいのだと思います。
もちろん今のような働き方ができることは、社内制度のおかげだけでなく、夫の協力があるからだと思っています。
社内でオススメの両立支援制度はありますか?
いろいろな両立支援制度がありますので、各自の家庭環境に応じて必要な制度の利用を考えて、上司や人事担当者に相談すると良いと思います。
当社の「育児短時間勤務制度」は、子供が小学3年生を終了するまで使用できるため、育児中の社員に広く利用されています。学童への入所は、保育園へ入るより難しいとの話も聞きますので、とても助かる制度だと思います。
子供が0歳の内に保育園に預けて復職する場合、普通よりも早く職場復帰しているという事で、保育料の負担を軽減するため、1歳になるまで「早期復帰支援金」を支給する制度もあります。また、AGSは男性の育児休業等の取得を推進していますが、「積立休暇の育児利用(男性限定)」は、育休取得での収入減少をカバーできる制度でとても良い制度だと思います。その他介護に関する両立制度も充実しています。
チャレンジすることに遅いということはない
<働くことを検討されている方、両立で悩んでいる方へ>
自分に向いている仕事か向いていない仕事なのかは、やる前には分かりません。試しにやってみることが大事だと思います。
私自身は、「無理と決めつけずに、できるようにするにはどうしたらいいのか」を考え、ちょっとした努力を続けるように心掛けています。目標やチャレンジは、資格取得やスキルの習得だけではなく、仕事と家庭の両立も目標となり、目指すものは人それぞれ違います。
未経験の仕事でも諦めることはありません。少しの努力から始めて、やりたい分野に飛び込んでみる。努力の継続で徐々に自分が成長できたらいいですね。
チャレンジすることに遅いということはありません。やってみたいことにチャレンジしていただきたいと思います。
公共営業部営業第2グループ櫻田(写真右)
公共営業部営業第2グループグループマネージャー江原(写真左)※職場上司