インタビュー・コラム

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掲載日:2024年12月26日

清水 有美(しみず ゆみ)さん

両立したいFile8_清水有美さん

プロフィール

仕事と家庭の両立を図る、50代。
専門学校を卒業後、地元・埼玉の企業に就職。結婚・出産を経て、2度の育児休業を取得。入社以来、長く総務畑を歩んできたが、2020年に自身にとって初めての部署となる販売課へ異動。同時に課長へ昇進する。女性中心の職場で、皆が積極的に意見を出し合う環境づくり、困った時はお互いが協力し合う職場の雰囲気づくりに取り組む。また、介護と仕事の両立も検討している。
現在は、会社の福利厚生部門の社内売店やカフェの運営管理を担当し、ご当地グルメ等の食品・健康グッズの企画販売などを手掛けている。

株式会社アドバンファシリティズ: https://www.afc-advantest.co.jp/afc/

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入社してから苦労したことは?

就職活動の時期を迎え、地元の埼玉の会社に就職したいと考えていました。当時、学校への求人情報は掲載されていなかったのですが、自分で会社へ問合せをし、新卒採用選考に応募して、就職することができました。入社後の配属は、総務課でした。

当時は結婚すると退職される方が多い時代でしたので、私が2年目になった時に、担当業務の経験者が退職され、社会保険料算定業務を1人で行うことになりました。新人で1年間、教わりながら業務をこなしていたのですが、表面的なことを機械的に覚えたという感じで、物事の本質や仕組みが理解できていなかったことで、てんやわんやになり、とても苦労することになりました。

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人間関係の良さで乗り越えることができた

分からないながらも、手探り状態で仕事を進めましたが、正しいデータの作成ができずに健康組合等にも迷惑をかけながらもなんとかやり遂げることができていました。やり遂げる過程では、本当に多くの方に助けられました。

特に同じ職場の先輩方にはとても感謝しています。担当業務は別ですが、仕事の協力やアドバイスなど色々と相談に乗っていただきました。「仕事は大変だけど、会社は楽しい」という感じでしたので、なんとか1年を乗り越えることができました。

この1年を経験したおかげで、「諦めずにやり遂げる」というベースができたのかもしれません。業務をやりながら勉強し、失敗をしながら覚える。良くも悪くも任されるという環境でしたので、忙しくても大変でもこなしていく、業務の全体を理解して進めるというスタイルが染み付いたと思います(笑)。周りの先輩方がとても責任感のある人達であったことも大きく影響していると思います。

ただ苦労しただけでなく、仕事をやり遂げる達成感を覚えました。

この年は、長い勤務経験の中でも、特に思い出に残る1年となりました。

仕事と育児の両立

先ほども話しましたが、入社当時はまだ女性は結婚したら退職する方が多かったのですが、私が結婚し出産する頃には、少し様子が変わってきました。幸運なことに会社の両立支援制度は充実しており、職場の方々も制度の利用についてとても理解を示してくださったので1人目を出産して育児休業を取得しました。2人目を出産した時も、育児休業期間の延長がされるなど制度変更が行われたことで、すごく恩恵にあずかれました。また、取得を後押しする社内風土にも恵まれました。

また、女性の多い職場で、子育てをしながら働いている同僚も多く、年齢を問わず気軽に話ができる職場環境であったため、周りの方によく相談に乗ってもらいました。職場の女性からのアドバイスは的確で、参考になることが多く頼りになりました。特に子育て情報や病院情報はとてもありがたかったです。

介護休業・休暇の検討も

最近になって、親の介護が問題になってきました。現在は、病院の付き添いなどには有休を取得したり、テレワークを活用してサポートするなどの対応をしています。管理職になる時には、会社に将来の介護について相談をし、「管理職であっても必要な時は制度を利用してもらって問題ない」と言っていただきました。育児休業と同様に会社の制度や環境が整っているので、安心して働くことができます。

課長になって意識していることは?

初めての部署への異動と同時に担当課長、その後課長になりました。続いて、長く販売業務に携わっていた社員も異動になり、実質的に素人集団に近い部署となり、通常の業務を滞りなくこなすことからのスタートでした。皆に意見を出してもらい、その中で良いものを取り入れていく、業務の全体像をみんなで確認し合いながら、いろいろと勉強をする毎日でした。この業務については、実質的に私が一番の素人で皆さんに助けられていました。コロナ禍での異例対応に苦労する日々が続きましたが、上司・同僚の支えがあって乗り越えることができました。入社以来多くの方に支えられ、今までに様々な経験をした分、今後は部下・後輩に対してはできる限り、仕事の悩みや家庭との両立等の相談にのり、後輩へ恩返しができればいいなと思っています。

仕事では「人の意見をよく聞く」を心掛けています。私も相手には自分の意見を聞いてもらいたいので、相手の言いたいことをしっかり理解するようにしています。役職、年齢や性別を問わずみんなで考えてアイデアを出し合った方が、一人ひとりでは気付かなかったことに気付き、より良い方法がよく出てくることがあります。「風通しの良い職場環境づくり」を意識していきたいと思います。

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まだまだ女性の負担が大きい・・・

家庭でも職場でも、まだまだ「女性がやるものだ」と無意識に思われていることが多いと感じます。

例えば、子どもが小さい時に熱を出したりすると保育園に預けることができません。その時は、会社へ連絡して「すみません、本日は休ませてください。」と謝ったり、夫に「ごめん、会社休んでもらえる?」とお願いする立場になります。以前、「私はどこに行っても頭ばかり下げているな。謝ってばかりだな。」と常に思っていてすごく辛くなる時期がありました。働いている女性で同じような気持ちになる方は多いのではないでしょうか。

我が家について言えば、もちろん家事・育児ではいろいろと夫に協力してもらい、それに対して感謝をしています。ただ、世の中全体について目を向けるとまだまだ変わってほしいと思うことがあります。

仕事と家庭の両立支援制度や職場の理解は進んでいますが、依然として家事、育児及び介護について女性の負担が大きいようで、更に改善されることを望みます。そして、「女性がやるものだ」との無意識の思い込みが解消されるといいなと思っています。

完璧でないことに罪悪感を持たないで

誰でも周りの人の協力を得ないことには、仕事を続けることは難しいです。特に女性にとってはすごく難しいので、すべてのことにおいて「完璧でなくても罪悪感を持たない方がいい」と自分にも言い聞かせるとともに、周りの人にも言ってあげたいと思っています。

小さいことかもしれませんが、晩御飯が買ってきたお惣菜ばかりになってしまうことや、手作りでないものが続くことで、家事に対して手を抜いていると感じたり負い目に感じる方もいるでしょう。

以前、ある料理研究家の本で、「多少お惣菜が多くなってしまっても、手抜きをしても、家ではお母さんが笑っている方がいい」との考え方が紹介されていました。とても共感しました。無理をしてカリカリしている(怒っている)よりも、手を抜いてニコニコしている方がいいなと思いました。

すべてのことに完璧でなくても、都合よく自分を受け入れて、罪悪感を持たないことも必要ではないでしょうか。

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管理部                        中村(右)

総務サービス部 販売課 清水(中央)

人事サービス部             松田(左)

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