インタビュー・コラム
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掲載日:2024年12月26日
浅香 雅美(あさか まさみ)さん
プロフィール
埼玉県越谷市在住。一児(小学3年生)の母。
北越谷にてネイルサロン「White Rose(ホワイトローズ)」を経営。
アパレル関係の会社を退職後に、ネイルサロンに勤務。そして、結婚・出産・離婚をきっかけに2013年7月17日に独立。
https://www.instagram.com/nailsalon_whiterose/
地元での起業は両立するためのメリットが多いと思った
息子がまだ0歳の時に離婚し、一人で息子を育てる覚悟を決めました。それがきっかけになり、起業を決意しました。その際に、いかに移動のロスがなく、かつコストが安く済む起業の仕方について考えました。結論としては、地元である北越谷での起業でした。自宅のすぐ近くに職場を構えることは、息子の保育園・学童への送り迎えもスムーズであり、この地でしっかり腰を据えて頑張ろうと思いました。
お休みは不定期にして子供の学校行事に積極的に参加
仕事のお休みは、あえて不定期にしています。
不定期にすることで、息子の授業参観や運動会などの学校行事に行く時間も作ることができています。
自営という形態だからこそ実現できていることだと思います。すべて自分の判断なので、その日に必要な時間だけ休めば済んでしまいます。
ただその分、お客様の要望に合わせて調整できるように努力しています。夜の遅い時間や早朝の対応が必要であれば、可能な限り対応します。だからこそ、お休みは不定期ということにして、柔軟に対応しています。ただ、1回無理を受けてしまうとそれが続いてしまうことがあります。それが柔軟な対応の良い所でもあり、大変な所でもあるかもしれません。
自分なりのストレス発散方法を持つことが大事
時間があるときは、スポーツジムでのトレーニングでストレスを発散させます。すぐ近くにジムがあるので、走ってウォーミングアップしながらトレーニングに向かい、終わったらまた軽くランニングをしながら帰る、というような感じです。最近は、あまり行くことができていないのでまた再開したいです。身体を動かすことで仕事のパフォーマンスも上がるという実感があります。
また、息子と一緒に外食することもストレスの発散になります。学生時代の友人が経営しているお好み焼き屋さんがあり、そこには息子が一緒でも安心して行くことができます。忙しい中でも息子とのコミュニケーションは大切にしています。
悩みを相談する場所を複数に分けています
私が悩みの相談をする相手は、ネイルサロンを開業する前に一緒に働いていた同業者の仲間や、地元なので昔からの友達が多いと思います。私の性格や考え方をよくわかってくれているので、気軽に相談することができます。
あとは母親です。母親との関係は、まるで一緒に住んでいる友達のような感覚です。ただ最近は、年齢を考えると、あんまり心配をかけたくなく、子供も成長してきたこともあり、以前より相談することは少なくなってきました。
悩みにはいろいろな種類やレベルがありますが、それぞれの悩みを話せるような立ち位置の相手がいることを、とてもありがたく思っています。この悩みはこの人がいいのかなど、悩みの相談を分担して行ってもらっているようなものです。
また、ネイルの施術中にお客様と会話をすることで、結果的に相談相手になってもらうなど、お客様と1対1という仕事環境がストレス発散につながることも多いです。ネイルの施術はお客様一人一人と向き合って会話をしながら業務を進めるので、お互いにいろいろなことを話しています。お客様だからこその第三者の立場での意見を聞くことができますし、逆に相談にのらせていただくこともあります。お客様から「最近、息子さんはどう?」と気軽に聞かれることも多いです。
完璧を求めたら自分が潰れてしまう
仕事と家事・育児を両立することに対して完璧を求めてしまうと、自分を追い詰めて壊してしまうのではないでしょうか。私自身も最初はなんでも完璧を求めて頑張ろうと思いましたが、「仕事以外のことは完璧にこなせない」という思考に途中から変えることにしました。頑張ればそれなりに両立できるかもしれませんが、無理をすることで別の問題が発生する可能性もあります。
家庭と仕事の両立は、自分だけが頑張るのではなくて、結局は家族との協力関係なのだと思います。
私の場合、息子とは同志のような関係を保てるように、なんでも正直に話すようにしています。まだ小学校3年生ではありますが、ネイリストの仕事について、また私の働き方について、息子は理解してくれていると思います。
時には、食事の時間に息子が職場に来て、レンジでご飯をチンし、お客様を施術している横で食べるときもあります。お客様も私たち家族の事情を理解してくれて、受け入れてくれている関係がすごく気持ちいいです。息子とともに自分も成長していると日々実感しています。
不安や弱音があったら、独立はできない
できると思ったら、できないことなどないと思うことが大切ではないでしょうか。ただ、少しでも弱音のようなものがあると、独立して働くことは難しいのではないかと思います。本当に独立してその仕事をしていきたいのか自分の中に落とし込めているかどうかが重要です。また、私の場合は、一人で子供を育てないといけないという覚悟もありました。お金を稼ぎたい、という理由だけでは足りないと思います。
例えば、誰かが出資をしてくれて仕事を開始するとします。しかし、人にお金を出してもらって、そこに乗っかるような立場で仕事を開始すると、覚悟が足りないまま進むことになってしまうかもしれません。
全てを自分で1からやって立ち上げることは大変ですが、その仕事に対する思い入れも全く違いますし、多少つらいことがあってもやり抜こうと思えるはずです。自分の気持ちがきちんと決まっていれば、絶対成功すると思います。
それが好きだと思える強い気持ちがあるからこそ、きつくても踏ん張れるのだと思います。つまり、どうせやるなら、やはり好きなことやった方がいいということです。
今後の展望について
今後もネイルサロンとしての業務が中心であることは変わりませんが、もっと業務の幅を拡大したいと考えています。
お客様のご要望があれば、スチーマーを利用した肌ケアも行なっています。
また、クリスマスなどのギフトに向いたハンドメイド商品の製作をオーダーメイドで受けています。
引き続き周りの人たちに頼る部分はありますが、協力していただきながら、子供との信頼関係を大事にし、子育てと仕事を両立しながら、どんどん新しいことへチャレンジしていきたいです。