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インタビュー・コラム

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掲載日:2024年12月26日

本田 雪子(ほんだ ゆきこ)さん

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プロフィール

埼玉県久喜市在住。
平日は「株式会社あいらいふ」の社員として働き(約6時間)ながら、土日祝日は、「NPO法人ケアマネージメントサポートセンター」の委託業務(約2時間)を請け負っている。
これまでに社会福祉法人や営利法人で介護業界を経験。前職では管理者として業務に従事していたが、母親の介護がきっかけとなり、現在の仕事スタイルになる。

2種類の仕事で目標の仕事を得ている

前職では、管理者として介護業界に携わっていました。管理者の業務は集客営業、人事管理など多岐にわたっていましたが、さらに最近ではコロナウイルス対策もあり、1日の多くの時間を仕事にとられていました。そのようなタイミングで母が体調を崩し、1日に何度も職場に電話をかけてくるようになりました。このことをきっかけに前職を退職し、現在は働き方を変えて2種類の仕事に就いています。

平日は自治体や病院、介護事業所といった場所を訪問し、高齢者施設紹介の情報誌を配布しながら、ラウンダー営業を行っています。短時間勤務ですが、直接雇用で、社会保険にも加入しています。

土日祝日は介護保険要介護認定調査員として、病院や施設、個人の自宅を訪問し、高齢者の心身の状態の聞き取り調査を行う仕事をしています。この仕事は委託契約で行っています。

母の介護があるため、フルタイム勤務はどうしても難しい状況。そのため、短時間で働ける仕事を探していました。

さらに在宅勤務ができる仕事を検討し、パソコンやビジネスマナーなどの基本スキルに専門性をプラスした業務を経験することで、少しずつ自信が生まれました。また介護をするといっても、常に母のそばにいることはお互いの関係にとって良くないと考え、短時間勤務でかつお互いが離れる時間も作れる働き方を選択することにしました。

仕事時間は10時から16時くらいになります。朝やるべきことを終えて出勤し、母が不安を感じ出す夕方には家に帰れるようにしています。

この10時から16時の時間帯で仕事ができる働き方が、自分にとってはベストとなっています。また、母と距離を置く時間を作ることも、お互いのストレスを減らす効果もあるのだなと感じています。
しかし平日6時間の仕事では、目標としている収入には足りていません。そこで土日祝日を活用し、特技を生かしながら収入が得られる仕事を始めました。

現在は、家庭と仕事が良いバランスで両立できていると思います。

ストレスを溜めないように自己管理もしっかりと

自分の24時間の使い方を管理することはとても大事だと考えます。私は仕事をする際は、実家の近くの自宅の作業スペースで行っています。レイアウトを工夫して、好きな音楽を聴きながら快適な空間となっています。介護をしていると、オンとオフの切り替えが難しくなる時があります。自分だけの作業空間を活用して居場所を作るということは、ストレスの削減にとても効果的です。日常の煩わしさから解放されるとともに、仕事に集中することもできます。状況によっては息抜きの空間としても活用できます。

また、1日のスケジュールの中には、7時間のまとまった睡眠時間と、ゆっくり食事を取れる時間を確保できるよう調整しています。特に睡眠については、不足すると体調やメンタルの問題につながる恐れもあるので、配慮するようにしています。前職では、管理職という立場上、時間を問わず相談の電話がかかってきたり、職員の勤務調整に時間がかかったりして、どうしても睡眠が細切れになってしまいました。何をやるにも体が資本ですので、睡眠時間は意識して確保するようにしています。

また趣味のピアノ演奏、ヨガや入浴などの時間もできる限り確保できるように工夫しています。その他にも両親との散歩や買い物の時間も確保しています。

YouTubeを活用してモチベーションを保つ

私はYouTubeの動画をよく見るのですが、私なりのYouTube活用方法があります。好きな物事がテーマの、目標にできると感じた人や事象の動画を見つけたら、その動きや音声を観察し、共感することで、自分なりにモチベーションのアップにつなげることです。

また悩み事が発生した際にも、YouTubeで解決の参考になりそうな動画を探すことがあります。それでも、全てがYouTubeで解決できるわけではないので、人に直接会えるような場合には、できる限り人と会って話し合うことで解決するようにしています。仕事で困った時は、介護業界の勉強の過程で知り合った方や、職場で知り合った方のお話を参考にすることもありますし、学生時代の友人に相談することもあります。高校・大学の友人は、悩み事の内容はまったく違うことが多いのですが、不思議なことに、お互いに悩みを言っていると少しずつ昇華してくるような感覚が得られます。

2つの工夫がいろいろな場面で生きる!

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日々の生活でこだわっていることが2点あります。

1点目は、パソコンや自家用車など、仕事に必須のアイテムについては、常に最新のバージョンにアップデートして、できる限り扱いやすい状態に保つように気をつけることです。大きな違いはないと思うかもしれませんが、日常生活のちょっとした場面で、アップデートしておいて良かったと思えることが実際にあります。最新の状態を自分が把握していることで、周りのかたにアドバイスできる時もあります。

2点目は、時間と場所を積極的に変えることです。場所を変えて仕事をすることは、単に気分転換というだけではなく、発想の転換のためにも非常に重要だと考えます。「自分の機嫌は自分で取る」ことは、自分が元気になるための大切な自己管理能力だと思っています。

自分の理想とする仕事スタイルを見つけてほしい

今の仕事スタイルにしたきっかけは母の介護でしたが、年齢的にも仕事の棚卸しをしたことは、私にとって必要なことだったと思います。また、息子が成人し元気に過ごしていること、夫が時々気持ちよく母のサポートをしてくれていることが、何より心強く感じます。

介護と仕事を両立するためには、業務の範囲が絞られていて、かつやるべきことが明確な状況になっていることや、上司の信用に基づいたマネジメント管理のもとに、効率的にアプリやパソコンのソフトで報告が行える業務は理想的です。

そして、理想の仕事スタイルを確立できることは、心理的安定にも繋がっています。

今の仕事や働き方を変えたい、という状況にある方がいたら、是非自分の理想の働き方を見つけて、それを目指してもらいたいです。

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