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掲載日:2025年3月17日

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令和5年度研究報告Vol.22

令和5年度に当センターで実施した研究(18テーマ)等に関する成果を公表します。
各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。

産業支援研究

新技術創出調査研究

 

技術支援高度化研究

 

 

外部資金導入研究

 

研究報告書

産業支援研究(9テーマ)

産業支援研究は、産業界が求めるニーズを把握し、社会情勢を踏まえ、センター内で保有する技術シーズや新技術創出調査の成果を活用し、県内企業の製品化・実用化を支援することを目的として行っています。

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 PDF
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1

未知試料の概略組成の初度的判別ツールの開発


未知の水溶液試料に対する分析方針決定に有効な概略組成判別を、電気化学プロファイルを活用し迅速簡便に行う手法について検討した。素性既知の水溶液18種類、増感剤条件8通りについて取得した電気化学プロファイルからなる概略組成判別表を作成した。この表を、実試料としての市販洗剤の概略組成判別に適用したところ、有効性が確認できた。さらに工程管理への応用例として、塩素系漂白剤の劣化評価のため、電気化学プロファイルによる有効塩素の判別と濃度評価を検討したところ、その可能性を見出すことができた。

未知試料、概略組成判別、電気化学プロファイル、増感剤

先端ものづくり関連技術分野 R4~R5 研究報告(PDF:717KB)
2

生分解性バイオプラスチックの耐久性に関する研究


脱炭素社会実現や海洋プラスチックのゴミ問題解決の要望から、海洋中においても分解し、生体適応性も高いポリヒドロキシブチレートとヒドロキシヘキサネートの共重合体(P3HB-co-3HHx)の製品化が望まれている。このため、生分解性材料の高付加価値化や製品化に当たって必要な耐久性に注目して調査した。本報告では、屋外曝露試験による耐候性と工業用に用いられる高濃度オゾンに対する耐性を評価した。耐候性評価では6ヵ月で変色が生じたものの、表面状態や化学構造の極端な変化は見られなかった。高濃度オゾンガス耐性評価では重量や硬度、表面状態に対して極端な変化は見られなかった。一方、親水性が時間の経過とともに変化した。

   

バイオプラスチック、生分解性、ポリヒドロキシアルカン酸、オゾン、耐候性

環境・エネルギー関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:624KB)
3

セルロース担持メラミンセパレータの開発


ハイレート電池を実現するため、発泡メラミン樹脂のセパレータを考案した。しかしながら、長期サイクルでは電解液が保持できずサイクル劣化する懸念があった。そこで、電解液保持性能が高いセルロースの担持を検討した。セルロース担持発泡メラミンセパレータを用いたリチウムイオン電池は1 C充放電で95% / 200 サイクルと高い容量維持率が得られた。この容量維持率の増大はアルカリ型のカルボキシル基に起因すると推察され、セルロースの酸化処理が効果的であった。これらの結果から、懸念された長期サイクル性能には問題がないことが明らかとなった。

リチウムイオン電池、セパレータ、セルロース、発泡メラミン樹脂

環境・エネルギー関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:814KB)
4

人工膝関節置換術支援システムの開発


本研究では、「理想的な角度」に人工膝関節を埋入することを可能にする、「安価・小型・簡便な人工膝関節置換術支援システム」を開発することを目的とした。そして、特に重要な指標である「大腿骨頭中心の位置」を推定する機能の開発を目指した。県内の医療機器開発ベンチャー中小企業等に対するニーズ調査を実施して必要機能を精査し、膝の動作のモデル化と評価及び理論計算式の導出を実施した上で、制御プログラム開発を実施したところ、実験室系において概ね問題なく動作する試作機を開発することができた。

人工膝関節、全置換術、ナビゲーション、慣性センサ ヘルスケア関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:604KB)
5

IoTデバイス電源とした太陽電池の発電量予測モデルの開発(1)


屋外用IoTデバイスの電源である太陽電池及びバッテリーのエネルギーマネージメントを効果的・効率的に行うことを目的とした、太陽電池の発電量予測モデルを開発した。Webカメラによる空画像、太陽電池のI-V特性及び最大発電量、日射量、気圧を5分間隔で測定・保存したデータをもとに太陽電池の発電量予測モデルを作成した。発電量予測と結果の最大誤差は、晴れでは16%、晴れのち曇りでは22%、曇りでは30%となった。

太陽電池、発電量予測、人工知能、IoTデバイス 環境・エネルギー関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:691KB)
6

酒造原料米の消化性Brixの機械学習による予測に関する研究


日本酒の品質に影響を及ぼす酒造原料米の溶解性の指標となる消化性Brixを、迅速に予測するモデルの構築を目指した。精米歩合35-80%かつ水分8-15%と対象範囲を拡大することで、仕込みに使用する原料米の溶解性を把握し、最適な原料処理が可能となると期待される。消化性Brix予測値を得るため、白米水分、吸水率、メッシュ農業気象データ及び近赤外分析で得た迅速分析値を説明変数とした機械学習による回帰分析を行い、予測精度を比較した。

米、日本酒、溶解性、消化性、機械学習 農林水産・食品関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:375KB)
7

そば末粉が有する機能性成分の有効利用に関する研究


米由来原料のみを使用したグルテンフリー米粉パンの原料である米麹の酵素活性が、米粉パンの風味に与える影響について検討した。課題となっているチーズ臭やみそ・しょうゆ臭に対する指標化合物と米麹の酵素活性の相関を確認したところ、チーズ臭とプロテアーゼ活性の相関関係が確認された。米粉バッターのpHは分解処理12時間以降急激に低下しており、乳酸菌や酵母などが産生する有機酸の影響であると考えられた。米粉パンの風味形成には、米麹由来の酵素活性のほかに、微生物的な要因も影響していることが示唆された。

そば末粉、レジスタントプロテイン、機能性食品、製粉 農林水産・食品関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:375KB)
8

森林資源を活用した新たな食品開発

~植物由来乳酸菌の探索と食品への利用検討~

乳酸菌、植物由来、食品、乳製品、秩父 農林水産・食品関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:515KB)
新規食品開発を目的として、植物由来の乳酸菌を探索した。埼玉県秩父地域の森林資源(花、葉、苔など)から乳酸菌を分離したところ、凝乳特性のあるホモ型乳酸菌を単離した。これらは16S rRNA 塩基配列解析などから、Lactococcus lactisLactiplantibacillus plantarumと同定された。食経験がある属種のため、食品利用が可能であると考えられた。
9

高灰分ストリーム粉の応用による麺製品の高付加価値化の検討

国内産小麦、麺、粒度分布、香り成分、高灰分ストリーム粉 農林水産・食品関連技術分野 R5~R6 研究報告(PDF:770KB)
麺製品の風味向上を目的とした高灰分ストリーム粉(高灰分粉)の利用技術確立のため、麺用粉と高灰分粉での粒度分布の比較、及び揮発性成分生成への高灰分粉添加の効果を確認した。麺用粉と高灰分粉では、粒度分布全体は大きく異なってはいなかったが、高灰分粉の方が粒度の大きい粒子がやや多いという結果となった。揮発性成分生成の影響としては、国産小麦を使用した麺の独特な風味の要因であると言われている不飽和アルデヒド類の(E,E)-2,4-デカジエナールなどの増加効果が大きいことが確認された。このことから、高灰分粉の添加により麺製品の風味を強化する効果があると推測された。

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新技術創出調査研究(6テーマ)

独創的技術形成研究(4テーマ)

独創的技術形成研究とは、若手研究者等の独創性を活かした新たな技術シーズの創出・芽出とともに、 研究遂行能力の育成・強化を目的とした調査研究です。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1

蛍光X線分析法による合金上のめっきの膜厚測定へのアプローチ

~真鍮上に形成したNiめっき膜厚測定~


非破壊かつ正確な合金上のめっき膜厚測定法の確立のため、蛍光X線分析装置によりCu-Zn合金基材上に形成したNiめっきの膜厚を精度よく測定する方法を検討した。基材が標準試料と同じ組成の測定物の場合、膜厚20 µm程度までの領域において、薄膜検量線法を用いることで顕微鏡断面観察により得られた値と比較して誤差10%以内で測定できた。また基材の元素比率が異なる場合においても、測定物と同じ組成の基材を用いて分析条件を作成することで測定できることが確認された。

Cu-Zn合金、Niめっき、膜厚測定、蛍光X線分析装置 R5 研究報告(PDF:361KB)
2

多様な色覚者同士が美術的意図を損なわずに配色を伝達する手法


一部の知覚上の色同士の関係性が重要な芸術作品において、標準色覚者の作品は少数色覚者へ芸術的意図を十分に伝えられない懸念がある。同様に、少数色覚者の作品は標準色覚者に意図を十分に伝えられない懸念もある。本研究では、広色域なディスプレイを用いて任意の2者間で錐体刺激値が一致するように補償する画像変換手法を開発した。検証においては、被験者である少数色覚の当事者一人に対して芸術の意図の伝達が改善されたことを確認した。

色覚多様性、少数色覚、画像変換、配色、高色域ディスプレイ R4~R5 研究報告(PDF:590KB)
3

醤油製造工程におけるヒスタミン生成菌の迅速検出技術の開発


醤油業界では製造中におけるヒスタミンの蓄積が問題となっている。現在までにヒスタミンを検出する手法が開発されているが、測定コストが高く、特別な施設・操作技術を必要とするため中小企業での試験は困難であった。そこで、原因となる醤油乳酸菌が、ヒスタミン生成時に二酸化炭素を発生させる特性を利用し、培養時の二酸化炭素を検出することで、醤油もろみ及び製造工程中におけるヒスタミン生成菌の増殖を迅速かつ簡便に検出する技術の開発を試みた。

醤油、ヒスタミン、培養法

R4~R5 研究報告(PDF:313KB)
4

エンジニアリングプラスチックに対応した熱溶解積層方式3Dプリンタヘッドの開発


3Dプリンタの普及に伴って、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)での3D造形に興味がある県内中小企業が近年増えてきている。エンプラ造形を実際に行うと造形中に樹脂が吐出できなくなる場合がある。これは様々な要因によってプリンタヘッド冷却部における冷却能力が不足して、フィラメント軟化により吐出不良が起きているためと考えられる。今回の研究ではペルチェ素子を用いて冷却能力の安定性を改善した3Dプリンタヘッドを開発した。

3Dプリンタ、熱溶解積層方式、エンジニアリングプラスチック、ペルチェ素子 R4~R5 研究報告(PDF:747KB)

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技術支援高度化研究(2テーマ)

技術の進展に対応し、センターにおける依頼試験、解析評価技術等の技術支援高度化を図る調査研究であり、 県内企業の問題解決に役立つ評価解析技術の開発・蓄積を目指しています。

No テーマ名・抄録 キーワード 期間 PDF
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1

金属3Dプリンタで造形したInconel 625焼結物の機械的強度評価


金属3DプリンタによるInconel 625造形部品の実用化支援のため、金属3Dプリンタで4種類の走査方向の異なる引張試験片を造形し、機械的強度の測定及び光学顕微鏡・SEMによる観察を行った。その結果、積層方向の違いによって、引張強度、破断伸びとも差があることが明らかとなった。この理由は、(1)試験片平行部に発生した気孔の影響(2)表面の凹凸や表層に発生した大きな気孔の影響と考えられる。

金属3Dプリンタ、Inconel 625、焼結物、材料押出 R4~R5 研究報告(PDF:568KB)
2

電磁波測定室の遠隔指導システム構築


Raspberry Pi等を用いて安価に電磁波測定室(以下「測定室」とする)における遠隔指導システムの構築を試みた。複数のカメラやキャプチャボード等により、測定室の様子や機器の稼働状況が確認できる映像を取得し、測定室から離れた事務室に設置した大型モニタに映像を一括表示するシステム、館内IP電話内線網を整備し、電話により遠隔で操作方法などを案内できる手法を構築した。以上の結果、測定室の利用者に、これまで対面で対応していた指導や説明を、離れた場所から実現できるようになり、業務の生産性が向上した。

遠隔指導、Raspberry Pi、MotionEye、カメラ、キャプチャ、IP電話 R4~R5 研究報告(PDF:491KB)

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外部資金導入研究(3テーマ)

(独)日本学術振興会 科学研究費助成事業(2テーマ)

令和2~5年度に、独立行政法人日本学術振興会の「科学研究費助成事業」を利用して実施した研究です。

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1

福祉用具の開発および利活用の促進のための、安全性・機能性担保方策の探求

車椅子、車椅子用座クッション、規格、コスト R2~R5 研究報告(PDF:553KB)

車椅子及び姿勢保持用具について、ISO規格の開発に際して「試験実施コスト」への配慮が足りないという課題があった。そこで、本研究では、「既存試験規格と同等の妥当性や信頼性を有しながら、実施に関連するコストが低減された代替案」を考案することを目的とした。車椅子試験用ダミーについては、研究の過程でその妥当性に疑義があることを見出し、これを低コストで解決する方法を考案した。座クッションのせん断特性計測方法については、大型門型加圧装置ではなく、既に普及している物品を重りとして使用する方法を案出した。そして、両案をISO会議で発表し、正式な検討議題とさせることができた。

2

麺製品の風味形成に影響する生地中の酸化酵素の挙動とその制御

小麦、揮発性成分、リポキシゲナーゼアイソザイム、過酸化脂肪酸 R2~R5 研究報告(PDF:555KB)
麺製品の風味形成に影響するリポキシゲナーゼ(LOX)の挙動の把握とその制御方法の検討のため、小麦粉中のアイソザイム組成と小麦粉生地から生成する揮発性成分の品種間差を解析した。その結果、農林61号では過酸化脂肪酸の中で不飽和アルデヒド類が生成しやすい13-過酸化脂肪酸を生成するLOX-3の割合が高いことが明らかとなった。このことから麺にした際の特徴的な風味へ大きな影響を与えていると考えられた。一方、カロテノイドは揮発性成分生成に抑制的に働くことが知られており、酵素に特徴がある品種とカロテノイドの多い品種とをブレンドすることで、風味の制御が可能ではないかと考えられた。

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(公財)御器谷(みきや)科学技術財団(1テーマ)

令和5年度に、公益財団法人御器谷科学技術財団の研究開発助成事業を利用して実施した研究です。

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1

新規電解質構造体によるスーパーハイレートリチウムイオン電池の創製

リチウムイオン電池、セパレータ、セルロース、発泡メラミン樹脂 R5 研究報告(PDF:593KB)
本研究の意義は、新規電解質構造体によりリチウムイオン電池(LiB)のハイレート化を達成することである。これにより、電気自動車のブレーキ時におけるエネルギー回生率の向上が可能となり、また、ドローン離陸時の電池負荷を低減して、電池の高寿命化が可能となる。本研究の特色は、この電解質媒体が電解液を充填した高反発性の三次元網目構造を有する発泡メラミン(MLM)を圧縮した構造であることにある。この構造により充放電に伴う電極の体積膨張・収縮に対して、追随が可能となり、電解液の不均一部(液切れ)が抑制され、イオン移動抵抗が減少する。この結果、ハイレート化が可能となる。なお、MLMは防音材、洗浄用具として量産され、本セパレータはコスト低減が期待される。

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令和5年度研究報告 全収録版

令和5年度研究を1冊にまとめて収録した、「令和5年度研究報告(PDF:10,048KB)」です。

 

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