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掲載日:2023年7月14日
Q 中屋敷慎一 議員(自民)
チャットGPTに代表される生成AIは、これまで人間が行っていた何かを作り出す仕事をも代替し得る大きな可能性を持つと言われています。全国の自治体に先駆けて試験導入した横須賀市では、41日間で約2万6000件の活用があり、使用した職員の8割以上が「仕事の効率が上がる」と回答し、継続利用したい旨の意を示したとのことです。そして、東京都では、小池百合子知事がこの8月から全部局で活用する旨、都議会本会議で明らかにしています。一方で、欧米における規制強化の動きが示すように、誤情報の拡散や情報流出などそのリスクも数多く指摘されています。
現在、本県は、DXの推進による業務効率化を積極的に進めています。また、県民1人当たりの職員数が全国一少ない状況の中で、新たな行政課題に対応するためにも生成AIを導入するメリットは大きいものと考えます。知事も先月末の記者会見で、「公開されている会議の議事録の要約など、リスクの小さい業務から導入することを前提に検討する」との前向きな発言をされています。
生成AIの活用により職員の仕事の効率が上がることで、限られたリソースを新たな課題解決に振り向けることができるでしょうし、教育や福祉分野など人でなければできない業務への人的集中のチャンスができ、県民の利益向上へもつながるのではないでしょうか。
しかし、その一方で、個人情報を扱い、防災や医療、危機管理等、情報発信に高度な信頼性が求められる県として、情報流出や誤情報の拡散などはあってはならない事態です。また、教育の現場での利活用についても、県内小・中学校で1人1台端末が整備され、高校でも同様の取組が進む中で、児童生徒が自ら考える力、つまり生きる力を育成していくためには、その扱い方が極めて重要な課題となります。
これらを踏まえて、今後どの分野で活用することを想定し、どこから着手し、どのように拡大していくのでしょうか。また、利活用する職員や教員、児童生徒のリテラシー向上を含め、リスクをどう想定し、どのように対処していくのでしょうか。知事部局については知事に、教育局については日吉教育長にお尋ねします。
A 大野元裕 知事
生成AIの出現は、パソコンやインターネットの発明に相当すると言われるように、私たちの働き方を大きく変える可能性があると考えます。生成AIは文章の要約、様々な文案やプログラムコードの作成など、行政の幅広い分野や業務に活用できる多彩な機能を有しております。これらを使いこなすためには、プロンプトと呼ばれるAIへの指示の出し方が重要であり、的確なプロンプトを書く能力を持つ職員が増える必要があります。そこで、まずは文案作成やアイディア出しなど比較的簡単な業務から生成AIを導入し、職員がAIとのやり取りを重ねながら、プロンプトのスキルを高めていきたいと考えています。
また、生成AIには情報流出のリスクもあるため、個人情報等は入力を禁止するなど、一定のルールを定めたガイドラインが必要となります。
このため、現在、情報漏えいや著作権侵害等のリスクを想定し、安全に生成AIを利用できる方法につき、情報収集をしながら、生成AIの利用に関わるガイドラインの策定準備を進めているところでございます。
ガイドラインの策定など安全に利用できる環境を整え、職員のリテラシーを高める研修等の準備ができた段階で、まずは試行として県庁内で完結する業務から生成AIの利用を開始したいと考えております。
A 日吉亨 教育長
中屋敷慎一議員の御質問3「チャットGPTなど生成AIの行政活用について」お答えを申し上げます。
私は、誰一人取り残すことのない教育を進めるため、個別最適化された学びや主体的・対話的で深い学びのより一層の推進を図り、児童生徒の「確かな学力」を育んでいくことを念頭に教育行政を展開していきたいと考えております。そのためには、ICTを活用した教育を積極的に展開することは大変重要であり、その更なる推進を図っていく所存であります。
こうした中、生成AIなどの新たなテクノロジーについて、児童生徒の学習の参考や教員の授業改善など教育活動上有効と考えられるものについては、積極的に取り入れていきたいと考えております。
例えば、考えをまとめる段階で、他に考えるべき観点はないか確認するために生成AIを活用し、考えを広げ深める学習活動に拡大していくなどが考えられます。
一方、読書感想文を生成AIで作成して提出するというような、思考力や創造性への望ましくない影響や情報流出などの懸念も指摘されています。そのため、生成AIをどのように使いこなすかといった情報リテラシーを身に付けていくことが重要であり、こうした観点からの教員研修や児童生徒に対する指導から取り組んでいくことが必要と考えます。県といたしましては、国において策定が進められている、生成AIの取扱いに関するガイドラインを踏まえ、教員や児童生徒が生成AIを適切に活用していけるよう取り組んでまいります。
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