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掲載日:2022年10月19日

令和4年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(岡地 優議員)

部活動の地域移行について - 部活動の大きな転換点としての地域移行について

Q   岡地 優 議員(自民)

公立学校の休日の運動部活動をスポーツクラブなど地域の民間団体に段階的に移行していく部活動の地域移行が動き出しております。長く中学校の教員に支えられてきた部活動の改革となります。
スポーツ庁は、まず休日の部活動の移行を第一ハードルに、2023年から3年間、改革集中期間と明確に設定し、この問題がいかに喫緊の課題であるかを象徴しています。
スポーツ庁の有識者会議が移行に当たっての提言を6月にまとめ、7月末には、同庁の室伏広治長官が地域移行に関する協力要請文を日本スポーツ協会(JSPO)、日本中学校体育連盟、スポーツ安全協会の3団体に提出しました。
長官は、子供たちの多彩なスポーツの機会を確保するため、地域移行を前に進めていくと3団体との強い連携を掲げ、日本スポーツ協会には、受皿となる団体や指導者の質、量の確保、日本中学校体育連盟には、主催する大会に地域のスポーツ団体等が出場できるよう参加資格の見直しを、スポーツ安全協会には、スポーツクラブなどでの活動への部活動と同程度の補償を求めました。9月には、日本スポーツ協会が加盟団体ミーティングを開催し、今後はスポーツ界が一丸となって、運動部活動の地域移行の取組を推し進めていくとのことです。
中学校の部活動を地域移行する方針の背景には、現代社会が抱える問題点が存在します。
一つは、少子化の深刻な影響です。
令和4年度の全国の中学校の生徒数、国公立・私立全数は320万5,226人と、前年から2万4,472人減少し、過去最高だった1962年の732万8,344人と比較すると、実に43.7%と半数以下となる深刻な少子化が浮き彫りになります。こうした中で、中学校の部活動に部員が集まらずに活動が立ち行かず、部活動の小規模化が進んでいます。
もう一点は、長く問題とされてきた教員の労働時間です。
2018年、経済協力開発機構(OECD)が加盟国を含む48か国の中学校の教職員を対象に実施した調査では、日本の教職員の仕事時間は週56時間に及び、3か国平均38.3時間を大幅に超過しました。中でも、部活動などの課外活動の指導が週7.5時間、3か国平均1.9時間を占め、重圧となっている実態が明らかにされました。
これらの社会問題を背景に、部活動改革が動き出しました。
そこで、お伺いいたします。
スポーツ庁と文化庁がスポーツクラブや音楽教室などの地域の民間団体に指導や運営を委ねる地域移行を3年間かけて進めるということですが、長年学校が担ってきた部活動の大きな転換点になると思われます。実現には様々な課題が山積しておりますが、休日の部活動の地域移行は、学校における部活動の制度改革への第一歩と考えられます。
埼玉県として、部活動の地域移行についてどのようにお考えか、知事の所見をお伺いいたします。

A 大野元裕   知事

部活動は、学校の教育活動の一環として、多くの生徒がこれを通じ、思いやりの心や自主性・社会性を育み、豊かな人間関係を構築して生涯の友人を得るなど、かけがえのない経験を与えてまいりました。
また、これまで我が国のスポーツや文化・芸術等の基盤を支える役割も担ってまいりました。
他方、急激な高齢化、少子化といった時代の流れに加え、子供を取り巻く環境変化に伴い、部活動を支えるこれまでの仕組みが成り立たなくなってきている状況にある中、時代に即して新たな枠組みをつくり、部活動を地域へ移行する改革が進められているものと考えております。
この改革は、これまで長年、学校が担ってきた部活動の大きな転換となることから、国の有識者会議の提言にも示されているとおり、指導者の確保など様々な課題があることも承知をしております。
また、地域移行に伴う担い手不足等により十分に部活動が行われない場合、子供たちの体力低下への懸念や休日の過ごし方などの課題を指摘する声もございます。
現時点では、国において、有識者の見解が示された段階で、明確なビジョンは示されておらず、地域移行の実施を担うとされた市町村にとっては展望を描けずに困惑をしているとも聞いております。 
私は、地域移行を進める上では、指摘されている課題に丁寧に向き合うと同時に、子供たち重視の視点に立ち、これまで培われた部活動の良さを損なわないことが大切と考えております。
教育委員会には、そうした視点を念頭に、生徒、保護者のニーズを踏まえながら、丁寧に進めていただきたいと考えております。
県といたしましても、国に対し必要な要望を行うなど、市町村の取組を支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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