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ページ番号:224004
掲載日:2022年10月19日
Q 金野桃子 議員(県民)
ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシという森林病害虫がナラ類、シイ、カシ類の樹木に潜入し、カビの一種であるナラ菌を感染させることで樹木を枯死させる伝染病です。ナラ枯れは、山火事や倒木のおそれなどがありますが、併せて恐ろしいことは、ナラ枯れが発生した樹林地では、触れるだけで皮膚がただれ、食べた場合に死亡例もある猛毒のキノコ、カエンタケが発生しやすいことです。
私が調べた限りでは、狭山市、三芳町、日高市、越生町、鶴ヶ島市、長瀞町、飯能市、寄居町、深谷市などで既にナラ枯れが報告されており、カエンタケについては、9月26日付け読売新聞によれば、狭山丘陵の広がる埼玉県西部で相次いで見つかっており、トトロの森、県立さいたま緑の森博物館などでも相次いで発見されているようです。
カシノナガキクイムシは、健全な樹木を次々に枯死させ、1本の枯れ木に1万匹以上いると言われています。ナラ枯れ防止のためには、樹木に薬剤を注入し、ビニールを巻いて保護する処置が必要となります。一般社団法人日本森林技術協会によれば、被害の監視、防除、被害材の行動制限など総合的に進める必要があり、都道府県単位など広域の協議会を開催し、共通認識を持って役割を分担する体制づくりが重要とのことです。
埼玉県としては、既に令和4年度に森林病害虫防除事業として480万円を充てていますが、早急に被害状況の現状把握をし、協議会等必要な組織体制を整備し、予算的措置を含めて対策を強化すべきだと考えますが、農林部長にお伺いいたします。
また、カエンタケについて、8月に狭山保健所長が管内市長宛てに注意喚起文書を発出していますが、県内の公園などでも相次いで確認されており、ペットにも注意が必要です。更なる啓発及び注意喚起が必要だと考えますが、保健医療部長にお伺いいたします。
A 小畑幹 農林部長
ナラ枯れ対策を強化すべきについてお答えを申し上げます。
ナラ枯れは防除が大変難しい病害です。全国的に猛威をふるっており、本県でも急速に被害が拡大しています。
本県では、県民等からのナラ枯れの被害の情報を市町村がとりまとめて県に報告する仕組みとなっており、本年9月までに26市町で被害を確認しています。
現在の被害拡大状況を踏まえ、今後、これまでの情報収集に留まらず、県、市町村、森林組合等の関係機関で共通認識を持ち、役割を分担して対策を行うための組織体制の整備を進めてまいります。
議員御指摘のナラ枯れに伴う倒木や山火事の恐れ、ナラ枯れ被害地でのカエンタケが発生している状況も踏まえ、地域住民への悪影響が強く懸念されるところから対策を講じていく必要があると考えています。
例えば、公園、人家、登山道の周辺などの人通りのある場所や、三富地域など景観を守る重要性の高い森林について、重点的に対策を講じていくことが考えられます。
現場での防除対策について、県では市町村に対して必要な知識の周知と技術指導を行うとともに、森林環境譲与税などの活用を促してまいります。
今後は、関係機関が連携して対策を強化し、ナラ枯れによる県民生活への悪影響の防止に取り組んでまいります。
A 山崎達也 保健医療部長
更なる市民啓発及び注意喚起についてでございます。
カエンタケは、夏から秋に、ナラなどの枯れ木付近に発生する、極めて毒性の強いキノコです。
議員御指摘のとおり、ペットが誤って口にした場合の被害も懸念されます。
本県では、県内の公園等でのカエンタケの発生を受け、8月からホームページで注意喚起するとともに、市町村をはじめ県内スーパーなど21事業所に対して毒キノコへの注意を促す通知を送付するなど、県民への周知について協力を依頼しました。
今後も注意が必要であることから、改めて公園管理者など関係機関に通知するとともに、SNSなどあらゆる媒体を活用しながら、広く県民に呼び掛けてまいります。
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