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ページ番号:206410
掲載日:2024年10月17日
Q 権守幸男 議員(公明)
コンセプションは受胎の意味、お腹の中に新しい命を授かること。プレコンセプションケア、以下PCCとします。
PCCとは、男女が早い時期から妊娠、出産の知識を持ち、自分の生活や心と体の健康への意識を高め、人生設計の参考にする考え方です。つまり、女性が望む人生設計のために正しい健康知識を与え、備えることを目的としています。
もともとはアメリカCDCが推奨し、WHOが妊娠前の女性とカップルに医学的、行動学的、社会的な保健介入を行うことと定義しました。日本では、近年の女性の低栄養や働く女性の健康問題、不妊治療や低出生体重児の増加などにより、PCCの必要性が注目され始めました。国立成育医療研究センターが設立したプレコンセプションセンターをはじめ、PCCを推奨する医療機関や医師が増えつつあります。自治体では、福岡市が今年7月から30歳の女性を対象に卵巣機能を調べる血液検査費への助成を始めたことが話題になりました。
PCCが必要な時期は、小学校高学年から40歳半ばまでと言われています。例えば、学校教育にPCCを取り入れ、子供たちが小さい時期から自分の健康と人生設計について考えるきっかけづくりを行うなど、県民が将来望む人生に必要な情報を知り、備えられるようにしていくべきと考えます。
これに対し、現在の県の状況と今後の取組について、保健医療部長と教育長の見解をお聞きします。
A 関本建二 保健医療部長
妊娠、出産や心と体の健康に関して正しい知識を持ち、人生設計を若いうちから意識することは、望む将来を実現する上で大切なことです。
県では毎年、中学生から大学生までを対象とした助産師による講義や、養護教諭等への思春期保健に関する研修会を実施し、正しい知識の普及啓発を行っています。
令和2年度の研修会は100名以上の養護教諭が参加し、授業のヒントが得られた、他の教職員にも伝えたい、といった感想をいただきました。
また、妊娠と不妊の啓発冊子である「願うときにこうのとりは来ますか?」を高校2年生全員に配布し、各学校で活用していただいております。
今後も引き続きこうした事業に取り組むほか、学校を卒業し社会へ出た方への啓発も検討していく必要があります。
20代から40代の中には、仕事や趣味で忙しく、自身の健康管理が疎かになる方もいます。こうした世代の方にも、将来の妊娠・出産も含めた自身の健康等について、改めて意識していただくことが大切です。
そのため、幅広い世代の方に妊娠、出産や心と体の健康に目を向けていただけるよう、ホームページ等を通じて広くプレコンセプションケアという考え方について、情報発信に取り組んでまいります。
A 高田直芳 教育長
児童生徒が、妊娠・出産に関連する内容を含む、健康に関する知識や態度を身に付けることは、生涯に渡ってより良い健康的な生活を営んでいく上で重要であると認識しております。
学校における健康に関する指導は、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達の段階を考慮し、学校の教育活動全体を通じて行っております。
例えば、妊娠・出産に関連する内容としましては、小学校では「体の発育・発達」、中学校では「心身の発達と心の健康」、また高校では「生涯を通じる健康」の単元で扱っております。
これらの学習においては、飲酒、喫煙による影響や性感染症の予防など、プレコンセプションケアに関連する内容も学んでおります。
今後も、児童生徒が、将来のために必要な知識を身に付け、自らの人生に生かせるよう、プレコンセプションケアを含めた健康教育を推進してまいります。
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