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掲載日:2023年12月20日
Q 秋山もえ 議員(共産党)
コロナ禍で女性を取り巻く雇用状況や生活環境が急激に悪化し、自ら命を絶つ女性が急増しています。10月には851人と、これは前年同月比の1.8倍です。DV相談件数も昨年を上回るペースとなっています。
背景として指摘されているのが、コロナで打撃を受けた飲食業やサービス業には女性の割合が高いということです。しかも、その多くは非正規雇用です。総務省の労働力調査によると、4月の女性雇用者数は3月から約74万人減少しています。正に第3波のただ中にある今、女性への支援の強化が急がれます。
9月の質問でも我が党県議が取り上げましたが、ひとり親家庭への支援は待ったなしです。初めて食料支援を行ったセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンには悲痛な声が寄せられ、ひとり親家庭の九割の方は現金給付を要望しています。福祉部長、是非県として現金給付や食料支援の実施に踏み出していただきたい。答弁を求めます。
このような状況下で、男女共同参画推進センターWith You さいたまの果たす役割は非常に重要です。10月はWith You さいたまへの相談が前年度の約1.5倍になりました。With You さいたまは、全国に先駆けて埼玉県が制定した男女共同参画推進条例に基づき設置されました。女性の生きづらさに寄り添い、相談業務、情報提供、イベントの開催、自主的な活動支援を実施するなど、大きな力を発揮しています。しかしながら、With You さいたまで相談業務に当たる職員は、会計年度任用職員です。
そこで、知事に伺います。コロナ禍においてますます重要となるWith You さいたまの果たすべき役割とその位置付けについて答弁を求めます。
また、相談員の正規化について、県民生活部長、お答えください。
また、DV証明が発行できる配偶者暴力相談支援センターを全ての市町村に設置することも大きな課題となっています。現在、県内20市しか設置されていません。そのため、設置されていない43市町村に住むDV被害者は、With You さいたまにDV証明を取りにいかなくてはなりません。各市町村に配偶者暴力相談支援センターを設置することについて、県民生活部長、答弁を求めます。
コロナ禍で子どもたちへの虐待件数も増えています。虐待を受けた子どもたちは児童相談所で保護され、一時保護所などで過ごすことになりますが、県内には一時保護所が4カ所しかなく常に満杯です。
先日、一時保護所の改善が必要だと、関東地方の若手の専門職の方たちが「いちほの会」という会を立ち上げ、交流と勉強会を重ねていることが東京新聞で報じられました。東京都の一時保護所のルールでは、男女で目を合わせてはいけない、食事中は会話禁止、私服禁止で施設が用意した服や下着をつけるなど、行き過ぎたルールがあり問題になっています。
私が相談を受けた女子高校生は、埼玉県の一時保護所に保護されるに当たり全裸での検査が行われショックを受け、「もう二度と一時保護所には入りたくない。刑務所みたい」と悲痛に訴えていました。厚労省は今年の3月に、一時保護所についての運営ガイドラインで、「子どもの権利が尊重され、安心して生活できるような体制を保つよう留意する」と示しました。保護されるべき子どもたちの人権が無視されるような場であってはなりません。県一時保護所内のルールの改定について、福祉部長、お答えください。
また、県一時保護所が県内四か所というのは余りにも少な過ぎます。熊谷児童相談所に一時保護所が設置されますが、7カ所全ての児童相談所に対応する一時保護所を設置すべきです。また、職員体制の強化、専門性の蓄積について、福祉部長、お答えください。
A 大野元裕 知事
コロナ禍においてますます重要となるWith Youさいたまの果たすべき役割とその位置付けについてでございます。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、私たちの社会活動や日常生活は極めて甚大な影響を受けています。
とりわけ、議員御指摘のとおり女性への影響が大きく、失業問題をはじめ家事・育児や介護の負担増、さらにはDV被害などの増加や深刻化が懸念をされています。
男女共同参画推進センターWithYouさいたまはこうした社会的に弱い立場にある女性の支援を行っています。
女性の抱える様々な問題は、例えばコロナ禍により仕事を失うことで家庭内での時間が増え、経済的な困窮とあいまって結果的にDVに発展するなど、複合的に絡み合っていると思います。
そこで、With Youさいたまでは、相談員が女性一人ひとりの困難に寄り添いながら、その解決に向けて丁寧に相談に応じています。
その上で、経済的に困窮されている方には福祉の支援について助言をしたり、職を求めている方には女性キャリアセンターと連携して対応をしています。
また、DV被害者には、いわゆるDV防止法に基づく配偶者暴力相談支援センターとして被害者支援を行ったり、避難が必要な場合には婦人相談センターの一時保護へとつなぎます。
困難に直面する女性が「自立した生活」と「生き生きとした人生」を取り戻すための県民に寄り添う最前線の機関が、With Youさいたまであります。
あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現を目指す共生社会づくりの拠点と位置付け、
With Youさいたまの役割をしっかりと果していきたいと思います。
A 山崎達也 福祉部長
ひとり親に対し県として現金給付や食糧支援の実施に踏み出していただきたいがいかがかについてお答えを申し上げます。
現金給付については、ひとり親世帯臨時特別給付金を、予備費を活用し年内を目途に再支給するとされましたので、県としては正式な通知等があり次第、迅速に支給できるよう努めます。
食糧支援については、埼玉県はひとり親世帯等に食材を配布するフードパントリー活動が全国の中でも大変活発に行われており、今年1月に10件だった団体活動が10月には40件に急増しています。
子ども食堂でも、お弁当や食材の配布など、形を変えての支援を実施しているため、こうした活動が積極的に実施されるよう、県では食材のマッチングなど様々な支援を行っています。
必要な方に支援が行き届くよう、市町村担当課や小中学校に対し、ひとり親家庭への周知をお願いするなど、コロナ禍でもひとり親家庭の方が取り残されることのないよう、しっかりと支援してまいります。
次に、児童相談所の一時保護所内のルール改定についてでございます。
議員お話しの、男女で目を合わせてはいけない、食事中は会話禁止等、新聞報道されたようなルールは本県では設けておりません。
国のガイドラインに基づき、保護された理由を他の児童に聞かない・話さない、暴力暴言の禁止等、プライバシーや安全を守るために必要なルールを設定しています。
また、身体検査については、傷やあざがないかの確認や危険物の持ち込み防止のため、児童に必要性を説明し、同意を得た上で最小限の範囲で行っております。
今後も、一時保護所の運営に当たっては、児童の権利が尊重され、安心して生活できるよう努めてまいります。
次に、すべての児童相談所への一時保護所設置、職員体制の強化及び専門性の蓄積についてでございます。
一時保護所のない児童相談所は、職員が一時保護中の児童との面接をタイムリーに行えないなど、きめ細かなフォローが難しい場合もあります。
そこで、まずは一時保護所がない県北部地域に、熊谷児童相談所の建て替えに合わせ一時保護所を設置する予定です。
今後も、新たな一時保護所の設置について検討してまいります。
職員体制の強化については、令和2年度に児童福祉司を52名、児童心理司を7名増員し、児童虐待対応と一時保護児童への対応の充実を図っております。
また、専門性の蓄積については、医師等の専門家による研修や性的虐待等の困難事案に関する研修を実施し、専門的な知識やスキルの習得に努めています。
今後も、更なる職員体制の強化と専門性の向上に取り組んでまいります。
A 山野均 県民生活部長
With You さいたま相談員の正規化について、お答えを申し上げます。
With You さいたまでは8人の相談員の方が、女性の抱える様々な悩みについて、電話や面談で年間約9,000件、相談に対応していただいております。
相談内容は、就労やDV、人間関係など様々でございます。中には心の悩みを抱えている方もいらっしゃいます。
そのため、公認心理師や社会福祉士、精神保健福祉士など、専門的な知識とスキルを持つ相談員を、バランス良く配置をしております。
相談員の皆さんは、高い社会的使命感の下、日々困難を抱える女性の相談にあたっていただいております。
県といたしましては、まずは本年4月から施行された会計年度任用制度の定着を見極めてまいりたいと存じます。
次に、配偶者暴力相談支援センターの設置についてです。
配偶者暴力相談支援センターはDV防止法に基づき、DV被害の防止と被害者の保護を図る中心的な役割を果たしております。
本県では婦人相談センターと男女共同参画センターの他、20の市で設置されております。
DV相談者からの相談などに迅速に対応するとともに、避難後も自立に向けた支援を総合的に実施していくためには、身近な相談窓口である市町村に配偶者暴力相談支援センターを設置することが必要です。
そこで、県ではDV防止基本計画に「市町村における相談機能等強化への支援」を重点施策として掲げ、センター設置のための手引きを作成するなど、市町村での設置を後押ししております。
現在人口10万人以上で未設置の市が10ありますので、ここには重点的に職員が訪問しセンターの設置を個別に働き掛けております。
コロナ禍の中で、ますますきめ細かなDV被害者支援が求められております。
より多くの市町村に配偶者暴力相談支援センターが設置されますよう、しっかりと取り組んでまいります。
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