トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和2年2月定例会 > 令和2年2月定例会 代表質問・一般質問 質疑質問・答弁全文 > 3月3日(火曜日) > 諸井真英(自民) > 令和2年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(諸井真英議員)
ここから本文です。
ページ番号:174664
掲載日:2020年3月31日
Q 諸井真英 議員(自民)
小松教育長は、今年6月をもって就任以来3年となり、任期を迎えます。就任時にはいろいろなことがありましたが、「埼玉県の良いところは伸ばして教育を前進させる」と抱負を述べられていたことを覚えております。しかし、この3年間の埼玉県の教育行政を振り返ったとき、印象に残るのは教員のわいせつ事案や障害者雇用の問題、いじめの問題など、不祥事への対応、問題の処理に追われていたことばかりであります。もちろん不祥事は教育長一人の責任ではありませんが、一方、埼玉県の教育を前進させた事例、実績については、なかなか思い出せないというのは残念であります。
そこで、小松教育長は何を成し遂げて、埼玉県に何を残したのか、この3年間を御自分でどのように評価されるのかについてお伺いいたします。
A 小松弥生 教育長
教育長就任以来、教員不祥事や障害者雇用の問題、臨時的任用教員の退職手当の一部支給漏れなど、県民の皆さまに御迷惑をおかけする案件があり、大変申し訳なく思っております。
また、課題解決に多くの時間を要したことも事実でございます。
一方、教育や文化の振興は、子供から大人まで県民それぞれの人生を豊かにし、社会全体の発展の基盤をつくる大変重要なものであるとの認識の下、様々な取組も進めてまいりました。
その中から、三つの施策について御紹介をさせていただきます。
一つ目は、子供たちの学力向上です。
本県独自の施策である「埼玉県学力・学習状況調査」は、私の着任した当初は、結果の活用方法が市町村教育委員会や各学校に十分理解されているとは言えませんでした。
そこで、市町村教育委員会や学校に対して、丁寧に意義や活用方法を説明するため、県の課長や指導主事を派遣し、学力を向上させた良い実践事例などを関係者の間で共有する仕組みを作ることによって、各校での学習指導の充実に結びつけるようにいたしました。
その効果もあり、国の学力調査で全国平均を下回っていた本県の水準が、全国平均に近づくなどの成果が広く認められ、趣旨に賛同した福島県や県外6市町村でも同様の学力・学習状況調査が実施されるまでになりました。
また、この調査を継続実施して得られたビッグデータを含む学校保有のデータをAIで分析し、小中高を通じて、子供たち一人ひとりに最適な学習内容、指導方法を開発するという取組も始めました。
具体的な成果はこれからになりますが、EdTechの進展と相まって、子供たちの学習環境を大きく変える取組に着手できたと考えております。
二つ目は、学校と地域の連携です。
私は、以前から、学校で学んだことが実際に社会の中でどのように機能するのかを実感できなければ、本当に身についた学力にはならないのではないかと考えておりました。
県立高校のうち、専門高校では、企業等の御協力もあり、実社会との結びつきがございましたが、普通高校では不十分でした。
また、普通高校は、より一層地域の期待に応える存在になってもよいのではないかと感じました。
そこで、平成30年度から新たに始めたのが「学校地域WIN-WINプロジェクト」です。
この取組によって、高校生が、企業やNPO、地域コミュニティなど、学校以外の人的・物的な力をお借りして、実社会から多くのことを学べるようになりました。
また、地域にとっても、若い世代による理解が進んだり、課題解決のための新しい発想を得られたりするなどの効果が生まれております。
プロジェクトの中からは、例えば、小川町の小中学校と小川高校の児童生徒が、町の文化や歴史、産業などの理解を深め、地域活動への参画や地域の課題解決に取り組む「おがわ学」の構築に発展した事例も出ております。
三つ目は、埼玉の文化資源の魅力発信です。
小中学生の頃から地域の文化に愛着を持ち、郷土愛を育むことが重要であることから、博物館・美術館と学校が連携して、子供たちに学びの機会を提供する博学連携の取組を進めております。
また、文化財への関心が薄い若い世代に、身近な文化財に興味を持ってもらうため、「101匹の埼玉狛犬」と題し、インスタグラムを活用した新たな取組にもチャレンジいたしました。
これは、県内の狛犬の写真の投稿、投票を呼びかけたもので739件の投稿、9万6,000件近い投票があったほか、書籍化の企画も寄せられ、本県文化財の魅力を発信する上で、参加者主導で広がっていく新たな行政手法となりました。
さらに、地域総がかりで本県文化財の適切な保存活用を促進する方向性を示した「埼玉県文化財保存活用大綱」を今年度中に完成させる予定でございます。
なお、これらの取組も、県議会の御指導の下、知事をはじめ県幹部や教育委員の御理解があり、職員や学校の教職員も一緒に頑張ってくれ、そして、県民の皆さまのお力添えがあってこそできたものと感謝をしております。
近い将来、これらのまいた種が花を咲かせ、社会の持続的な発展を支える多様な人材が、埼玉県から世界に羽ばたいてくれることと信じております。
教育長としての任期は残りわずかになりましたが、本県の教育、文化の振興のために、引き続き全力で取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください