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掲載日:2022年10月12日

令和元年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山根史子議員)

性的少数者(LGBTなど)の諸課題について

Q   山根史子  議員(民主フォーラム

平成28年9月定例会での私の一般質問に対し、当時、上田知事が性的少数者、いわゆるLGBTなどの方への差別を解消するための条例制定の準備を進めると答弁してから3年が経過しました。質問当時、いわゆるパートナーシップ制度は全国5つの自治体で導入しておりましたが、現在は26自治体で導入されております。たった3年で5倍以上となった背景には、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて性的指向に対する差別を許してはいけないという自治体の積極的な姿勢を示す必要があること、また人口減少社会を迎える中で、自治体は多様性を認め合う社会づくりの必要に迫られているという現状がうかがえます。
埼玉県にも、差別や偏見にさらされることを恐れ、ひっそり生きることを余儀なくされている性的少数者の方々が居住しております。自分らしい生き方を貫きたい、誰もが住みやすい魅力あるまちづくりをしていきたいという思いから、それらの方などが勇気を持って声を上げ、現在、埼玉県下13の自治体でパートナーシップ制度を求める請願・陳情が採択されております。しかし、これらの自治体も近隣の自治体や県、国の動向をうかがう余り、制度導入に踏み込めていないのが現状です。
私の知人にも、性的少数者の方が多くいます。北海道に住んでいたゲイの知人は、母親にゲイであることをカミングアウトしたところ、「ゲイであることを墓場まで持っていきなさい」と言われ、隠すことの苦しみから逃れるために上京をしました。その後、母親が住む自治体でパートナーシップ制度が導入されると、母親は息子に自分の言ったことを謝罪し、「市があなたみたいな子でも堂々と暮らしていいって認めてくれたんだよ。だから戻っておいで」と言ってくれたそうです。制度創設が人の意識を変えたのです。特に、地方や規模が小さい自治体では伝統的な家族観がより強い傾向にあり、根強い性的少数者への偏見と誤解があります。そして、これを解消することは喫緊の課題であると思います。
去る7月に、茨城県知事が都道府県で初となるパートナーシップ宣誓制度の導入を表明しました。その後、茨城県は県下に同制度の適用を呼び掛け、それに呼応した市町村が次々と同性カップルの市民病院における緊急手術の同意や病状説明への立会い、公営住宅の入居などを認め始めました。この制度に法的な効力はないとはいえ、県としてパートナーシップ制度を宣誓することで、基礎自治体の判断に大きな影響を与えております。
埼玉県は、東京オリンピック・パラリンピックの開催地や合宿地が点在しており、国際都市の責任としてもこの問題に積極果敢に取り組む必要があります。県下の民間企業は、自治体より早く同性カップルの福利厚生の適用や死亡保険金の受取りなど、性的マイノリティーの方々が差別を受けずに自分らしく働き、暮らしていける取組などを進められております。県内63にも及ぶ基礎自治体が性的少数者の人権を守れるよう、埼玉県でパートナーシップ制度を導入していただきたいと考えます。県内に暮らす多くの性的少数者の方は、知事が掲げたLGBTなどの権利を守るという公約に大いに期待をしております。知事の御見解を伺います。

A   大野元裕   知事

パートナーシップ制度は、市町村が窓口業務を行っている婚姻届出制度に代わるものとして、当事者が求めているものと理解をしています。
このため、パートナーシップ制度は、市町村において十分議論をして導入の是非を検討していくことが必要であると考えております。
現在、さいたま市と川越市において、「制度創設に向け検討をしている。」と伺っております。
県といたしましては、まずは市町村からのパートナーシップ制度についての問合せに応じて、先行事例などを情報提供するという形で支援をしてまいります。
山根史子議員におかれましては、性的少数者の諸課題について、これまでも取り組んでこられましたが、私も、LGBTQをはじめとするあらゆる人に居場所のある社会を構築することが重要と考えております。
LGBTQの方への周囲の無理解による偏見、例えば職場や学校における嫌がらせや、からかい、また、避けられたりすることなどは社会の中にまだまだあると考えています。
特に、LGBTQなど性のあり方に悩む子供たちは、親に理解もされず一人で苦しんでいるとの報道も目にすることが多くなりました。
今後、子供たちの問題を含めLGBTQの実態を調査した上で、社会全体で正しく理解されるよう必要な支援を検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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