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掲載日:2024年10月8日
Q 松坂喜浩 議員(改革)
まず、児童心理治療施設とは、児童福祉法に定められた児童福祉施設で、児童心理問題を抱え、日常生活の多岐にわたり支障を来している子供たちに、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療を中心に学校教育との緊密な連携による総合的な治療、支援を行う施設であります。児童心理治療施設が援助の対象としているのは、家庭や学校での人間関係や虐待などが原因で不登校や自傷、他害など心理的、環境的に不適応を示している子供たちです。施設への入所、通所は児童相談所が適当と認めた場合に措置として決定されています。
この児童心理施設でありますが、現在、県内には、子どもの心のケアハウス嵐山学園の1か所しかありません。嵐山学園には、小学生から中学生までの子供たちが入所しております。児童心理を専門とする医師が常駐するとともに、敷地内に併設された東松山特別支援学校の分教室へ通えるなど、手厚い支援体制がとられています。
定員は50人ですが、入所の措置が必要な子供が定員を上回る状況が常態化しており、今年9月1日時点で7人の子供が県外の施設への入所を余儀なくされています。さらには、県外の施設にも入所できずに待機している子供が10人、そのうち7人は2か月以上、児童相談所の一時保護所に保護されたままになっております。法律上、一時保護の期間は原則2か月を超えてはならないとされており、一時保護の長期化や一時保護所の定員超過といった問題にもつながっています。
入所すべき子供が入所できない現状を直ちに解決する必要があります。入所待機児童をゼロにするとともに、埼玉県内の子供を県外に送らずに済むよう、嵐山学園の定員増や施設の新設など、児童心理治療施設の充実は急務であると考えますが、上田知事の御所見をお伺いいたします。
また、昨年も特別養子縁組、里親の推進を一般質問で取り上げさせていただきましたが、一時保護が受けられる里親を大幅に増やすことは、まだまだ厳しいのではと思います。そこで、一時保護所から里親や児童養護施設への待機児童も多いことから、児童養護施設の増設についても必要と考えますが、併せて上田知事の考えをお伺いします。
A 上田清司 知事
まず、児童心理治療施設の充実についてでございます。
虐待などで心に傷を負い、心理治療を必要とする児童が入所する児童心理治療施設として、県内では平成19年に「こどもの心のケアハウス嵐山学園」が社会福祉法人により嵐山町に開設されました。
心理治療、生活指導、教育、医療の4つを柱とし、医師や心理士、特別支援学校の教員などのスタッフがきめ細かなサービスを行っております。
近年、児童虐待の増加に伴いこうした施設で心理治療を必要とする児童も増加しています。
他県の施設とも連携し入所先の確保に努めていますが、施設が満員で待機を余儀なくされ、その結果一時保護が長期化する傾向にもございます。
児童心理治療施設は医師、心理士など専門スタッフの確保が必要となるほか、もっぱら処遇困難な児童を受け入れるため施設運営の困難性も高いと聞いております。
また、施設の定員増や新設については、ただいま申し上げましたように様々な困難な課題がございます。設置者は実は、施設をさらに充実させることに強く関心を持っておられます。
従いまして、設置主体者である社会福祉法人と十分に意見を交換した上で、児童心理治療施設の充実に向けて県としてできるだけしっかりと支援をさせていただきたいと考えております。
次に、児童養護施設の増設についてでございます。
児童養護施設については家庭養育や施設の小規模化を進める国の方針によって、入所定員が徐々に縮小されています。
こうした中、議員御指摘のとおり入所に待機を必要とする場合も生じています。
現在、県内で児童養護施設を運営する社会福祉法人と協議を行い、小規模施設の増設や既存定員の維持を働き掛けているところでございます。
引き続き、こうした協議を行うとともに里親委託の推進を図るなど社会的養護の受け皿確保に努めてまいります。
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