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掲載日:2024年10月8日
Q 松坂喜浩 議員(改革)
今年6月の新聞紙面にて、「がん検診受診5割未満 県優秀例の分析へ」とありました。少し新聞の記事をかりますが、県内のがん検診受診率が低調だ。胃、大腸、肺、乳房、子宮の主要5部位で1年以内に検診を受診した人は、2016年6月時点の調査でいずれも5割未満にとどまり、国が提示した目標に届かなかったわけであります。県は、受診率向上につなげるため、今年度から受診率の高い都道府県などの分析に乗り出すとしております。
日本は、2人に1人が生涯でがんにり患する国であります。国立がん研究センターの予測によりますと、年間約101万人が新たにがんと診断され、約38万人がこの病で命を落としています。国民の2人に1人はかかるがんの早期発見、早期治療の上で重要なことは検診の受診ですが、受診率は芳しくありません。部位ごとの都道府県順位も埼玉県は29位から38位と低い状況です。勧奨を行わなければと思います。
現在、市町村は住民のがん検診受診率向上に向けて、対象者への受診勧奨や検診を受けやすくする取組を行っています。昨年度の具体的な取組といたしましては、土日の検診実施46市町村、平日夜間の検診実施36市町村、特定健診と同時実施17市町村であります。
埼玉県は、がん検診等の受診率向上に寄与した市町村の取組を評価し、埼玉県国民健康保険特別調整交付金、総額で1億円でありますが、評価の高い上位10市町村に交付をしております。この交付金ですが、もう少し幅広く市町村を支援することが必要と考えます。例えば、交付する額の配分を変えて対象自治体を10から20に増やすことにより、より多くの市町村を支援できますので、受診率が向上する可能性もあると思いますが、上田知事の見解をお伺いいたします。
また、受診率向上に向け、成功事例の研究が進められていると思いますが、その進捗状況も併せてお伺いいたします。
A 上田清司 知事
まず、埼玉県国民健康保険特別調整交付金を活用した幅広い市町村支援についてでございます。
本県の受診率は向上していますが、他県も頑張っており相対的に全国順位は高くありません。
内閣府の調査によると、がん検診を受けない理由の第1位は「受ける時間がないから」ということになっております。
したがって、がん検診を受けやすい環境づくりが重要であります。
議員お話しのがん検診に関する交付金は、市町村の受診率の伸びや土日や夜間のがん検診の実施などを評価して、高いところから順に2,000万円から200万円までを傾斜配分しております。
この交付金により、土日にがん検診を実施する市町村数が導入前の22から46に増えるなどがん検診を受けやすい環境づくりが進みました。
交付金はがん検診以外にも、レセプトの点検体制の充実・強化、健康長寿事業、国保税徴収対策などのメニューがございます。
交付基準や各メニューごとに交付する金額については、適正な国保運営の実現という観点から毎年見直しを行っております。
議員御提案の交付金の配分先を増やすことについては、交付金の効果をきめ細かく分析した上で判断させていただきたいと思います。
次に、受診率向上の成功事例の研究の進捗状況についてでございます。
まず、地域社会のつながりが比較的強い山形県や山梨県では、健康推進員などの協力を得て住民同士が受診の声掛けを行うことによって、高い受診率となっております。
また、都市部で高い受診率となっている東京都や広島県などでは、受診率向上の効果が検証されている国立(こくりつ)がん研究センターが開発した受診勧奨モデルを活用しております。
これは自己負担が少ないがん検診のお得感と受診のきっかけとなるメッセージを盛り込んだ、住民に対する個別の受診勧奨の方法です。
例えば、「マンモグラフィを活用した乳がん検診は市町村からの補助がない場合1万円を超える高額な検査ですが、市の検査では1,000円で受診できますよ」などのメッセージをしっかり入れて受診勧奨を行うものでございます。
本県は大都市も郊外もある日本の一種の縮図でもございますので、様々な成功事例を地域の実情に応じて住民と直に向き合う市町村が選択できるように情報を提供していきたいと考えております。
なお、10月4日にこのモデルの開発に関わった専門家を講師に呼んで、市町村や健康保険組合などのがん検診担当者を対象とした研修会を開催いたします。
こうした機会を通じて、受診勧奨モデルの普及を積極的に図っていきたいと思っております。
県としては、受診率向上のため市町村と真剣に向き合って課題を克服していきたいと考えております。
当面、全国平均を上回る受診率になるよう県としてのリーダーシップを発揮していきたいと考えております。
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