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掲載日:2019年6月26日
Q 塩野正行議員(公明)
犯罪被害者やその家族などへの支援を国と地方自治体の責務と定めた犯罪被害者等基本法が施行されてから10年以上がたちました。犯罪に巻き込まれた人や家族は、心身共に大きく傷つきます。経済的な負担をはじめ、仕事や生活の面でも被害者やその家族には大きな負担が伴います。平穏な日常を取り戻すまでには様々な支援が必要です。例えば、自宅が犯罪の現場となってしまった場合、居住することができなくなり、転居費用などが発生します。精神的に大きなダメージを受けた場合、専門家によるカウンセリングが有効ですが、費用は自己負担であります。仕事を続けられなくなる方もいます。国はこの間、犯罪被害者給付金の拡充や刑事裁判への被害者参加制度の導入、先月27日には改正総合法律支援法が成立し、法テラスで行っている犯罪被害者への無料法律相談の収入要件を撤廃をいたしました。しかし、地方自治体が行うべき支援は遅れがちだと言われています。地方自治体には、被害者の負担を減らすよりきめ細かい支援が求められています。そのためには、県の財政支援の拡充が必要との思いを強くしております。
私は先月、埼玉県の性犯罪被害者支援の中核を担っている民間の埼玉犯罪被害者援助センターを訪問し、専門知識を有する相談員の方から話を伺ってまいりました。先日も紹介がありました性犯罪被害者のための専用相談電話アイリスホットラインの対応や面接相談、更には警察や病院などへの付添いなど、とても献身的に対応しておられました。頭の下がる思いであります。アイリスホットラインは、平日の8時半から17時に実施していますが、被害者がいつでも相談できる体制をつくるには、電話相談時間の拡充が必要だと思います。できれば24時間の相談体制が望ましいと思いますけれども、民間団体である同援助センターの財源には限界があります。
一方、警察も犯罪被害者支援室を設置し、対応に努力しています。性犯罪被害に伴う検査費や治療費などは警察が公費負担しております。また、警察庁は今年度から犯罪被害者にカウンセリングのための公費助成を開始しますが、警察への届け出が必要です。しかし、性犯罪の場合、被害届を出すのはごく少数であり、多くの方はこの助成の対象になりません。支援の手が届かない方々が大勢いらっしゃいます。
そこで伺います。性犯罪に限らず、殺人や傷害、DV、ストーカー、交通事故など幅広い被害者がおられます。こうした方々を総合的に支援するため、新たな条例の制定も視野に入れつつ、財政支援の充実を図るべきと考えますが、県民生活部長の御所見をお聞かせください。
A 稲葉尚子 県民生活部長
平成27年の刑法犯認知件数は73,456件と、ピーク時の平成16年に比べて約6割減少しております。
しかしながら、殺人や強姦、強制わいせつなどの痛ましい事件は後を絶たず、依然として被害に遭われる方がいらっしゃいます。
被害者やその家族は、心身の不調、医療負担などの様々な問題を抱えており、その被害の回復には多くの支援と長い時間が必要です。
そのため、現在、県、警察、埼玉犯罪被害者援助センターの三者が、相談を受けた早い段階から連携協力し、支援を行っております。
援助センターでは警察への届出のない場合でも、犯罪被害者が抱える様々な問題に応じて、カウンセリングや弁護士相談、治療費の一部を負担するなどの支援を行っております。
こうした費用は、援助センターの会員による会費や寄付などで賄われており、被害者への支援の内容については他県と遜色のないものとなっております。
しかし、議員お話のとおり現在の援助センターでの相談は平日の日中のみ対応しており、いつ起こるか分からない犯罪の被害者からの相談に迅速に対応するためには、必ずしも十分とは言えません。
相談体制を充実するためには、相談員の増員や育成、資質の向上も必要となります。
今後、被害者を支援する上で、県として取り組まなければならないこうした課題について、必要な措置を講じていきたいと考えております。
また、県では防犯のまちづくり推進条例や犯罪被害者等基本法に基づいて、犯罪被害者の支援に取り組んでおりますが、新たな条例制定の必要性についても、検討してまいります。
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