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掲載日:2019年6月26日
Q 塩野正行議員(公明)
熊本地震の発生から間もなく2か月になります。熊本地震は連続大地震と、その後の群発地震を特徴とする過去に例を見ない震災であります。震度7の大地震が連続して起こり、耐震基準が見直された昭和56年以降の建物も倒壊、余震は過去最高だった新潟中越地震を上回り、今も続いています。昨夜も震度5弱という地震が発生をいたしているところであります。改めて、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い復旧・復興を切に願っております。
さて、今回の地震では本震直後に18万人を超える避難者が発生し、車中泊を余儀なくされた方々も数多くおられました。緊急物資や支援物資が拠点に滞り、避難所にやっと届いた水や食料をもらうために、被災者は2時間半も並ばなければなりませんでした。防災拠点となるべき公共施設も被災し、使えない事態も起きました。被災地への継続的な支援はもとより、想定外の事態に見舞われた熊本地震を教訓に、埼玉県の地震対策を更に万全なものにしなければなりません。埼玉県地域防災計画を見直す必要が生じていると考えますが、御認識を伺います。
また、地震被害想定の見直しについても伺います。埼玉県で起きる地震とその被害想定については、平成26年3月にまとめた埼玉県地震被害想定調査を基にしています。大きな被害が想定される地震は8つあります。東京湾北部地震や茨城県南部地震、活断層地震などであります。このうち、関東にある活断層について、政府の地震調査研究推進本部は昨年4月、詳細な見直しを行いました。新たな知見を基に、従来の関東平野北西縁断層帯は深谷断層帯と綾瀬川断層に2分割されました。その結果、綾瀬川断層は鴻巣市から川口市までの約38キロメートルの可能性があり、伊奈町から川口市までの区間が約19キロありますが、新たに推定活断層に位置付けられました。再評価の結果を受け、地震被害想定を見直す考えはあるか、また地域防災計画に反映させる必要についてもお答えいただきたいと思います。
A 槍田義之 危機管理防災部長
まず、埼玉県地域防災計画の見直しについてでございます。
これまで、地域防災計画は、東日本大震災など大災害の発生や国の防災基本計画などの改正を踏まえて、適宜見直しを行ってまいりました。
今回の熊本地震では、市町村庁舎の損壊で災害対策本部の運営に支障が出た問題、集積拠点が被災し支援物資が滞留した問題、車中泊避難が増えた問題など、多くの課題が明らかになりました。
そこで、国においては、「熊本地震に係る初動対応検証チーム」を設置し、自治体支援、物資輸送、避難所運営といった初動対応に関する検証に着手したところです。
また、本県においても去る5月25日に関係部局が集まり第1回の熊本地震検証会議を開催し、支援の状況や課題などについて話し合いました。
今後は、国の動向も注視しながら、熊本地震を教訓とした課題と対応策について検討を進めてまいります。
その結果を踏まえまして、本県の地震対策がさらに強化されるよう、地域防災計画の見直しに取り組みたいと考えております。
次に、地震被害想定の見直しについてでございます。
現在の埼玉県地震被害想定調査については、東日本大震災を受けて平成24年度から25年度にかけて行いました。
過去の地震履歴と被害実態から、「将来発生する可能性のある地震」で「県内の想定被害が大きい地震」として、海溝型と活断層型、両方の地震を想定し、実施しました。
その後、平成27年4月に、国の地震調査研究推進本部が行った「関東地域の活断層の長期評価」において、新たに「綾瀬川断層の伊奈-川口区間が活断層として推定される」と公表されました。
しかし、この伊奈-川口区間については、過去の地震活動、断層のずれの向きなどが評価することができず、今後詳細な情報を集め活断層の存否を判断する必要があるとのことでございました。
このため、県では国の公表直後から、伊奈-川口区間について詳細調査を実施するよう国に働きかけ、その結果、今年度から調査が実施されることになりました。
しかし、国による詳細調査が終了し、活断層の存否などが明らかになるまでは、数年かかります。
そこで、伊奈-川口区間に活断層があることを前提に、当面の対応を検討するため、今年度、県独自に「地震被害量推計調査」を実施することにいたしました。
これにより、伊奈-川口区間の推定活断層も含めた「深谷断層帯・綾瀬川断層」の被害想定を、暫定的ですが出してまいりたいと考えております。
地域防災計画の見直しについては、この暫定被害想定の内容をも踏まえたものとする予定でございます。
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